竹中工務店参画のツミカサネ、小径木再生の合板ブランド「NOITA」決定し木曽で稼働へ

長野県の木曽地域で、これまで使い道が限られていた細い木材を生かす取り組みが進められています。株式会社竹中工務店が参画する株式会社ツミカサネと出資6社が連携し、小径木を高付加価値の合板へと再生するプロジェクトです。このたび、ブランド名が「(仮称)シンゴーハン」から「NOITA(ノイタ)」に決定しました。森林資源を無駄にしない仕組みづくりとして、業界内でも注目が集まっています。
ブランド名に込められた意味
「NOITA」という名前には、ありのままの森を板にした「野の板」、木曽の地で生まれた「木曽の板」、そして細い木を使った「小径木の板」といった複数の意味が重ねられています。地域や使う人に寄り添う製品でありたいという思いが込められているそうです。一つの言葉に複数の願いを込めることで、プロジェクト全体の世界観を表現しています。
4つの特徴を重ねた合板
NOITAには、次のような4つの特徴が示されています。
・表面の美しさ:仕上げ材としても使えるなめらかな表面が標準仕様。節があるものも、ないものも、それぞれの味わいとして楽しめます。
・カスタムオーダー:寸法や厚み、樹種、加工方法まで相談に応じ、思い入れのある木材を持ち込んでの加工も可能です。
・環境と人への配慮:ホルムアルデヒドを発生させない接着剤や、自然由来の素材を使った接着剤など、選べる仕組みを用意しています。
・森と過ごした時間:これまで建材として使われにくかった小径木に出番をつくることで、森林のサイクルを支える合板を目指しています。
それぞれの特徴は単独で完結するものではなく、つくり手と使い手が何度も対話を重ねながら形になっていく過程そのものを表しているとのことです。
見えない場所から見える場所へ
従来、針葉樹の合板は構造材など目に見えない部分で使われることが多くありました。NOITAは丁寧な加工によって、建築の仕上げ材や家具、内装といった「見える部分」にも積極的に使えるよう工夫されています。小規模工場の強みを活かし、大規模工場では難しかった細やかな対応もできる点が特徴です。小さな工場だからこそ実現できる柔軟さが、これまでの合板にはなかった価値を生み出しているといえそうです。
森林全体の健全な循環へ
これまで活用先が少なかった小径木に価値が生まれることで、森の中の太い木も細い木も合わせて生かせるようになります。これにより森林の管理が進みやすくなり、森全体の健全な循環につながると期待されています。つまりNOITAをつくり、流通させることそのものが、森を守り次の世代へつなぐ取り組みになるのです。木を育て、伐り、使い、また植えるという一連の流れが滞りなく続いていくことが、地域全体の利益にもつながっていきます。
2026年10月から本格稼働
本プロジェクトは、竹中工務店が提唱する「木曽森林グランドサイクル構想」の中核事業として位置づけられています。これは、小径木や未利用材を価値ある建材へ変えることで、森林の再生と地域経済の活性化を同時に進める取り組みです。NOITAは2026年10月より、長野県塩尻市と木曽町の二つの拠点で本格的に稼働を始める予定です。製造を担う株式会社ツミカサネは2024年9月に設立され、Tree to Green、ソルトターミナル、竹中工務店、丹青社、コクヨ、滝澤ベニヤの6社が株主として出資しています。工場は塩尻市奈良井と木曽郡木曽町新開の二か所に構えられ、地域に根づいた製造体制が整えられています。
出典情報
株式会社竹中工務店リリース,信州の小径木を高付加価値の合板に再生する共創プロジェクトブランド名は「NOITA(ノイタ)」に決定,https://www.takenaka.co.jp/news/2026/06/04/