【日建連 BIMセミナー】「BIM 活用の実情把握に関するアンケート」の実施報告②|2022年度版
日建連は2022年6月17日に開催したオンラインセミナーにおいて「BIM活用の実情把握に関するアンケート」の実施報告を行いました。1回目に紹介した「社内のBIM推進方式」に関する分析結果に引き続き、今回は「社内のBIM推進の整備状況」に関するアンケートの集計・分析結果を紹介します。
▼第一回はこちらからご覧ください 【2022年度日建連BIMセミナー】「BIM活用の実情把握に関するアンケート」の実施報告
目次
アンケートの概要
「BIM活用の実情把握に関するアンケート」の目的や実施概要、分析概要をご説明します。
目的
1)日建連会員(建築)におけるBIM活用・展開状況や、導入後抱えている課題等を把握し、会員企業各々のBIM推進施策に役立つものにする。
2)施工BIMを中心に設計や設備を含めた全体の調査とし、プロジェクトを通したBIM推進状況を把握する。
実施概要
- 実施時期:2021年12月10日~2022年3月10日
- 実施対象:日建連建築本部会員企業
- 実施方法:eメールにて発信、回収(Excelシートに入力)
- 回答状況:40社/72社(56%)
分析概要
- 層別の分析として、全体、BIM導入期間6年未満、6年以上での比較を明示。
- 2018年に実施した導入・展開アンケートと同じ設問について、取組み状況の変化を明示。
人材の整備状況
BIM推進組織
BIM推進組織のある企業は2018年の調査より6社増加し、回答した企業の85%を占めています。
作業所長の配置時期及びBIMマネージャーの配置
作業所長の配置時期は着工前又はケースバイケースがほとんどで、しくみとして設計段階での配置を定めている企業は限られています。
また、BIMマネージャーについては指定又は複数プロジェクトでの統括配置が多く、全プロジェクトでの配置は限られています。層別比較では導入6年未満で配置無しが多いことが判明しました。
BIMモデラー
全体では、約6割が確保できていますが将来不足を予想しています。BIM導入6年未満では、現状の確保は3分の1に留まっています。
BIM教育
全体としてほぼ何らかの取組みを行っており、特に社内研修が多く実施されています。BIM導入6年以上では、導入6年未満と比較して社内外の研修の実施度合いが高くなっています。
道具の整備状況
モデル作成のマニュアル又はガイド
設計では意匠が高く全体で約6割が設定していて、構造では半数近く設定していました。導入期間による差は大きく、導入6年以上では設定の割合が大きく増えています。
施工では半数近くが設定していて、導入期間による差はあまりありません。
テンプレート
全体では半数近くが整備済みとなり、半数が整備中で、実施中を含めた整備率は2018年調査から倍増しています。 BIM導入期間による違いは少ない結果となりました。
BIM実行計画書
全体では85%が全て又は必要に応じて作成・運用しており、2018年調査の60%から増加していますが、BIM適用プロジェクトの全てで作成・運用しているのは3分の1に留まっています。
BIM導入6年未満の全企業で、全て又は必要に応じて作成・運用しています。
まとめ
アンケートの分析結果から多くの企業がBIM推進組織を設置し、社内でBIM研修を積極的に行い、モデル作成のマニュアルやガイド、テンプレートといった道具の整備を進めています。しかし、その一方で作BIMマネージャーを全プロジェクトで配置する企業は限られており、将来的なBIMモデラーの不足を懸念する企業が多いことが判明しました。
次回の【日建連 BIMセミナー】「BIM 活用の実情把握に関するアンケート」の実施報告では、分析項目「設計におけるBIM活用状況」に関する集計結果をご紹介します。