国土交通省の支援事例にみるBIM導入による効率化の成果|㈱キャパ メディア連携企画

 

建設業界のハイテク化は、今や各社で取り組みが推奨されている喫緊の課題となっています。国土交通省もBIM導入に向けた支援を続けており、支援を受けた企業事例も増えてきました。

この記事では、そんな国交省の支援を受けた事例を参考にしながら、BIM導入によってどのような効率化が得られているのかについて、解説します。

国土交通省の「BIMを活用した建築生産・維持管理プロセス円滑化モデル事業」とは

国土交通省では、関連業界におけるBIM導入を推進するためのプロジェクトの一環として「BIMを活用した建築生産・維持管理プロセス円滑化モデル事業」を展開しています。この施策は、BIMを通じたデジタルデータの活用によって、建築業界における業務の効率化や生産性の向上、そしてデータ活用の文化を醸成することを推進することが目的です*1。

業務プロセスの中でBIM導入に取り組んだり、BIM導入の効果検証に取り組んだりする提案を応募した企業に対し、一部費用補助を行っています。応募企業が100%支援を受けられるわけではありませんが、毎年複数の企業が補助の対象となっているため、BIM導入を検討している企業は参考にしたい取り組みと言えるでしょう。

公募事業の3つの応募形式

「BIMを活用した建築生産・維持管理プロセス円滑化モデル事業」には、大きく分けて3つの応募形式が存在します*2。組織の形態や取り組みの内容に応じて、応募できる窓口が異なるのが特徴です。

先導事業者型

先導事業者型は、BIMの活用による生産性向上や、BIMを使ったサービスを創出することで得られる効果の検証、そしBIMデータの活用に伴う課題の連携などに携わる事業者向けに提供される制度です。

検証に必要な経費であれば、3,000万円以内なら補助金を受けることができます。

中小企業BIM試行型

中小企業BIM試行型は、中小事業者向けに提供されている補助金制度です。建築プロジェクトへのBIM導入と課題の分析、BIM活用の効果検証と改善策の検討、そして中小事業者のBIMの導入・活用ロードマップ素案を提示することが補助の条件です。

応募資格を満たした事業者なら、500万円以下の経費補助を受けられます。

パートナー事業型

パートナー事業者型は、補助金の発生しない応募項目ではありますが、応募した事業が採択されることで、自社の取り組みを政府経由で公表してもらうことができる応募枠です。

公募要件は先導事業者型とほぼ同様で、費用負担の軽減は得られなくても良いので公表の機会を求めている場合には、応募しておきたい取り組みです。

先導事業者型のBIM導入事例

それではここから、各応募形式ごとの実際の導入事例を解説します。

株式会社奥村組

株式会社奥村組では、技術研究施設におけるBIM モデルを用いた維持管理業務効率化等の検証を実施しました*3。従来はエクセルを使った修繕計画の策定などを実施していたこともあり、計画策定に多大な時間を要していました。一方、BIM導入を進めたことで、BIMモデルから数量を抽出し、7%もの業務削減を実現しています。

今後の課題としては、BIMモデル作成の詳細な取り決めを実施したり、維持管理 BIM システムの拡充には別途費用が発生したりする点に取り組む必要があるとしています。

大和ハウス工業株式会社/株式会社フジタ

大和ハウス工業株式会社と株式会社フジタは合同で、BIMを活用した建築生産や、維持管理プロセスの円滑化に向けたモデル事業を展開しました*4。プロジェクトにおける設計から維持管理まで、同社ができる限りのBIM導入を進めたことにより、概ね30%程度の作業効果が実証されたとのことです。

ISO19650に準拠した共通データ環境を構築し、情報管理の効率化にも取り組みましたが、データ承認が不明確であることや、連携ルールが曖昧なままにとどまったことなどを課題としてあげており、更なる情報活用の高度化が求められています。

中小企業BIM試行型の導入事例

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