国交省「PLATEAU(プラトー)」デジタルツインを用いた横浜市実証実験が完了
インフォ・ラウンジ株式会社(本社:横浜市都筑区 代表取締役社長 肥田野 正輝)、サイバネットシステム株式会社(本社:東京都、代表取締役 社長執行役員:安江 令子)、株式会社山手総合計画研究所(本社:横浜市中区 代表取締役 片岡 公一)は、XR技術を用いた体感型アーバンプランニング(都市設計)ツール「Tangible Interface XR(タンジブル・インターフェース・エックス・アール)」を共同開発し、横浜市中区にて行われた同ツールの2022年度の実証実験が終了したことをお知らせします。
目次
概要
この取り組みは、国土交通省が主導する「3D都市モデル整備・オープンデータ化プロジェクトPLATEAU」(※2)のユースケース開発事業の一つ「PLATEAU YOKOHAMA」として、2022年4月から2023年3月にかけて実施されました。
また、「Tangible Interface XR」の体験ブースを設置した、本実証実験の成果発表ならびにアーバンプランニングにおけるデジタル活用をテーマとするトークセッションを、4月21日に横浜で開催することを併せてお知らせします。報道機関の皆さま専用の内覧会も予定していますので、ぜひご参加ください。詳細は本プレスリリース末尾の開催概要をご覧ください。
PLATEAU YOKOHAMA プロジェクト概要
これまで、アーバンプランニングは行政機関やデベロッパーの主導によって行われてきましたが、近年は市民参加型によるプロセス設計の重要性が増しています。
そこで本プロジェクトでは、都市に関わる行政担当者、専門家、住民など全員が主体となり、自分たちの都市の未来を共に考えてイメージを共有できるよう、デジタル技術を活用したツールを開発しました。本ツールの活用により、一般市民を交えたコミュニケーションを活発化させ、より高度なプランニング・合意形成を支援します。
実証実験では、横浜市の市庁舎が関内駅前から馬車道駅へ移転した後、人の動線が大きく変化したことを踏まえ、これまでは人通りの少なかった新市庁舎周辺の大岡川沿いの街区を対象として選定し、デジタルツインを構築しました。
横浜市庁舎付近、大岡川沿いの街区にある入船通りの写真(左) 3D都市モデルを元に作成した入船通りのデジタルツイン(右)
本実証実験の詳細は、以下の国土交通省のWebサイトをご覧ください。
https://www.mlit.go.jp/plateau/use-case/uc22-035/
なお、本プロジェクトは、一般社団法人社会基盤情報流通推進協議会主催「アーバンデータチャレンジ2022 with 土木学会」(※3)において、ビジネス・プロフェッショナル部門優秀賞を受賞しました。
XR技術を用いた体感型アーバンプランニングツール「Tangible Interface XR」とは
PLATEAU YOKOHAMAプロジェクトが開発した「Tangible Interface XR」は、建築物の評価に利用される都市模型(ジオラマ)をタンジブル・インタフェース(※4)化してVRと組み合わせ、都市デザインという領域に適用したツールです。1.5m四方のテーブルに設置された都市模型の形状とレイアウトの情報を、実寸大の3Dデジタルツインの景観としてVRヘッドセットやディスプレイに表示させ、模型を動かすと即座に景観にも反映させます。
利用者は、模型で作られた世界へVRを使って入りこみ、実際にその都市の中を歩いているように風景の変化を主観的に観察できるだけでなく、タンジブル・インタフェース化された人物や調度品の模型(タンジブル・オブジェクト)を動かして実際の配置を体験することが可能です。
街の景観を見ながら議論を行い、新しいアイデアが出ればその場で模型を動かして視覚化できるため、専門知識を持たない多様な立場の方々でも率直な意見や感想を出しやすくなることが期待できます。
タンジブル・インターフェースを使用したワークショップの様子
デジタルツインに反映できるタンジブル・オブジェクトの例
将来的には、アーバンプランニング、エリアマネジメント、都市シミュレーションなどのユースケースでの活用を想定しています。
実証実験(デジタルツインを用いた都市設計ワークショップ)の参加者の声
実証実験のワークショップでは、参加者の多様な視点から見た「街の未来」を、対話を通じてイメージしてもらい、その場でタンジブル・インタフェースにより視覚化させることで、活発なコミュニケーションが展開されました。
参加者によるアイデア1:ビルの場所を広場として活用
参加者によるアイデア2:水辺を水上レストランとして活用
参加後のアンケートでは、「平面地図と比較して、模型があることのメリットを感じたか」、「現状の街や検討した場面(シーン)をイメージしやすかったか」などの設問に対し、すべての回答者から肯定的な回答が得られました。
成果発表およびトークセッション「デジタル活用によるアーバンプランニングの未来」
PLATEAU YOKOHAMAプロジェクトの成果発表ならびにアーバンプランニングにおけるデジタル活用をテーマとするトークセッションを行います。実際に「Tangible Interface XR」を体験いただけますので、ぜひご参加ください。
—————–【開催概要】——————-
■日時
2023年4月21日(金)
14:30~15:30 報道関係者向け内覧会
15:30~ 一般開場
16:00~18:00 成果報告および有識者を交えたトークセッション
18:00~19:00 「Tangible Interface XR」体験会
■会場
BankART KAIKO(みなとみらい線「馬車道」駅前)
〒231-0003 横浜市中区北仲通5-57-2 1階
http://www.bankart1929.com/bank2020/space/kaiko/index.html
