住友林業、工期を半分に短縮できる見込みの移設・再利用可能な木造ユニット建築KIBLOを開発

20260930_木造ユニット建築KIBLO

住友林業は、資源循環の推進や施工人材の不足といった課題に対応するため、木造ユニット建築「(仮称)KIBLO /キブロ」を開発しました。対象は、事務所や店舗のような小規模な事業用建築です。

ユニット建築とは、建物を箱型の空間モジュールに分け、工場でつくってから現場で組み合わせる方式です。工場生産のため、施工の効率化や品質の安定が期待できます。

KIBLOは約10㎡の木造ユニットを工場で製造し、建設現場へ運んで設置し、接合します。最初の利用が終わった後は、ユニット単位で解体、移設、再組立ができます。現場作業を減らせるため、省力化や工期の短縮にもつながります。製品としての提供は2027年以降を予定しています。

人手不足と環境負荷の低減が求められる建設業界

建設業界では、脱炭素社会の実現に向けて、建物の木造化や木質化、長寿命化、資源の再利用が求められています。一方で、就業者の減少と高齢化により、施工を担う人材の不足も深刻です。

さらに、事務所や店舗などの小規模な事業用建築は、規模が小さくても一定の施工管理体制が必要です。そのため、人材の確保や施工体制の維持が負担になりやすい状況にあります。住友林業は、こうした課題に対し、木の価値とユニット建築の利点を組み合わせた技術開発に取り組みました。

連結方向の自由度と解体しやすい金物

KIBLOのユニットは、長辺方向にも短辺方向にも連結できます。独自に開発した幅狭耐力壁を使うことで、連結後も有効幅約4,680mm、天井高2,400mmを確保し、開放感のある室内をつくれます。幅狭耐力壁は、幅600mmの壁で壁倍率7相当の強さを実現するものです。

また、着脱が可能な連結金物も開発しました。分解と再接合がしやすく、何度接合しても高い性能を保てます。この金物によって、ユニット単位での解体と再組立が可能になりました。

建物を捨てずに移して使い続けるサーキュラー建築

最初の利用が終わっても建物を廃棄せず、別の場所へ移して再利用すれば、建物の寿命を延ばせます。木材には炭素を固定する働きがあり、さらに建物を長く使うことで、環境への負荷を抑えながら資源を循環させられます。

将来は、災害などの有事に使う一時的な施設として活用する構想もあります。役目を終えた後は、別の用途の施設として再び使えます。

基礎工事と並行して製造し、工期を短縮

KIBLOは、現場で基礎工事を進めている間に、工場でユニットを製造します。基礎工事が終わった後に完成したユニットを運び込み、設置と接合を行うため、現場での作業を大きく減らせます。約80㎡規模のモデルケースでは、従来の工法と比べて工期を半分にできる見込みです。主要な工程を工場で行うので、施工品質も安定します。

加えて、住宅分野で広く使われる一般流通木材を採用しています。特定の部材に頼らずに資材を調達できる点も特徴です。建設プロセス全体の効率化と合わせて、コストの合理化を図ります。

常設でも快適に使える断熱性能を確保

移設や再利用ができる建物でありながら、常設利用を前提に、断熱等級4相当の断熱性能を備えました。室内環境が快適になるだけでなく、木造ならではの心地よい空間が、利用者の快適性やウェルビーイングの向上にも役立ちます。

GREEN×EXPO 2027のバックオフィス棟に採用

2027年国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)の住友林業館「ひゃくの森」では、バックオフィス棟にKIBLOを採用しました。18ユニットを組み合わせた約180㎡の2階建てです。

基礎工事の完了後、ユニットの設置は3日間で終わり、続く木工事も3日間で完了しました。工事期間中は現場事務所、会期中は運営事務所や来客対応のスペースとして使います。会期終了後は建物を解体し、別の場所で再利用する計画です。

地方の小規模建築への対応と今後の展開

住友林業は、一般流通木材や木造施工技術を使える分野を広げ、木材利用の拡大と新たな事業機会の創出を目指します。施工力の不足が課題になっている地方部では、小規模な事業用建築の需要に応えていく考えです。今後も、木材利用の拡大と資源循環を両立させるため、サーキュラー建築を進めます。

住友林業グループは、森林経営から木材建材の製造と流通、戸建住宅や中大規模木造建築の請負、不動産開発、木質バイオマス発電まで、木を軸に事業を世界で展開しています。

2030年までの長期ビジョン「Mission TREEING 2030」では、バリューチェーンである「ウッドサイクル」を回すことを掲げています。森林のCO₂吸収量を増やし、木造建築の普及で炭素を長く固定することで、社会全体の脱炭素に貢献する方針です。

出典情報など

出典:PR TIMES,移設・再利用が可能な木造ユニット建築「(仮称)KIBLO /キブロ」を開発 ~工期短縮 ・施工人材不足に対応する事業用サーキュラー建築~,https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000310.000052275.html,リリース日:2026-09-29