清水建設、2027年3月期第1四半期の純利益が396.5%増、通期予想も上方修正

清水建設株式会社は2026年7月30日、2027年3月期第1四半期(2026年4月から6月まで)の連結決算を発表しました。売上高、利益ともに前年同期の実績を上回り、あわせて通期の業績予想についても上方修正を行っています。

国内の建設投資は、民間設備投資の持ち直しと底堅い公共投資に支えられて堅調に推移した一方、資材やエネルギー価格の高止まり、人手不足に伴う労務費の上昇といった逆風も続いています。そうした環境のなかで、政策保有株式の売却や関連会社化に伴う会計処理といった資産運用面での成果も重なり、大幅な増益となった四半期となりました。

売上高は前年比9.3%の増加

当第1四半期の売上高は4,828億円となり、前年同期に比べて9.3%増加しました。手持ちの大型工事の進捗が順調で、完成工事高が伸びたことが主な要因です。

営業利益は192億円となり、前年同期比で11.8%の増加を確保しています。工事採算の改善や完成工事総利益の増加が押し上げ要因となった一方、開発事業等の総利益は縮小しました。

全体としては建設事業の伸びが開発事業の落ち込みを補う形になっています。事業別に見ると、建築事業のセグメント利益が155億円、土木事業が19億円で、いずれも前年同期から増加しました。

純利益は前年の約5倍まで拡大

経常利益は556億円に達し、前年同期から201.0%という大きな伸びを見せました。これは、清和綜合建物株式会社を新たに持分法適用の関連会社としたことに伴い、負ののれん相当額を投資利益として計上したことが背景にあります。

さらに、親会社株主に帰属する四半期純利益は552億円となり、前年同期比で396.5%の増加を記録しました。保有していた政策保有株式を売却したことによる投資有価証券売却益が大きく積み上がったことが主な要因です。1株当たり四半期純利益は81円36銭となり、前年同期の16円33銭から大幅に伸びています。税金等調整前四半期純利益も682億円に達し、前年同期から231.4%の増加となりました。

財務基盤も着実に改善傾向

2026年6月末時点の総資産は2兆6,558億円で、前期末からわずかに増加しました。負債の部は、工事未払金や工事損失引当金の減少などにより1兆6,266億円へと縮小しています。純資産は1兆291億円まで積み上がり、自己資本比率は前期末より1.4ポイント上昇して38.2%となりました。増益を背景に、財務の健全性が一段と高まっていることがうかがえます。

有利子負債の残高も5,732億円と、前期末からわずかな増加にとどまりました。資産の部では、現金同等物の増加に加え、清和綜合建物株式会社の持分法適用に伴う投資有価証券の増加も資産全体を押し上げる形になっています。

通期予想は経常利益を上方修正

同社は2026年5月に公表していた通期の連結業績予想を見直しました。経常利益は1,835億円とし、従来予想から355億円上乗せしています。親会社株主に帰属する当期純利益についても、同じく355億円引き上げて1,655億円としました。

一方、売上高と営業利益については従来の予想を据え置いています。配当予想に関しても、負ののれん相当額はキャッシュの流入を伴わない会計上の利益であることから、修正は行っていません。

同社は連結配当性向40%を目安とする方針を掲げており、今回の増益がどう反映されるかも今後の焦点です。なお、詳細は同日公表された「営業外収益(持分法による投資利益)の計上及び業績予想の修正に関するお知らせ」で確認できます。

自己株式の取得も新たに決定

清水建設は同日開催の取締役会において、自己株式の取得についても決議しました。取得する株式数の上限は600万株、取得金額の上限は100億円と設定しています。今回の決定は、株主還元をさらに強化する取り組みの一環と位置づけられそうです。

受注面では、国内官公庁工事が前年同期から大きく伸びた一方、国内民間工事は前年の大型案件の反動もあり減少しました。こうした受注環境の変化を踏まえつつ、今後の四半期業績や受注動向、配当方針の行方にも注目が集まりそうです。

なお、当四半期の連結業績予想に対する進捗率は、経常利益で30.3%、親会社株主に帰属する四半期純利益で33.4%となっており、上半期以降の推移も注視されます。

出典情報など

出典:清水建設株式会社,2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結),https://pdf.irpocket.com/C1803/xoA3/Ef45/vVuW/wDMu.pdf,リリース日:2026-07-30