■定員
リアル会場:50名 ※定員に達し次第、締め切りとさせていただきます。予めご了承ください。
オンライン:100名 ※YouTube Liveの配信をご覧いただけます。
■参加対象
・報道関係者向け内覧会(14:30~)
- 報道機関の方
・成果報告および有識者を交えたトークセッション(16:00~)
- 都市開発/再開発に携わるデベロッパーの方
- 都市設計に携わる建設/建築業界の方
- 地方自治体の担当者の方
- まちづくりや都市の未来の設計に関心をお持ちの方
■参加費
無料(事前登録制)
■詳細およびお申込み
https://plateauyokohama2022.peatix.com/
【注釈】
※1: デジタルツイン:サイバー空間内に物理空間の環境を再現し、モニタリングやシミュレーションを可能にする仕組みのこと。この時に構築されたサイバー空間内の「電子の双子」そのものを指す場合もある。
※2: 「プロジェクトPLATEAU」:国土交通省が主導する、日本全国の国土交通省が主導する3D都市モデル整備・活用・オープンデータ化プロジェクト。3D都市モデルの整備とユースケースの開発、利用促進を図ることで、 全体最適・市⺠参加型・機動的なまちづくりの実現を目指す目的で推進されている。
https://www.mlit.go.jp/plateau/about/
※3: 「アーバンデータチャレンジ2022 with 土木学会」:地域課題の解決を目的に、主に地方自治体を中心とする公共データを活用したデータ活用型コミュニティづくりと一般参加を伴う作品コンテスト。
https://urbandata-challenge.jp/news/udc2022prize
※4: タンジブルユーザインタフェース(英: tangible user interface):マサチューセッツ工科大学(MIT)教授石井裕が提唱するユーザインタフェースの形態で、形のない情報を直接触れることができる(タンジブル)ようにした、より実体感のあるインタフェース。「タンジブル」とは「実体」の意味。
インフォ・ラウンジ株式会社について
地域密着型のIT総合パートナーを目指し、2007年に横浜で創業しました。「ICTを活用して社会の中のあらゆるバリヤーを取り除いて行くこと」をミッションに、主に以下の3つの軸で事業活動を行っています。
1.地域情報化:企業、NPO、公的機関など多様な主体の情報活動ニーズに応える、Webを活用したソリューション提案
2.オープンデータ:行政機関を中心としたオープンデータ環境の構築やオープンデータを応用したアプリケーションの構築
3.福祉・教育:ウェブやスマートデバイスの応用による、多様な人々の社会参加
インフォ・ラウンジ株式会社に関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。
https://info-lounge.jp/
株式会社山手総合計画研究所について
「未来にとって素晴らしい過去となる現在を創る」事を基本目標として都市や建築の計画や設計を手がける会社です。1983年の設立以来、横浜を中心に多くの実績があります。常に未来へのアンテナをはりながら、地域のニーズを把握し、地域のためになるプロジェクトを丁寧に立案・推進します。主な事業内容は以下の通りです。
・都市や地域レベルの都市デザインに関するプロジェクトの立案・計画・設計や推進支援
・歴史的建造物の保存・活用をはじめとした建築の計画・設計
・公民連携による公共資産活用等のサポート
・行政やまちづくり活動におけるデジタル技術の活用
株式会社山手総合計画研究所に関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。
http://www.y-p-c.co.jp/
サイバネットについて
サイバネットシステム株式会社は、CAE※のリーディングカンパニーとして、30年以上にわたり製造業の研究開発・設計関係部門、大学・政府の研究機関等へ、ソフトウェア、教育サービス、技術サポート、コンサルティングを提供しています。
また、IT分野では、サイバー攻撃から情報資産を守るエンドポイントセキュリティやクラウドセキュリティなどのITセキュリティソリューションを提供しています。近年では、IoTやデジタルツイン、ビッグデータ分析、AI領域で、当社の得意とするCAEやAR/VR技術と組み合わせたソリューションを提案しています。
企業ビジョンは、「技術とアイデアで、社会にサステナビリティとサプライズを」。日々多様化・複雑化する技術課題に向き合うお客様の課題を、期待を超える技術とアイデアで解決し、更にその先の変革へと導くことを目標に取り組んでまいります。
サイバネットシステム株式会社に関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。
https://www.cybernet.co.jp/
※ CAE(Computer Aided Engineering):ものづくりの研究・開発工程において、従来行われていた試作品によるテストや実験をコンピュータ上でシミュレーションし分析する技術。試作や実験の回数を劇的に減らすことで、開発期間や資材コストを大幅に削減できるメリットがある。
本件に関するお問い合わせ先:サイバネットシステム株式会社
■内容について
DXソリューション事業部 AR/VRサービス室/西野
E-MAIL:cnc-info@cybernet.co.jp
■報道の方は
コーポレートマーケティング部/山本
E-MAIL:prdreq@cybernet.co.jp
■投資家の方は
IR室/目黒
E-MAIL:irquery@cybernet.co.jp
※記載されている団体名、ブランド名、製品名、サービス名は、各所有者の商標および登録商標です。