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未来都市ウーブン・シティに住みたい|スマートシティの課題や事例紹介も

掲載日:2022年10月18日

トレンドワード:スマートシティ

ICTデータを活用した未来型都市「スマートシティ」についてピックアップします。トヨタの「ウーブン・シティ」やサウジアラビアNEOMによる「THE LINE」など、「本当に実現するの?」と言いたくなるような先進的な事例もご紹介。これからの街づくりへの期待が高まります。

スマートシティとは

スマートシティを簡単に解説

スマートシティとは、ICTデータを活用して地域内での安全管理やサービス向上を実現している都市のことを指します。具体的には、ICTを活用した健康管理、災害のリアルタイム情報、キャッシュレスなデジタル決済などが挙げられます。都市内でのデータ利活用で、「市民の幸福度」を向上させることが主な目的です。

内閣府では統合イノベーション戦略2020等に基づき、政府をあげてスマートシティの取組を推進しています。

スマートシティのメリット

スマートシティのメリットは、以下が挙げられます。

  • 人、モノの快適な移動
  • 自然災害や感染症の被害縮小
  • インフラ維持管理の効率化
  • 観光・地域活性化
  • 日常的なヘルスケア促進
  • 農林水産業の活性化
  • 再生可能エネルギーの普及
  • セキュリティ、見守り強化
  • 物流のコスト削減、迅速化

ICTを活用してデータを適切に利用することで、一人ひとりに合わせた多様性のあるサービスを提供できるのがメリットと言えるでしょう。住む人のライフスタイルに合わせることで、生活の質向上が期待できます。

スマートシティの課題や問題点

スマートシティの課題や問題点としては、以下が挙げられます。

  • プライバシーの侵害
  • システム障害による都市機能の停止
  • 導入コストが高額

スマートシティでは、カメラ等で住民のデータを幅広く収集してサービスに生かしています。そのため場合によっては「監視社会」「プライバシーが損なわれる」というデメリットがあるでしょう。

またICTやインターネットを利用するため、停電やサイバー攻撃があった際には都市生活に支障が生まれてしまいます。端末やネット環境の整備には初期コストが掛かるため、街全体をスマート化するのはハードルが高いという課題もあります。

スマートシティの事例

ここでは、企業や国家によるスマートシティの取り組み事例をご紹介します。日本や世界を代表する企業が進んで取り組んでおり、すでに実用段階に入っている都市もあります。

事例①Woven City(ウーブン・シティ)|トヨタ_日本

ウーブン・シティの場所、概要

ウーブン・シティは、トヨタが開発する実験型未来都市です。場所は「静岡県裾野市」で、トヨタ自動車東日本の東富士工場跡地を利用して建設が進められています。

ウーブン・シティは、モビリティとヘルスケア、食と農業、エネルギー、ファイナンス、教育などを融合させたスマートシティとして計画されています。コンセプトは、「ヒト中心の街」「実証実験の街」「未完成の街」です。

居住に必要なインフラが整う第一期オープン完成予定時期は、2024年から2025年予定となっています。2022年11月上旬には建築本体工事が始まることが発表され、トヨタ自動車や市、県、施工業者の関係者らが現地で安全祈願祭を行ないました。建設会社は、大手ゼネコンの大林組です。

ウーブン・シティに住むには

ウーブン・シティには、開所時点で「約360人」が住む予定となっています。最初はトヨタ社員や関係者が居住する予定ですが、公式サイトでは「発明家、高齢者、子育て世代の方々などに居住していただくことを考えています」と発表されており、居住情報は決まり次第公表される予定です。

将来的には2,000人程度の大規模な都市になるため、「ウーブン・シティに住みたい」とお考えの方は情報公開をチェックしておきましょう。

事例②THE LINE|NEOM(ネオン)_サウジアラビア

「THE LINE(ザ ライン)」は、サウジアラビアのスマートシティ計画「NEOM(ネオン)」の一環として行われる建造物です。高さ500m・幅200m・全長170kmの鏡張りとなっており、中で900万人が暮らせる壮大な都市計画となっています。

当初の完成予定は2025年でしたが、遅延により後倒しが見込まれています。

ウーブン・シティが車との共存を目標としているのに対して、ザ・ラインは「道路、車、排出ガスなし」がコンセプトです。建物内部には高速鉄道が走り、端から端まで20分以内に移動可能となっています。

建物の動力は100% 再生可能エネルギーで稼働しており、インフラ設置面積を縮小することで都市の無秩序な広がりを防止する役割も果たします。

事例③城市大脳(シティブレイン)|アリババ_中国

中国は世界で最もスマートシティが広まっている国家で、最先端のICT技術がすでに実用化されています。たとえば杭州では、アリババ社と提携して「城市大脳(シティブレイン)」を導入しています。

シティブレインとはICTを活用したスマートシティソリューションで、主に交通分野で力を発揮しているのが特徴です。もともと杭州は交通渋滞が多いエリアでしたが、交通局や公共交通機関、マッピングアプリ、監視カメラ等からのデータを活用することで慢性的な渋滞が解消されました。

また「救急車が通る道筋に合わせて信号が変わる」「犯罪者が逃亡したとき最も近い警察署に自動連絡する」といった応用もでき、市民生活の向上に役立っています。

スマートシティでSDGs推進

スマートシティはまだまだ日本では実験段階ですが、トヨタの「ウーブン・シティ」といった取り組みから徐々に広まりが期待されます。しかし交通問題の解決や防犯対策といったメリットがある一方で、監視社会に繋がるという懸念も課題として残っています。SDGsの実現という観点からも、今後の動向に注目です。

この記事を書いた人

小日向

二級建築士/インテリアコーディネーター(IC)/福祉住環境コーディネーター。 建築学科卒業後、インテリアメーカーにてICの業務を経験。 現在は建築・住宅系ライターとしてコラムを担当。ハウスメーカー、リフォーム、住宅設備会社での執筆多数。

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