鹿島建設とRidge-i、AIでCFT柱の充填異常検出を支援しmoni-asに実装

20260708_CFT柱のAI異常検出

鹿島建設株式会社と株式会社Ridge-iは、CFT構造の鋼管柱内コンクリート充填作業における異常をAIが検出する支援システムを共同で開発し、遠隔監視システム「moni-as(モニアス)」に実装しました。

鋼管柱の内部にコンクリートを流し込むCFT構造では、施工品質の管理が建物の強度を左右する重要な工程です。施工担当者や技術者による監視に加えてAIによる確認も行うことで、異常への気づきをより早められるようになります。

開発の背景にある現場の負担

CFT構造の柱は、内部に充填するコンクリートの状態が強度に直結するため、これまでは施工担当者や技術者が長時間現場に張り付いて監視する必要がありました。

鹿島建設はこの負担を軽くするため、遠隔地からでも充填状況を映像で確認できるmoni-asを開発し、各現場への導入を広げてきました。今回はそのmoni-asの機能をさらに強化する形で、異常検出を助けるAIシステムが新たに加わっています。

AIによる異常検出の仕組み

新システムは、moni-asが配信する映像をAIが常時確認し、人による判断を後押しする仕組みです。

学習データには、moni-asがこれまでに蓄積してきた2,000時間を超える充填映像と、鹿島建設が培ってきた独自の施工ノウハウが反映されており、専門技術者に近い基準で異常を見分けられる点が特徴です。

AIが確認する3つの項目

確認する項目は大きく3つに分かれます。

  • 鋼管柱内の異物:強度に悪影響を及ぼしかねない異物が混入していないかを確認します。
  • コンクリート性状:製造工場や使用材料、時間経過によって変化するコンクリートの性状が、充填に適した状態かどうかを確認します。
  • ダイアフラムの通過タイミング:鉄骨の柱と梁をつなぐ鋼板「ダイアフラム」をコンクリートが通過するタイミングを把握し、1分あたり1メートル以下の適切な充填速度が保たれているかを確認します。

診断結果をリアルタイムで表示

診断結果は画面上に「正常」「注意」「異常」の3段階で色分け表示され、なぜそう判断したのかという根拠もレポートとして確認できます。判断の理由が明示されることで、現場担当者はAIの結果をそのまま受け入れるのではなく、根拠を踏まえたうえで最終的な対応を決められる仕組みになっています。

処理には、さくらインターネット株式会社が提供するGPUクラウド「高火力 VRT」を採用しており、moni-asの低遅延配信と組み合わせることで、複数の項目をリアルタイムに診断できる体制を実現しました。

モックアップ試験と実現場での検証

効果を確かめるため、鋼管柱内にペットボトルなどの異物をわざと混入させたモックアップ試験を実施しました。

その結果、異物混入、コンクリート性状、ダイアフラム通過タイミングのいずれについても、高い精度でリアルタイムに検知できることが確認されています。続けて複数のCFT構造の実施工現場にも導入し、従来と変わらない高品質な施工管理を維持できることも確かめられました。

試験段階から実際の現場へと段階的に検証を重ねることで、机上の性能だけでなく、実務での使いやすさも含めて確認できた点が評価できます。

品質確保に向けた今後の展開

鹿島建設とRidge-iは、今後もこのシステムの精度向上に向けた研究開発を続け、CFT構造におけるコンクリート充填作業の品質確保を進めていく方針です。

現場の省力化と安全性の両立に向けた取り組みとして、引き続き注目されそうです。

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CFT柱のコンクリート充填作業の遠隔管理を可能にする「moni-as」を開発(2024年3月14日)

出典情報など

出典:鹿島建設株式会社,CFT柱のコンクリート充填作業の異常検出をAIが支援,https://www.kajima.co.jp/news/press/202607/8a1-j.htm,リリース日:2026-07-08