BIM資格とは|難易度やおすすめ種類を紹介
目次
トレンドワード:BIM資格
「BIM資格」についてピックアップします。主なBIM資格の種類について、属性別にご紹介します。基本情報や合格基準、難易度等についてまとめています。資格取得はBIMの本格普及に対するスキルアップにも役立つため、ぜひご参考にしてみてください。
BIMソフトメーカー系
ここでは、BIMソフトメーカー系の資格をまとめています。ArchicadやRevitといったBIMソフトは実務でも良く使用されるため、資格がスキルの証明にも役立ちやすいでしょう。
①Archicad 認定試験|グラフィソフト社
https://graphisoft.com/jp/training/archicad-bim-user
- 対象となるレベル:BIMの基本的なコンセプトを理解し、Archicadの基本機能と特性を使用できるユーザー
- 構成:理論問題 20問
- 制限時間:30分間
- 合格スコア:70%
- 難易度:中級レベル
BIM の基本的なコンセプトを理解し、Archicad の基本的なモデリングツールとドキュメンテーションツールを使用されている方に適しています。受験の前提条件は特にありませんが、試験に合格するためにはBIM Classesの初級・中級コース相当のレベルを習得していると合格率が高まります。
②Revit Architecture ユーザー試験|オートデスク社
- 問題数:30問
- 出題形式:選択式 + 実技操作
- 試験時間:50分
- 合格ライン:73%以上の正解率
- 難易度:中級レベル
Revit 利用に関わる基礎知識の理解と、操作技術の基本的な能力を測る試験です。試験は、会場に用意された PC にあらかじめインストールされた実際のソフトウェアを使用して行います。問題の解答方法は実技形式がメインで、指示に従ってPCを操作して解答します。
試験対策としては、オートデスク認定試験センター(ACC)で購入可能な認定試験対策本や、オートデスク認定トレーニングセンター(ATC)の試験対策講座の受講も有効です。
BSI国際規格系
BSIは、ISMSなどの規格を作っている会社です。世界150ヵ国以上でマネジメントシステム認証・審査を行っており、世界でも最大かつ最も経験豊富な認証機関の一つとなっています。
代表的な企画としては、ISO 9001、ISO 14001、 ISO/IEC 27001などの主要なグローバル規格の策定に携わっています。
③BIM プロジェクトインフォメーション資格(ISO-19650-2)
資格取得のためには下記の研修を受け、受講後の試験にすべて合格することが必要です。難易度は非常に高く、英語の内容も含まれます。
- BIM基本研修
- BIM ISO 19650 パート2: プロジェクトデリバリーフェーズ研修
- BIM BS 1192 パート 4 Handover Information Exchange 研修(オンデマンド研修)
④BIMアセットインフォメーション資格 (ISO-19650-3)
資格取得のためには下記の研修を受け、受講後の試験にすべて合格することが必要です。プロジェクトインフォメーションと同様に難易度は非常に高く、英語の内容も含まれます。
- BIM基本研修
- BIM BS 1192 パート 4 Handover Information Exchange 研修(オンデマンド研修)
- BIM PAS 1192パート6: 安全衛生研修(オンデマンド研修)
- BIM ISO 19650 パート2: プロジェクトデリバリーフェーズ研修
- BIM ISO 19650 パート5: セキュリティ及びBIM研修
その他
BIMに関して、各協会等が独自に資格試験を実施している場合もあります。ここでは、代表的な資格をご紹介します。
⑤BIM利用技術者試験|ACSP
BIM利用技術者試験は、BIMの知識と技術の両面を評価する試験です。2級のほか、2024年度からは準1級/1級も開始される予定となっています。
2級
- 試験時間:60分間
- 受験資格:制限なし
- 受験料:7,700円
- 合格発表:試験終了後、即時発表
- 合格基準:各分野5割以上、および総合7割以上の正解
- 難易度:中級レベル
準1級/1級
- 試験時間:未定
- 受験資格:2級合格者/準1級合格者
- 受験料:準1級11,000円、1級16,500円※準1級保持者は11,000円
- 合格発表:前期 9月中旬、後期 翌年1月中旬
- 合格基準:各分野5割以上、および総合7割以上の正解
- 難易度:上級レベル
⑥BIM/CIM技術者資格認定試験|JCITC
日本建設情報技術センター(JCITC)では、2023年8月にBIM/CIM技術者資格認定試験を実施しました。「初級BIM/CIM技術者養成講座」の修了者向けに行われ、BIM/CIMに関する基礎知識・Civilユーザ会と共催での現況地形・道路・造成モデル作成・構造物モデル作成・点群処理・これら各種データの統合モデルの作成など5種類のソフトウェアについての操作技術の基礎について習得しました。
今後は国土交通省登録資格の申請を準備しており、海外における「BIMマネージャー」のような技術レベルのBIM/CIM資格にすることを目指しています。資格詳細は準備中となっています(2023年9月時点)。
BIM資格にまつわる疑問
ここでは、BIM資格に関するよくある疑問についてまとめています。
BIMマネージャー/コーディネーターとは
BIMマネージャー/コーディネーターとは、建築物の生産プロセス全般において、BIMデータを一元的に管理する役割のことを指します。BIMBIMの牽引役として社内の統率を図ったり、個々のプロジェクトで調整を行ったりすることが主な業務となります。
2023年度からBIM/CIM原則適用となっていますが、まだまだ現場では導入が進んでいないのが現状です。そのためBIMマネージャー/コーディネーターの資格を持った人材は、ニーズが高まっています。
BIMの実務に資格は必要?
BIM資格は国家資格ではないため、実務で資格が必須となるケースは少ないでしょう。現場では、資格よりも実務経験が求められることが多いのが実情です。そのため、資格を取得していることが直接的に就職や転職に繋がる可能性も低いと言えます。
BIM資格のメリットは?
BIM資格を持っていることで、スキルの証明に繋がります。知識・技術の両方が身に付いていることが客観的に分かるため、自身のスキルアップに活用できるでしょう。これからBIMを導入する企業にとっては、社員研修等で知識の標準化にも役立てられます。
まとめ|BIM資格でスキルアップ
BIM資格には多くの種類があり、内容や難易度は様々です。今後BIMが本格普及するにあたっては、知識の習得が求められる現場が増えると想定されます。適切なBIM資格を利用することで、スキルアップに役立ててみてはいかがでしょうか。