戸田建設、IoT潅水装置の土壌センサー制御で屋上緑化の年間潅水量を84.2%削減

戸田建設は、BH株式会社との共同研究として、茨城県つくば市の筑波技術研究所で屋上緑化の水やりを見直す実証を行いました。使用したのは、土壌の水分量を測ってから水を出すIoT潅水装置です。
約1年間の運用で、水の使用量を大きく減らせることが確認されました。2026年10月7日に発表された取り組みの内容を、順を追って紹介します。
土壌の水分量に合わせて水を出す装置を導入
戸田建設株式会社(本社:東京都中央区、社長:大谷清介)は、BH株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:澤規仁)と共同で、筑波技術研究所のグリーンオフィス棟にある屋上緑化を舞台に実証を実施しました。
導入したのはIoT潅水装置「AirRain® Eco(エアレイン エコ)」です。土壌センサーが含水率を測定し、その数値をもとに潅水を制御する仕組みで、植物が水を必要とするタイミングを見極めて水を与えます。
決まった時間に水を出す方式との違い
一般的な潅水設備では、あらかじめ設定した時間や頻度で、一律に水を出すスケジュール制御が用いられています。この方式では、雨が降った直後や土が十分に湿っている場合でも水が出てしまう可能性があります。
一方、AirRain Ecoは土の状態を実際に測ったうえで水を出すため、不要な水やりを省けます。過剰な水使用を抑えられる点が、この装置の大きな特徴です。屋上緑化のように継続して水を使う設備では、無駄を減らす工夫が維持管理の負担軽減にも結びつきます。
年間の潅水量が128.2m3から20.2m3に減少
実証では、一律のスケジュール制御を行っていた前年度の実績と比較しました。屋上緑化の年間潅水量は128.2m3から20.2m3となり、108.0m3、率にして84.2%の削減を確認しています。
比較は、2024年度(2024年4月〜2025年3月)と2025年度の実証期間(2025年8月〜2026年7月)を、暦月ごとに対応させて行いました。降水量に対して制御が適切に連動したことが、大幅な節水につながったと説明しています。
数値を読み取る際に押さえたい前提条件
節水の効果は、植栽の種類や土壌、気象などの環境条件によって変わります。今回示された数値は、あくまで本実証の環境で得られた結果です。
なお、月別の潅水量の推移を示した図には、気象庁の「つくば(館野)」の降水量データを基に、戸田建設が作成した資料が使われています。
BHのIoT技術を取り入れてきた協力関係
戸田建設は2021年にBH(当時の社名は株式会社バニーホップ)へ出資して以降、同社のIoT技術を積極的に活用してきました。
2021年には、病院の機能継続を支えるBCPサポートシステム「ききみエール」を共同開発しています。2024年には、建設現場の仮設分電盤をスマートフォンで遠隔制御するシステム「リモオンLINK」を導入しました。
緑地の節水と認証制度が実証のきっかけに
今回の実証は、BHが提供するIoT潅水技術を、建築物の緑地管理における水使用量の削減に生かせないかという発想から始まりました。戸田建設が「水循環企業登録・認証制度」で「水循環ACTIVE企業」に認証されていることも、実証に踏み切る契機になりました。
この制度は、内閣官房水循環政策本部事務局が運営し、企業などによる水循環に資する取り組みを国が登録・認証するものです。
含水率を下げた条件での検証を計画
戸田建設は今後、土壌含水率を引き下げた条件での検証を計画し、さらなる節水効果を追求します。あわせて、土壌含水率が植栽の生育に与える影響の調査も進めます。実際の運用データを重ねることで、節水と植物の健やかな生育を両立できる条件を探ります。
得られた知見は、自社が手掛ける建築物の屋上・壁面緑化における維持管理の効率化に活用する方針です。緑地を有する顧客には、潅水にかかる管理コストの削減や、節水による環境負荷の低減を具体的に提案していきます。
共同研究先であるBH株式会社の企業情報
共同研究のパートナーであるBH株式会社の概要は、次のとおりです。
- 会社名:BH株式会社
- 本社所在地:〒160-0008 東京都新宿区四谷三栄町3-7 森山ビル東館4F
- 設立:2014年4月22日
- 代表者:代表取締役 澤 規仁
- 事業内容:IoT製品の企画・製造・販売、設備監視・制御システムの導入支援、製品開発支援
出典情報など
出典:戸田建設株式会社,土壌データによる潅水最適化で水使用量を84.2%削減 筑波技術研究所にて実証、水資源の有効活用と維持管理効率化に貢献,https://www.toda.co.jp/news/2026/20261007_006348.html,リリース日:2026-10-07