建設経済研究所、2027年度の民間非住宅建設投資は24.1兆円、約3割を占める見通し

一般財団法人建設経済研究所と一般財団法人経済調査会経済調査研究所は、2026年7月27日に「建設経済モデルによる建設投資の見通し」を公表しました。
レポートでは2026年度・2027年度の建設投資見通しを示しており、2027年度の建設投資総額は前年度比3.7%増の86兆3,500億円と予測しています。このうち民間非住宅建設投資は24兆1,000億円となり、建設投資全体のおよそ3割弱を占める見込みです。政府分野投資に次ぐ規模を持ち、企業の設備投資動向を映す分野として注目されています。
建設投資全体に占める非住宅の位置
2026年度の建設投資総額は83兆2,600億円で、前年度比6.3%増と予測されています。このうち民間非住宅建設投資は22兆6,200億円となり、全体に占める割合は約27.2%です。
2027年度は建設投資総額が86兆3,500億円まで拡大し、民間非住宅建設投資も24兆1,000億円へ増加する見通しで、構成比は約27.9%まで上昇すると予測されています。政府分野投資に次ぐ規模を維持し、住宅投資よりも大きな比重を占めることが特徴です。
投資額は増加、床面積は横ばい
民間非住宅建設投資額(名目値)は、2026年度が前年度比7.1%増の22兆6,200億円、2027年度は同6.5%増の24兆1,000億円と予測されています。
日本銀行の企業短期経済観測調査(短観)では、2026年度の設備投資計画が全産業で前年度比6.8%増となっており、企業の投資意欲は引き続き底堅い状況です。こうした設備投資計画が、非住宅投資の増加見通しを支える要因として位置付けられています。
一方、着工床面積は原油高や資材価格の上昇を見極める企業の慎重姿勢もあり、2026年度は微減、2027年度は同水準にとどまる見通しです。投資額は、建築単価の上昇に加え、土木の受注高が好調に推移していることを背景に増加すると分析されています。
用途別に異なる投資動向
用途ごとの着工床面積の見通しは以下の通りです。
- 事務所:2026・2027年度とも前年度比で微増
- 店舗:2026・2027年度とも前年度比で微減
- 工場:2026年度は同水準、2027年度は微増
- 倉庫・流通施設:2026年度は同水準、2027年度は微減
事務所は建築費高騰により供給拡大には慎重な動きが続くものの、出社回帰やオフィス拡張需要が下支えとなっています。店舗は大規模小売店の減少傾向が続くと見られ、縮小基調が続く見通しです。
工場は中東情勢の不透明感が懸念材料となる一方で、設備投資意欲そのものは底堅く推移すると分析されています。倉庫・流通施設は空室率の低下が続き需要は底堅いものの、投資には慎重な姿勢も見られ、伸びは限定的になると見込まれています。
建築補修投資も拡大が続く
民間建築補修(改装・改修)投資は、2026年度が前年度比4.7%増の15兆3,900億円、2027年度は同3.9%増の15兆9,900億円と予測されています。
DXやGX、供給網強靱化に関連した設備投資が拡大を維持し、非住宅分野全体の投資を押し上げる要因になると見られています。新設投資と補修投資の両輪が、非住宅分野の投資額を支える構図です。
2027年度までの見通し
建設経済研究所は、企業収益や省力化投資の動きを背景に、非住宅分野の投資は2027年度にかけても堅調さを保つと分析しています。建設投資全体に占める割合は約3割ですが、政府分野に次ぐ規模を持つことから、企業の投資判断が建設投資全体の伸びを左右する重要な要素になるとみられます。
一方で、中東情勢や各国の通商政策の不確実性、物価動向については引き続き注意が必要としています。内閣府が2026年6月30日に公表した「月例経済報告」では、設備投資について「持ち直している」と判断しています。
また、日本銀行短観や法人企業景気予測調査でも、2026年度の設備投資計画は全産業で増加が見込まれています。今回のレポートが示す非住宅投資の増加見通しは、こうした政府の景気判断とも整合する内容となっています。
出典情報など
出典:一般財団法人建設経済研究所・一般財団法人経済調査会 経済調査研究所,建設経済モデルによる建設投資の見通し(2026年7月),https://www.rice.or.jp/wp-content/uploads/2026/07/20260727-model.pdf,リリース日:2026-07-27