前田建設工業、鉄筋BIMアトアレで納まり検討時間を最大90%短縮し米国際会議で講演

前田建設工業株式会社(東京都千代田区、社長:前田操治)は、自社が手がける鉄筋・配筋BIMシステム「アトアレ(At_ARe)」の活用事例を、米国ラスベガスで開かれる国際カンファレンス「Autodesk University 2026」で発表します。
講演は2026年9月16日午後(現地時間)に予定されており、世界中の建設・製造関係者から寄せられた数多くの提案の中から選ばれたテーマです。技術面での先進性に加え、実際の現場で得られた成果や、建設業界全体への波及効果が期待される点が評価されたとみられます。
Autodesk University 2026に世界各国の専門家が集結
Autodesk University 2026は、建築や土木、製造など「デザインと創造」に関わる専門家が世界各国から集まる大規模カンファレンスで、会期は2026年9月15日から17日までの3日間です。今回は12,000人を超える関係者の参加が見込まれており、各国の先進的な取り組みが紹介される予定です。
前田建設工業の「アトアレ」が日本の建設DX事例として選出
前田建設工業の発表は「Solving 90% of Rebar Issues in Design」と題され、設計段階から鉄筋に関する課題の解決を図る日本発の建設DX事例として選ばれました。
会場には設計事務所やゼネコンなど幅広い立場の技術者が集まる見込みで、業種の枠を超えた情報交換の場となりそうです。
設計データから鉄筋モデルを自動で組み立てる
「アトアレ」は、構造設計のデータをもとに鉄筋BIMモデルを自動でつくり、配筋の検査まで一貫して行えるデジタル基盤です。設計者や施工管理者、鉄筋専門工事業者が同じデータを見ながら作業できる環境を整え、図面をやり取りする従来のやり方から、データでつながる仕組みへの転換を進めています。
この結果、業務の効率化とあわせて仕上がりの品質向上も見込めるようになりました。紙の図面では伝わりにくかった鉄筋同士の干渉なども、立体的なデータ上で早い段階から確認できるようになった点が大きな変化です。
関係者が設計段階から知恵を持ち寄る
今回の講演では、このシステムを土台とした新しい建築生産のかたち「シン・ワークフロー」も紹介されます。これまで施工の段階になって初めて表面化していた配筋や組立の課題を、設計の早い段階で洗い出す取り組みです。
構造設計者と施工管理者、鉄筋専門工事業者が基本設計の時点から手を組み、それぞれの経験を配筋設計に反映させることで、現場での手戻りや余計な確認作業を減らせるといいます。図面が完成してから調整する後追い型の進め方ではなく、計画段階のうちに調整を終えておく考え方が根底にあります。
発注者から職人まで幅広く恩恵
この仕組みが広がれば、発注者は品質の向上や手戻りリスクの低下を得られ、構造設計者は施工のしやすさまで考えた設計を実現できます。
施工管理者にとっては現場運営の効率化につながり、鉄筋専門工事業者は加工や施工の生産性を高められます。特定の立場だけが得をするのではなく、プロジェクトに携わる関係者全体で成果を分かち合える点が、この取り組みの大きな狙いといえるでしょう。
立場ごとに分断されがちだった情報を一つの場に集めることで、意思疎通にかかる手間の削減にもつながっています。
導入実績150件、質問対応も大幅減
「アトアレ」はすでに150件を超える現場で使われており、鉄筋の納まり検討にかかる時間を最大90%短縮できたことが確認されています。あわせて、施工段階で施工管理者や鉄筋専門工事業者から構造設計者に提出する質問項目についても、大幅に低減できることを確認しています。
これほど多くの現場で成果が積み上がっている点は、単なる実証実験にとどまらない実用性を裏づけているといえます。案件ごとに条件が異なる建築現場で継続的に効果を発揮している点も、技術としての完成度の高さを示しています。
世界への発信と今後の展望
同社は今回の発表を通じて、国内で培った建設DXの成果を世界に届けるとともに、海外の知見との交流を通じて建設産業全体の生産性向上と持続的な発展に貢献していく考えを示しています。今後も設計と施工の垣根を越えたデータ活用の広がりが注目されます。
参考:アトアレ公式サイト
参考:Autodesk University 2026 公式サイト
出典情報など
出典:前田建設工業株式会社,鉄筋/配筋BIMシステム「アトアレ(At_ARe)」世界最大級の設計・建設カンファレンス「Autodesk University 2026」で講演~設計段階から課題を解決する新たな建築生産モデルを世界へ発信~,https://www.maeda.co.jp/news/2026/09/07/5793.html,リリース日:2026-09-07