【CEATEC2022 独自取材②】ダイバーシティ実現に向けた最先端のヘルスケア商材|ピクシーダストテクノロジーズ

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BuildApp News編集部は、2022年10月18~21日にかけて3年ぶりに幕張メッセにてリアル開催をおこなったCEATEC2022の取材に行きました。

落合 陽一氏が代表を務めるピクシーダストテクノロジーズ株式会社は、独自のデジタル技術を開発・提供することで近年注目されています。同社は、鹿島建設株式会社と共同で空間開発型事業「KOTOWARI™️」の研究開発を行ったり、野原ホールディングス株式会社のインテリア内装材・壁紙ブランド「WhO」に同社開発のデザイン生成技術「DeepWear™」を用いた壁紙デザインを提供したりしています。

本記事で紹介する製品・ソリューションは同社事業の柱の1つであるダイバーシティ&ヘルスケアに関する技術です。建設DXに関連する商材ではないものの、先端技術で多くの来場者でにぎわっていたため、当サイトでもご紹介します。先端技術のキャッチアップにお役立てください。

ピクシーダストテクノロジーズ 星 貴之 氏 インタビュー

Q.今回の出展目的とブースのターゲットとなるプレイヤーを教えてください。

CEATECは今回が初の出展です。2022年9月15日に「SonoRepro™」の予約販売の受付を開始し、まだ一般発売(※)は行っていないため、当社ブースのターゲットはメディアの方々となります。

※2022年11月10日に一般発売を開始しました。

また当社はデジタル技術によるダイバーシティ社会の実現を目指しています。ダイバーシティ社会の実現に向けて、難聴者支援や認知症患者のケアに役立つ技術の開発に取り組んでいることを多くの来場者に知ってもらう狙いもあります。

Q. 今回出展されている商品・サービスについて教えてください。

CEATEC2022では、以下3つの商材を展示しました。

超音波ヘアケアデバイス「SonoRepro™」

「SonoRepro™」は当社独自の超音波研究から生まれた「非接触振動圧刺激」を搭載した家庭用ヘアケアデバイスです。通常価格は125,000 円(税込 137,500 円)となります。空中を伝わる超音波を用いた振動圧刺激によって、触れずに頭皮を刺激します。ミノキシジルを塗った頭皮にも使用でき、新しいヘアケアへの応用を目指して開発された製品です。

使用法としては、1日1分、頭皮の気になる部分に超音波を照射します。動作音が静かなうえ、デバイスの重さは約280gと軽量で持ち運びも簡単なため、時間と場所を選ばずに利用できる点も大きなメリットです。詳細は以下のYouTubeチャンネルよりご確認ください。

「SonoRepro™」

難聴者のためのコミュニケーション支援プロダクト

本プロダクトは、難聴者の社会的交流を増やすことを目的に補聴器等の既存の機器では対応できない課題に取り組んでいます。特に就労している難聴者は、職場で能力を発揮するうえで「複数人の会話が聞き取れない」ことが大きな障壁となり、補聴器だけでは「話者の声の方向がわからない」「聞き分けが難しい」といった課題があります。この課題を解決するために、当社は独自の音声分離技術を用いた複数人の会話をリアルタイムに視覚化する難聴者コミュニケーション支援サービス「View of Voice」を提供しています。第一弾としてマイクとアプリを2023年3月にリリース予定です。詳細は以下のYouTubeチャンネルよりご確認ください。

「難聴者コミュニケーション支援サービス」

その他にもディスプレイ上に会話内容を字幕表示する多言語対応が可能な「字幕透明ディスプレイ」や、複数人が会話している状態でも話者を区別して内容をレンズに表示する「難聴者支援スマートグラス」の研究・実証実験を進めています。

ガンマ刺激による脳活性化および認知機能改善

国内外を問わず高齢者人口は増加し続けており、認知症の有病者数もさらに増加すると予想されています。こうした状況の中、当社は脳の特定のリズム活動(ガンマ波)を強める「音」と、そのリアルタイム信号処理技術を開発しました。脳の特定のリズム活動を強める「音」は、生活に溶け込んだ形で聴取できます。この音を認知による機能改善についての学術的エビデンス構築を進めるとともに、自然な形で認知症ケアを実現できる家庭向けプロダクトを塩野義製薬様、シオノギヘルスケア様と当社の3社で開発しております。詳細は以下のYouTubeチャンネルよりご確認ください。

「認知機能改善 技術コンセプト動画」

Q. 今回出展されている商品・サービスの事例について教えてください。

超音波ヘアケアデバイス「SonoRepro™」の事例

「SonoRepro™」は家庭用デバイスとして小型化する前の大型装置を、薄毛治療をメインで行うDクリニック東京に導入した事例がございます。「SonoRepro™」の開発の背景には、当社が長年に渡り、超音波が生じる非接触の力を用いた応用研究に取り組んできた経緯があります。この超音波技術の発端である非接触触覚(空中で触らずに触覚を感じるという触覚のバーチャルリアリティ)から始まり、人工受粉や静電気計測、そして音響浮揚といった応用に繋げてきました。

こうした試みの中で、アンファー・日本医科大学形成外科学教室、当社の3者の共同研究で、細胞上面から非接触で負荷が与えられる非接触集束超音波装置を使用し、臨床研究を実施いたしました。この研究成果に基づき、3者で臨床用の非接触集束超音波装置を開発し、薄毛治療をメインで行うDクリニック東京にて昨年11月に記者発表を行いました。

Q.今回出展されている商品・サービスや御社の今後の展望を教えてください。

「SonoRepro™」に続いて、難聴者のためのコミュニケーション支援プロダクトやガンマ刺激による脳活性化および認知機能改善に関しても、企業や大学、自治体と連携しながら現在実用化に向けて研究や実証実験を進めている最中です。ダイバーシティ社会の実現に向けて貢献できればと考えております。

*KOTOWARI, SonoRepro, DeepWear及び関連するロゴは、ピクシーダストテクノロジーズ株式会社の商標又は登録商標です。

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