国土交通省、直轄工事の施工体制を点検、10月から12月に第25回全国一斉点検を実施

国土交通省は令和8年10月20日、公共工事の施工体制を確かめる「施工体制に関する全国一斉点検」を、今年度も実施すると発表しました。
対象は、現在稼働している国土交通省の直轄工事です。点検期間は10月から12月で、公共工事の施工体制をより適正に整え、その状態をしっかり定着させることが目的です。
発表は、国土交通省の大臣官房技術調査課、大臣官房官庁営繕部整備課、大臣官房公共事業調査室、港湾局技術企画課、航空局航空ネットワーク部空港技術課の連名で行われました。
公共工事の前提となる受注者の体制づくり
公共工事を適切に進めるためには、工事を請け負う受注者が、しっかりとした施工体制を整えていることが欠かせません。
「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(適正化法)」と「公共工事の品質確保の促進に関する法律(品確法)」には、施工体制の適正化のほか、安全衛生や労働環境の改善への配慮が盛り込まれています。こうした法律の考え方を踏まえ、これまで以上に適正な体制を確保し、現場で徹底することが求められています。
平成14年度から続く点検は今年で25回目
国土交通省は点検要領などを定めており、各工事を担当する監督職員が、日頃から施工体制を確認しています。そのうえで、適正化法と品確法の趣旨をさらに浸透させるため、平成14年度から稼働中の直轄工事を対象に、全国一斉点検を続けてきました。
今年度で25回目となり、長い年月をかけて毎年積み重ねられてきた取り組みです。日常の確認に加えて年に一度、全国で期間をそろえて点検することで、施工体制の状況を広い範囲で確かめられます。
現場作業が本格化する時期に合わせて点検
点検を行うのは、令和8年度上半期に発注された工事の現場作業が、本格化する10月から12月です。この期間の中で、工事ごとに任意の実施日を決めて点検します。
現場の作業が活発になる時期に合わせることで、実際の施工の様子を踏まえた確認ができる形です。実施日は期間内であれば工事ごとに設定できるため、各現場の進み具合に合わせて点検を組み込めます。
契約した時期によって変わる請負金額の基準
点検の対象は、一定額以上の請負契約を結んだ工事から抽出されます。基準となる金額は契約の時期によって異なり、次のとおりです。かっこ内は建築一式工事の金額を指します。
- 基本の抽出基準:請負金額4,500万円(建築一式工事は9,000万円)以上
- 令和5年1月1日から令和7年1月31日に契約した工事:4,000万円(8,000万円)以上
- 平成28年6月1日から令和4年12月31日に契約した工事:3,500万円(7,000万円)以上
- 平成28年5月31日以前に契約した工事:2,500万円(5,000万円)以上
低入札価格調査の対象工事はすべてが点検対象
通常の工事は、契約時期や請負金額に応じた基準によって点検対象が抽出されます。一方、低入札価格調査の対象となった工事には、金額による制限が設けられていません。
通常の抽出基準では対象から外れる請負金額の工事であっても、低入札価格調査の対象となっていれば、すべて点検の範囲に含まれます。
点検で確かめる4つの内容と関係者への影響
点検の内容は、次の4点です。
- 監理技術者等の配置に関する点検
- 下請負契約に関する点検
- 施工体制台帳の備え付けに関する点検
- 下請負人の点検
いずれも、現場で適正な体制がとられているかを確かめるうえで基本となる項目です。国土交通省の直轄工事に携わる元請企業や下請企業にとっては、技術者の配置、下請契約の内容、施工体制台帳の整備を、日頃から丁寧に確認しておく大切さを改めて示す内容といえます。
出典情報など
出典:国土交通省,施工体制の点検を実施します!~公共工事の施工体制に関する全国一斉点検~,https://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo08_hh_001369.html,リリース日:2026-10-20