スマートシティプロジェクトとは|国土交通省の具体事例をチェック

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スマートシティプロジェクト」についてピックアップします。国では関係府省が連携して、スマートシティ関連事業を行っています。本記事では特に国土交通省が実施している事業に注目し、まとめてご紹介します。

スマートシティとは

スマートシティとは、ICTデータを活用して地域内での安全管理やサービス向上を実現している都市のことを指します。具体的には、ICTを活用した健康管理、災害のリアルタイム情報、キャッシュレスなデジタル決済などが挙げられます。都市内でのデータ利活用で、「市民の幸福度」を向上させることが主な目的です。

内閣府では統合イノベーション戦略2020等に基づき、政府をあげてスマートシティの取組を推進しています。「スマートシティ」について詳しくは、下記記事をご覧ください。

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スマートシティプロジェクトとは

ここでは、スマートシティに関する政府の取組についてご紹介します。

スマートシティプロジェクトの概要

国ではスマートシティ実装に向けた取り組みとして、「スマートシティ関連事業」を実施しています。これは内閣府・総務省・経済産業省・国土交通省が連携して行っているもので、令和5(2023)年度は32地域、34事業が選定されています。

スマートシティ施策は「デジタル田園都市国家構想」の一翼を担うものとしての側面も持っています。令和4(2022)年12月に閣議決定されたデジタル田園都市国家構想総合戦略では、各地域が地域の実情や資源等を踏まえて、国等の施策を組み合わせて有効に利用することが重要とされています。

こういった背景から、令和5年度のスマートシティ関連事業では「デジタル田園都市国家構想の実現に資すること」が大きな評価ポイントとなっています。

「デジタル田園都市国家構想」について詳しくは、下記記事をご覧ください。

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スマートシティ関連事業の選定結果

令和5年度のスマートシティ関連事業の選定結果は、下記のようになりました。各関係府省が一体となって選定することで、優良事例の横展開が期待されています。

  • (1)内閣府:未来技術社会実装事業:2事業
  • (2)総務省:地域課題解決のためのスマートシティ推進事業:5事業
  • (3)経済産業省:地域新MaaS創出推進事業:8事業
  • (4)国土交通省:日本版MaaS推進・支援事業:6事業
  • (5)国土交通省:国土交通省スマートシティ実装化支援事業:13事業

国土交通省・スマートシティ実装化支援事業とは

「令和5年度スマートシティ実装化支援事業」は、これまでの都市開発とスマートシティが連携した「エリマネ型のスマートシティの推進」によるエリア価値の向上を目指すものです。

令和5年度からは新たに「都市サービス実装タイプ」が創設され、実証から実装までを一体的に実施する事業を重点的に支援しているのが特徴です。令和7年度までの実装を目指し、定額補助の上限は5000万円となっています。具体的なイメージとしては、下記が挙げられます。

  • 市の中心駅周辺エリアを対象に、複数の都市サービスの実証~実装により、新たなエリア価値(回遊性向上、観光客滞在時間増加等)の創出を図る。
  • 市街地開発事業等において整備する施設構成やテナント誘致方針の検討において、センサー等から取得したデータの活用等により高度化を図る。
  • PLATEAUを活用したセンサーの配置最適や都市サービスのシミュレーションを行い、より利用者の満足度が高い都市サービスを実装する。
  • 防災情報についてデータ連携基盤を通じて周辺自治体と併せて一元化し、広域防災の実現を図る。

国土交通省・スマートシティ実装化支援事業の具体事例

国土交通省のスマートシティ実装化支援事業では、「R5支援地区」(13地区)と、「R5ハンズオン支援地区」(2地区)が選定されています。その中から、代表的なモデルをピックアップしてまとめています。

R5支援地区

R5支援地区は、先駆的な事業の実証事業に位置付けられています。13地区ある中でも特に先進的な事業は「都市サービス実装タイプ」、その他は「通常タイプ」となります。

東京都千代田区

東京駅周辺エリアを対象とした「都市サービス実装タイプ」の事業です。官民領域やデジタル・リアルを横断した、高度化されたサービスの提供を目指します。

来街者やワーカーに対するエリアとして総合的・一体的なサービスを提供するほか、エリマネデジタルツインの整備を行います。モビリティ情報、店舗情報や地図情報等を一体的に提供できるような仕組みを構築し、車いす利用者・MICE来街者等、ユーザーに応じた最適な行動や体験を提供できるようにします。

三重県四日市市

中央通り沿いのパブリックスペースの利活用や、バーチャル空間を活用したコミュニティ形成に資する取り組みに関する「都市サービス実装タイプ」の実証です。中央通りの再編やバスターミナル整備を契機として、「ウォーカブルな中心市街地」の実現や新たな価値の創出を目指します。

具体的には、人流計測用のAIカメラ(スマート・インフラ)とデジタルサイネージの整備、自動運転バスやパーソナルモビリティなど公共交通予約決済サービスの構築などが挙げられます。

また「PLATEAUを活用したデジタルインフラ台帳構築」や、バーチャル空間での市民間の意見交換、集約機会の創出といった取り組みも行われています。PLATEAUについて詳しくは、下記記事をご覧ください。

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R5ハンズオン支援地区

先進事例等の知見を有した国土交通省職員が、コンソーシアムの検討に対する助言や情報提供等の支援(ハンズオン支援)を行うという取り組みです。

京都府精華町・木津川市

関西文化学術研究都市(けいはんな学研都市)の、精華・西木津地区が主なフィールドです。NTTコミュニケーションズ、ダッソー・システムズといった企業が参加しています。

具体的には、デジタルツインを活用した「災害シミュレーションと連携した避難誘導」や「各種生活情報を分析・シミュレートした行動変容施策と健康等の効果測定」等の従来の取組の成果を発展させ、地域の安心・安全の向上を図ります。

兵庫県三木市

デジタル技術を活用した高齢者の歩行促進、交通事故抑制、避難誘導の効率化などの取組を実施します。既存の健康アプリとこれらの取組との連動により、歩行のモチベーションを継続させ、高齢者が元気に安心安全に暮らせるまちづくりを目指しています。

アシックス、あいおいニッセイ同和損害保険、日本郵便、ミライアプリといった企業が参加しています。

まとめ|スマートシティプロジェクトに期待

人口減少社会においては、スマートシティで街の効率化を図ることが求められます。大都市部の利便性向上だけではなく、過疎地域での安全性向上といったメリットもあり、実装化に期待が高まっています。