熊谷組・住友林業JVが銀座の木挽ビルホテル計画に着工、国交省の木造事業で先導枠に採択

熊谷組は、日鉄興和不動産が東京都中央区銀座七丁目で進める「(仮称)木挽ビルホテル計画」について、2026年10月に新築工事へ着手すると発表しました。施工は同社と住友林業による特定建設工事共同企業体が担当します。
あわせて、本計画が国土交通省の「令和8年度優良木造建築物等整備推進事業」で、先進的な木造技術の普及を目的とする「先導枠」に採択されたことも明らかにしました。ホテルは「&Here」ブランドで、客室数は130室を予定しています。
銀座のオフィスビルを木造ホテルへ建て替え
本計画は、日鉄興和不動産が所有するオフィスビルを建て替え、同社が運営する長期滞在型ホテルとして再開発するものです。開業は2029年10月を予定しています。地域材を活用するほか、木材を耐火被覆に使った鉄骨部材「ドレスウッド®」や、木質耐火部材「環境配慮型λ-WOODⅡ®」によるハイブリッド木造技術を導入します。
施工を担う熊谷組と住友林業は、2017年に資本業務提携を結び、中大規模木造の分野で実績を重ねてきました。建物は地上12階、地下1階建てで、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、木造を組み合わせます。
総木材使用量350㎥超を支える技術
構造には、木と鉄骨を組み合わせた高層ハイブリッド木造を採用します。木柱・木梁、CLT耐震壁、木ブレースなどを組み合わせ、安全性と耐久性、経済性を確保しながら、都市部での可能性を追求します。
木鉄ハイブリッド柱や配筋付製材型枠も採用し、多様な木質化技術を組み合わせることで、総木材使用量350㎥を超える大規模な木材利用を実現しています。客室や共用部でも、木の温もりや質感を感じられる空間をつくります。
設計は三菱地所設計が担当し、意匠性と構造を一体化した木造設計に、熊谷組の施工技術と住友林業の木材調達ノウハウを組み合わせます。
先導枠に採択された背景と制度の狙い
この事業は、中大規模建築物の木造化・木質化を進め、脱炭素社会の実現や森林循環の促進を図る国土交通省の支援制度です。なかでも先導枠は、先進的な木造技術や取り組みを備え、今後の木造建築の普及に大きな波及効果が見込まれるプロジェクトを対象にしています。
熊谷組は、三菱地所設計による積極的な木材活用の設計提案と、自社によるECI方式での技術協力が、設計・施工の両面から課題解決に取り組んだ成果として評価されたと受け止めています。
LEEDとSITESのGold認証取得を予定
建築物の環境性能を総合的に評価する国際認証「LEED Gold」と、ランドスケープや屋外空間を評価する「SITES Gold」の取得を予定しています。ホテルの建築だけでなく、屋外空間まで含めて環境性能を評価する点が特徴です。
木造化によるCO2排出量の削減に加え、屋上ガーデンの整備、生物多様性への配慮、エネルギー効率の向上にも取り組みます。建築、ランドスケープ、運営の各面から環境に配慮し、持続可能なホテル開発のモデルケースを目指します。
釜石産の木材で都市と地域を結ぶ
事業主の日鉄興和不動産とゆかりの深い、岩手県釜石市の木材を使います。釜石市は日本製鉄の製鉄所がある地域で、同グループと長く関わってきました。
復興公営住宅の建設を通じて同社と縁のある釜石森林組合と連携し、釜石産材を活用します。地方の森林資源を銀座の建築に生かす点が、この計画の特色です。
森林循環の促進や地域林業の活性化、ホテル内での釜石の魅力発信につなげるため、熊谷組も木造・木質化の施工で支えていく考えです。
銀座七丁目に建つ地上12階建ての計画概要
計画の主な内容は次のとおりです。
- 計画名称:(仮称)木挽ビルホテル計画
- 所在地:東京都中央区銀座七丁目
- 事業主:日鉄興和不動産株式会社
- 施工:熊谷組・住友林業特定建設工事共同企業体
- 用途:ホテル・店舗・駐車場
- 構造・規模:地上12階、地下1階(S造・RC造・木造)
- 客室数:130室
- 着工:2026年10月(予定)
- 開業:2029年10月(予定)
出典情報など
出典:株式会社熊谷組,地域材活用と先進木造技術で実現する環境配慮型ホテル「(仮称)木挽ビルホテル計画」着工
国土交通省「優良木造建築物等整備推進事業」先導枠に採択,https://www.kumagaigumi.co.jp/news/2026/pr-20261001-004367.html,リリース日:2026-10-01