竹中工務店、森之宮第2団地でモビリティの自動配置を実証、牽引ロボットで再配置の手間を軽減へ

竹中工務店は、スズキ、ストリーモ、山善、アダワープジャパンの4社とともに、街区内の移動や荷物搬送を支える新サービスの実証実験を、2026年9月17日にUR森之宮第2団地で行いました。シェアマイクロモビリティをロボットが牽引し、自動で配置する仕組みを検証しています。
高齢化で高まるラストマイルの移動需要
高齢化が進むなか、街区内の短い移動や荷物の運搬といった「ラストマイル」を支える新しい手段が求められています。シェアモビリティの普及も進み、その活用への期待が高まっています。
竹中工務店は、マイクロモビリティを自律自動・遠隔操作のロボットで牽引する機構と、移動・搬送手段を自動で配置するシステムを開発し、検証に臨みました。
三つの検証で確かめた牽引と自動配置
一つ目は、電動3輪の立ち乗り型と4輪の座り乗り型マイクロモビリティの走行検証です。二つ目は、シェアモビリティの呼び出し・乗り捨てから自動再配置までを可能にする、自律・遠隔制御ロボットによる牽引の検証です。三つ目は、遠隔制御ロボットによる荷物の自動搬送の検証です。
「自律自動」は自律走行する搬送ロボット(AMR)が自動で着脱して牽引すること、「遠隔操作」は人が遠隔監視制御システムを通じてロボットを操作し、牽引することを指します。
4社が機器と機構を分担して参画
共同実施の4社は、次の機器や機構を担当しました。
- スズキ:開発中の電動4輪座乗りマイクロモビリティ「スズライド2」
- ストリーモ:販売中の電動3輪立乗りマイクロモビリティ「ストリーモS01JTA改(被牽引対応改造版)」
- 山善:牽引・被牽引機構の製造と組み込み、自律自動ロボット「YAMAZEN AMR(MITRAベース・自動牽引機構付)」
- アダワープジャパン:遠隔操作ロボット(自動牽引機構付)
約30人が体験し好意的な評価
団地住民を含む約30人の応募者が、三つの検証を団地内で体験しました。高齢者にもやさしく荷物も載せられて安心、電動モビリティを共有できれば置き場所に悩まない、重い荷物を自宅まで運んでもらえてありがたい、といった声が寄せられ、好意的に受け止められました。
建設現場のロボット技術をまちの運用へ
使用した遠隔操作ロボットは、竹中工務店とアダワープジャパンが共同で実証中の、スズキ製多目的電動台車「MITRA」をベースにしています。
屋外の建設現場や牽引作業向けの遠隔監視・遠隔操作ロボットで、建設段階の移動・搬送を円滑にする技術をまちの運用段階へ広げ、ラストマイルの課題解決を目指します。この取り組みの呼称は「つながりMaaS®」です。
大阪城東部地区の実証で2件が採択
今回の実証は、大阪商工会議所とUR都市機構が主催する大阪城東部地区の実証実験として行われました。UR森之宮ビル「ほとりで」などを使い、先端技術で「さまざまなくらしのカタチ」を体現する取り組みです。全国から9件の提案が寄せられ、5件が採択されたなかで、2件が竹中工務店の提案でした。
実機展示とともに開かれたハブのセミナー
実証に先立つ9月15日、モビリティハブを核にしたシェアモビリティサービスをエリア活性化へどうつなげるかを議論するセミナーが「ほとりで」で開かれ、実機も展示されました。
モビリティハブは複数の移動手段が結びつく拠点で、国土交通省都市局は、交流空間などを併設すれば乗り換えの負担が減り、賑わいも生まれると説明しています。
登壇した大阪公立大学の加登遼准教授とAMANEの齊藤せつな取締役からは、まちの商圏や人・車の流れを分析し、「まちのツボ」となる複数の場所に、適切な機能を備えたハブを設置する重要性が示されました。
自動配置で目指す共有しやすい街区
新たな自動牽引機構により、さまざまなモビリティや搬送機器を自動で配置できるようになります。貸出・返却拠点(ポート)を探して利用・返却する手間や、人手による再配置作業の負担を減らし、高齢者をはじめ地域でモビリティを共有しやすい環境を目指します。
竹中工務店は得られた知見を生かし、モビリティハブなどを核にシェアモビリティやロボットを導入しやすい街区づくりを進め、高齢化・人口減少・人手不足といった地域課題の解決に貢献する考えです。移動・搬送や買い物支援などの生活サービスの最適化も図ります。
出典情報など
出典:株式会社竹中工務店,人とモノの移動手段を「自動配置」する新たな街区サービスを実証~大阪城東部地区(UR森之宮ビル「ほとりで」等)における実証実験※1~,https://www.takenaka.co.jp/news/2026/10/05/,リリース日:2026-10-26