4Dプリンターとは|事例や仕組み紹介

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「4Dプリンター」についてピックアップします。3Dプリンターに「時間」の概念を加えた技術で、製造物が可変性を持つのが特徴です。本記事では4Dプリンターの研究事例や可能性についてご紹介していきます。

4Dとは

4Dとは、通常の3次元空間(長さ、幅、高さ)に時間を加えた4次元空間のことを指します。この概念は、物理学や数学、コンピュータグラフィックスなどの分野で使われています。

例えば映画館での4Dシアターでは、3次元の映像や物理的な効果に加えて時間的な要素(振動、風、香りなど)を組み合わせて、より没入感のある体験を提供しています。

4Dプリンターとは|3Dプリンターとの違い

4Dプリンターは、時間という第4の次元を活用して製品や材料を変形させたり、特定の条件下で動作したりする能力を持ちます。つまり4Dプリンターで製造された物体は、外部からの刺激や特定の環境条件に反応して形状や機能を変えることができます。

3Dプリンターは、3次元のデジタルモデルから物体を層状に積層して作り出す機械です。一方で4Dプリンターは、3Dプリンターと同様に物体を作成する能力を持ちつつも「素材自体がある条件下で変形することができる」という点が異なります。特殊な素材や構造を使用することで、熱、水、光などの刺激に応答して形状を変えることができます。

例えば、4Dプリントされたオブジェクトは特定の温度に触れると形状が変わったり、湿度の変化に反応して特定のパターンを示したりすることができます。これにより応用範囲が広がり、医療、建築、航空宇宙などの様々な分野での革新的な用途が見込まれています。

4Dプリンターの研究事例

ここでは、4Dプリンターの研究事例についてご紹介します。まだ実用化はされていないものの、新技術の開発により技術革新が期待されます。

記憶形状

4D プリンティングでは、元の形に戻すことも含めた「知能(賢さ)を持った動的構造」を発現可能です。花びらが開閉するような動きを起こしたり、ロボットアームの先に取り付けるグリッパーのような働きを可逆的に起こしたりすることに成功しています。

これは、温度依存性が異なる2種類の形状記憶ゲルを 3D プリンターで複合して造形することにより、応答性の差を利用して造形物の変形を自己動作させるという仕組みです。この挙動は計算機シミュレーションを活用してモデル化や予測が可能であり、今後、計算科学との融合が大いに発展することが予想されています。

高次の知能実現

4Dプリンティングに、3Dプリンタブルなセンサーを組み合わせようという概念も提唱されています。例えばアメフラシのように、外部刺激に応じて挙動する原始的生命体のような動きを4Dプリンタで再現することが挙げられます。これにより、まるで神経を持つ生物のような動きを人工生命風に実現できる可能性があります。

このような研究は、流体や軟体を計算に用いるような物理リザバーコンピューティングの研究と融合することで、4D プリンティングにおける高次機能、高次の知能実現に繋がります。

自己修復

近年注目されるソフトロボット分野への応用では、損傷を受けたロボットのボディが4Dプリンティングの動的構造として自己修復する機構が提案されています。また、造形時の誤りが自動的に訂正されるような事後修理などの提案もあり、様々な分野での応用研究が期待されています。

4Dプリンターの可能性

4Dプリンターはまだ研究段階ですが、今後技術の発展により多くの分野での活用が予想されます。ここでは、実用化が見込まれているプロダクトをご紹介します。

医療|インプラント

インプラントとは、人体内に埋め込まれる人工的な医療装置や材料のことを指します。例えば歯科インプラントは、失われた歯の代替として人工的な歯根を顎の骨に埋め込みます。さらに関節置換用の人工関節や、内部の骨折を修復するための金属プレート等もインプラントの一種です。

デルフト工科大学では、折り紙スタイルの4Dプリント技術で作った多孔性のあるインプラントについて研究を進めています。補綴具に細胞の成長を導くナノパターンを含ませることで、失った骨の再成長が期待できるのです。

建築・住宅|自動組み立て式家具

建築・住宅分野では、自動組み立て式家具の開発が検討されています。家具を開梱したら、何もしなくても自動で組み上がるという仕組みです。この技術が発展すれば、ボートやシェルター、人工衛星といった大規模なオブジェクトへの応用も期待できます。

3Dプリンターのように立体を印刷するのではなく、4Dプリンターでは平面を印刷してから立体に変化させます。そのため製造・輸送・保管時において扱いやすくなるのがメリットです。

まとめ|4Dプリンターの今後に期待

4Dプリンターでは「時間の経過」を利用して製造物を変化させるという特徴があります。まだまだ研究段階の技術ですが、今後は建築・住宅の分野での応用も期待されます。

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