建設業の人手不足事情|ロボットの活用で改善に向けた動き

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建設HR独自分析|2030年の技術者は3.2万人、技能工は23.2万人不足と予測』でご紹介した「建設業界の人手不足」についてピックアップします。

建設業界の人手不足の背景

人手不足により外国人労働者が増加

日本では少子高齢化が進んでおり、労働力不足が問題になりつつあります。各業界において、外国人労働者が日本人労働者の減少を大きく支えているというのが現状です。

数ある業界の中でも、特に外国人労働者の割合が高いのが建設業界です。年々その数は増え続け、2020年には2015年の5倍になっています。(「厚生労働省 外国人雇用状況の届け出資料より作成:急増する建設業界の外国人就労者の推移」より)

ヒューマンリソシアの試算によると、2030年には建設技術者が3.2万人の不足、建設技能工は23.2万人が不足するとの予測がなされています。

建設業界の人手不足の要因

「3K」の現場作業

建設業はよく「3K」の職場ということが言われますね。3Kとは「きつい、汚い、危険」の頭文字を取った言葉です。

重い建材や資材を扱う肉体労働で、土埃や汗にまみれて作業することも多くあります。また高所作業、地下作業、荒天時の作業といった危険を伴う現場も日常茶飯事です。

現在ではかなり改善されている部分もありますが、依然として3Kのイメージがあるため人材が集まりにくいのが現状でしょう。

雇用環境

建設業界に人材が集まらない理由としては、現場作業が多く残業超過も日常的ということも大きな要因と考えられます。

休日が少なかったり、月給が仕事内容に見合ってなかったりすると、新卒採用でも避けられる傾向が強いですね。

最近ではSNSの普及により現場の状況が分かってしまうケースも多いため、とくに若者からは敬遠されがちとなっています。

建設業界の人手不足への対策

建設現場での改善すべき点を是正していくことが、労働力不足対策として期待されますね。その中のひとつとして、ロボットにより現場作業を省人化する取り組みが広がっています。

大成建設|建設現場の遠隔巡視システムロボット

大成建設は、TechShareと共同で建設現場の安全確認等を遠隔で行えるシステム「T-iRemote Inspection」を開発しました。

Unitree社製の四足歩行ロボットは、安価でコンパクトながら優れた運動性能を備えており、日々変化する現場環境に柔軟に対応できるため、現場管理の効率化が可能となります。

https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2021/210517_8230.html

竹中工務店|自走式墨出しロボットの実用化

竹中工務店は、自走式の墨出しロボットを建設現場に試験導入しました。これにより墨出し作業のローコスト化、軽量化、従来比約3倍の生産性向上が期待されます。

今後、他社とのオープンイノベーションを通じて、墨出しロボットの製品化を図ります。

https://www.takenaka.co.jp/news/2019/04/03/index.html

省人化で人手不足改善に期待

今回は「建設業界の人手不足」についてピックアップしました。

3Kと呼ばれるきつい現場作業や長時間労働は、ロボットやIT技術の導入で大幅に改善されることが期待されます。

これからさらに激しくなることが予想される労働力不足にも、建設のDX化で対処する企業が増えるでしょう。

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