竹中工務店が耐震補強用コンクリートブロック開発、CO2約120%削減で実証適用へ

竹中工務店は、鹿島建設やデンカと共同で、コンクリートをつくる際に出る二酸化炭素(CO2)を減らす技術の開発を進めています。今回、その技術を活かした耐震補強用のコンクリートブロックが新たにつくられ、名古屋市にある名古屋センタービルの地下4階機械室に実際に取り付けられました。これはNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の事業の一環として行われたものです。

開発が必要とされた背景

コンクリートをつくる工程では、原料となるセメントの製造時に大量のCO2が出てしまうことが長年の課題とされてきました。また、建物を取り壊した際に出るコンクリートの廃材をどう活用するかも、業界全体で解決が急がれてきた問題です。今回の技術は、こうした2つの課題に同時に向き合うかたちで開発が進められました。

実建物での初適用(実証試験)

新しく開発されたのは「CUCO-耐震補強用PCaコンクリートブロック」と呼ばれる部材です。竹中工務店が独自に持つ「エストンブロック工法」という耐震補強の方法に、CO2を減らす技術を組み合わせてつくられました。この工法は、建物を使ったまま工事ができ、音や揺れも抑えられる点が特徴です。今回の取り付けは、この新しいブロックを実際の建物で使った初めての試みとなります。

3つの工夫でCO2を減らす方法

このコンクリートブロックがCO2を減らせる理由は、次の3つの技術を組み合わせているためです。

・セメントの一部を、工場の副産物である「高炉スラグ微粉末」に置き換えることで、製造時の排出量を抑える

・建物の解体で出たコンクリートのくずに含まれる成分にCO2を取り込ませ、新たな材料として再び利用する

・特殊な混ぜ物を加えたうえで、固まった後に高い濃度の炭酸ガスを当てる処理を行い、内部にCO2を吸収させる

これらを組み合わせることで、一般的なコンクリートづくりと比べて、削減・固定・吸収の合計で約118~124%削減となります。これまでの竹中工務店の実績では80%ほどだったため、大きく上回る結果となりました。ブロックの形を蝶のような形状にすることで表面の面積を広げ、CO2を吸収できる量を増やす工夫も加えられています。

廃材を生かす取り組みでもある

この技術で使われている材料には、建物を壊した際に出るコンクリートの廃材も含まれています。つまり、CO2を減らすだけでなく、これまで捨てられていた資源を再び役立てることにもつながっています。資源を無駄にしない仕組みとしても注目できる内容です。解体時に出る廃材を新しい建材の原料として循環させる考え方は、今後の建設業界全体にとっても参考になる取り組みといえます。

長期耐久性の検証を継続

今回の実証では、ブロックを取り付けただけで終わりではありません。実際の建物に設置した状態のまま、長い期間にわたって強さや劣化のしにくさがどのように変化していくかを調べていく予定です。集めたデータは、この部材を製品として広く使えるようにするための基礎資料として活用されていきます。

技術開発と社会実装を一体で推進

竹中工務店は今後、同社が事業全体をまとめる立場として、NEDOと協力しながら、コンクリートづくりにおけるCO2を減らす技術や固定・吸収する技術の開発と普及に取り組んでいく方針です。こうした積み重ねによって、CO2の排出を実質ゼロ以下にする「カーボンネガティブ」の実現を目指し、脱炭素社会づくりに貢献していくとしています。

出典情報

株式会社竹中工務店リリース,「CUCO®-耐震補強用PCaコンクリートブロック」を開発 CO2排出量を約120%削減、名古屋センタービルに初適用,https://www.takenaka.co.jp/news/2026/06/03/