竹中工務店とはどんな会社?会社概要やDXへの取り組みを徹底解説
竹中工務店は、建設業におけるスーパーゼネコンの1社です。建築物の施工に特化しており、国内外に支店を持つため、大規模な企業であるといえます。しかし、具体的な概要や特徴を把握しきれていないというケースもあるのではないでしょうか。
本記事では、竹中工務店の特徴や代表的な建築物、DX(BIM)の取り組みについて解説します。
竹中工務店の会社概要
竹中工務店の会社概要は、以下のとおりです。スーパーゼネコンの1社であり、国内外の事業所を持ち、独自の技術研究所を保有している点も特徴といえます。
本社所在地 | 大阪市中央区本町4丁目1-13 |
資本金 | 500億(2024年3月) |
売上高 | 1兆6,124億(2023年連結) |
従業員数 | 7,786人 |
社長 | 佐々木正人 |
竹中工務店の特徴
ここでは、竹中工務店の特徴についてみていきましょう。竹中工務店は、スーパーゼネコンの中でも唯一の非上場会社です。非上場の理由としては、上場しなくても企業経営ができる・迅速な意思決定ができるといったポイントが挙げられます。
また、株主利益に配慮する短期的な利益よりも長期的な利益を上げることを経営方針としている点も非上場の理由の1つといえるでしょう。
歴史
竹中工務店は1610年に創業しました。創業期は神社仏閣の造営を行っており、1874年になると洋風建築を手掛け始めます。1909年になると、合名会社竹中工務店となり、1937年には株式会社が設立され、1938年には合名会社を吸収合併しています。
1959年には竹中建築技術研究所を設立しています。その後は国立競技場の設立やサンフランシスコ、ヨーロッパ、東南アジアへの進出を果たしました。近年では、カーボンニュートラルの実現に向けたCO2削減長期目標の策定や全作業所でのグリーン電力使用といった取り組みも推進しています。
人材育成の方針
竹中工務店では、人材育成の方針として「よい仕事がよい人を育て、よい人がよい仕事を生む」を基本的な考え方として、自ら考え行動できる人を目指すとしています。人材育成の方法としては、若年層と社員個人の能力を鑑みたキャリア開発プログラムの実施や自己啓発による資格取得、階層・職能別教育などを行っています。
社会貢献と環境配慮の方針
社会貢献では、季刊誌「approach」の発行や重要文化財「聴竹居」の運営をはじめとして、建築文化の発信を行うメセナ活動に注力しています。たとえば、子ども向け体験プログラム「たてもの探検隊」の実施や札幌雪まつりへの参加も実施しています。
また、環境配慮では、サステナブル社会を実現するための重要課題として、自社の企業活動を以下の5つのカテゴリーに分けています。それぞれの目標がSDGsに関連してる点も特徴です。
- 持続可能可能な建築・街づくり-BCS賞やグッドデザイン賞の受賞
- 環境との調和-CO2削減、産業廃棄物のリサイクル率の向上
- 働き方・生産性改革-4週8閉所の徹底、生産性向上
- 着実な生産プロセス-顧客満足度調査の向上、事故発生件数0
- 人権の尊重-年1回ごとの人権デューデリジェンスの実施
竹中工務店が上場しない理由
現状では、資金面や長期的な利益を上げるという視点からその必要がない状況であるためです。株式などの有価証券は、外部から資金を調達するために発行されるものだといえます。そのうえで、資金調達の必要性がないのであれば、株式を外部に売却する必要はありません。
また、株式を外部に売却する場合、経営に関する意思決定が鈍くなる可能性もあります。たとえば、100%の株式のうち51%を外部の株主が持っているとすれば、その株主の意思を無視した経営ができなくなります。
竹中工務店の平均年収
竹中工務店の平均年収は、有価証券報告書・四半期報告書から1,013万円となっています。スキルや資格、立場によってはより高額となる可能性があるといえるでしょう。また、日本の平均年収が461万円であることを考えると、2倍以上の賃金差がある点から、専門スキルを持つ人材の評価制度も適正に行われていると予想されます。
ゼネコン26社で比較しても4位と高水準な年収であると考えられます。
各社の平均年収をより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
竹中工務店の代表的な建築物
竹中工務店では、手掛けた建築物を「作品」と読んでいます。作品と呼んでいる理由は、『最高の作品を世に遺し、社会に貢献する』という経営理念からです。代表的な建築物には、次のようなものがあります。
- 水天宮御造替(境内の建替工事)
- 三井ショッピングパーク ららぽーと門真・三井アウトレットパーク 大阪門真
- 横浜赤レンガ倉庫1号館・2号館
- 早稲田大学40号館
- 名古屋市国際展示場コンベンションセンター
- 東京タワー
商業施設から文化財、大学に至るまで幅広く建築物の施行を行っているといえるでしょう。
竹中工務店のDX(BIM)への取り組み
竹中工務店は、建設業の中でもDX(BIM)への取り組みに注力している企業の1つです。たとえば、設計ツールにおけるBIMの活用においては、情報や形状を管理する、モデルの整合性と品質をチェックすることも可能です。
設計ツールの設計アプリケーションは、建築・構造・設備といった分野のシミュレーションや計算、自動的な設計業務も可能となっています。そのため、設計業務におけるシミュレーションや計算業務の不可が軽減されているといえるでしょう。
また、BIMツールに関しては「基礎設計の段階から生産情報を取り込むことによって、着工後すぐに施工モデルが完了する」ことを目的として、開発しています。
施工に関してもBIMをVR・MRによるデジタルツインを行うことで、現場に行かなくても空間の収まりや見栄えを確認することが可能です。自社だけでなく、施主や設計者の目線をふまえたコミュニケーションもできるため、スムーズな話し合いを可能としています。
竹中工務店の設計BIMツールについて詳しくはこちら↓