【動画付】日建設計独占インタビュー|BIMハンドブックの使い方(連載第2回)
日本の建築領域でDX推進による生産性向上が必要とされる中、日建設計ではBIMの効果的な活用を促すためのハンドブック「BIM Uses Definitions Vol.1 BIMを活用するプロセスやタスク」を制作しました。
BIMハンドブックの紹介記事はこちらからご覧ください。
BuildApp Newsでは、制作者の一人である日建設計 安井謙介氏にインタビューを実施し、詳しくお話を伺いました。BIMハンドブックの特徴や制作意図など、舞台裏を知ればさらにBIM活用の幅が広がるでしょう。
本連載ではインタビュー内容を動画と記事の2パターンでご用意致しました。
第一回の連載記事はこちらから。
まだご覧になられていない方はぜひ第一回からチェックしてみてください!
目次
第二回 インタビュー動画の視聴はこちらから
第二回 インタビュー内容の記事はこちら
QB1|想定されているBIM Uses Definitionsの使い方を教えてください
まず、ライフサイクルコンサルタントが発注者に対し、BIMの活用法を説明し、BIMの使い方をイメージしてもらうことに使います。ライフサイクルコンサルタントが設計、施工、維持管理などどの分野の出身でも、偏らない説明が可能になります。
BIM利用法のインプットが終わった後、発注者のBIMに対する期待を文章としてまとめてもらいます。この段階では設計、施工、運用それぞれに期待することが同じように語られたりしますが、気にせずに文章化してもらいます。
発注者の求めるBIM Usesと理由、優先度をEIRに明記します。BEPは設計、施工、維持管理それぞれに作成してもらうことになりますが、EIRはプロジェクトで1つになります。維持管理に必要な情報を施工側に求める場合もEIR,BEPで受け渡す情報について整理することが出来ます。
QB2|BIM Uses Definitions Vol.2の製作予定はありますか?
現バージョンの利用者は発注者とライフサイクルコンサルタントを想定しています。ライフサイクルコンサルタントの補助を得ることで理解出来る内容と言えます。
次期バージョンはライフサイクルコンサルタントに発注する前の発注者だけでも理解出来るハンドブックを目指そうと考えています。
QB3|このハンドブックの活用で達成されるものとは?
業界、特に発注者のBIMを推進できると考えています。
BIM Elephantという絵で説明します。BIMの難しさは「群盲象を評す」というインド発祥の寓話でよく説明されます。暗闇の中で複数の人間がそれぞれ、象の鼻や牙等別々の一部分だけを触り、その感想について語りあいますが、触った部位により感想が異なり、それぞれが正しいと主張して対立が深まります。しかし、何らかの理由でそれが同じものの別の部分であることに気づき、対立が解消されるというものです。
現在、設計や施工でBIMを活用していますが、それぞれにメリットがあります。
また発注者も多様なビジネスと多様な建物用途があります。発注者も受注者もBIMに期待することがあっても、お互いが理解しにくいのが現在の状況です。
このBIM Uses Definitionsによって建設プロジェクトでBIMに期待する部分を明文化することで、暗闇が晴れ、プロジェクトにとってのBIMが見えてくると考えています。