国土交通省が建設工事受注動態統計を公表、3月受注高16兆円で前年同月比減少

国土交通省は令和8年5月13日、建設工事受注動態統計調査の令和8年3月分および令和7年度計分の結果を公表しました。
3月の受注高合計は16兆4,165億円で、前年同月比0.8%の減少となりました。先月は増加していたものの、再び下落に転じた形です。
元請と下請に分けて見ると、動きは対照的です。
・元請受注高:12兆4,087億円(前年同月比1.1%増、5か月連続の増加)
・下請受注高:4兆78億円(前年同月比6.3%減、12か月連続の減少)
元請受注は堅調に推移している一方で、下請受注の落ち込みが続いており、建設業界の動向の変化をうかがわせます。

目次
業種別では設備工事が際立つ伸び
業種別に見ると、明暗が分かれました。
・総合工事業:10兆5,835億円(前年同月比8.4%減)
・職別工事業:1兆6,785億円(同5.9%減)
・設備工事業:4兆1,545億円(同29.6%増、19か月連続の増加)
設備工事業はほぼ2年にわたって増加を続けており、エネルギー関連や機械装置系の需要が下支えしていると見られます。
元請受注の内訳——公共は増加、民間は減少
元請受注高を発注者別に見ると、公共機関からの受注と民間等からの受注で方向性が分かれました。
・公共機関からの受注:4兆6,223億円(前年同月比13.2%増、2か月連続の増加)
・民間等からの受注:7兆7,864億円(同4.9%減、5か月ぶりの減少)
工事種類別の動き
工事の種類で分類すると、機械装置等工事が突出した伸びを示しました。
・土木工事:4兆3,364億円(前年同月比10.4%増)
・建築工事:6兆7,099億円(同10.2%減)
・機械装置等工事:1兆3,623億円(同55.8%増)
機械装置等工事は先月の減少から再び増加に転じており、製造業や運輸業からの設備投資需要が強まっていることがうかがえます。
公共機関からの受注工事——道路工事などが増加をけん引
3月の公共機関からの受注工事額(1件500万円以上)は4兆6,505億円となり、前年同月比18.5%の大幅増となりました。
発注機関別の内訳
発注区分/受注額/前年同月比
・国の機関合計:1兆9,572億円(12.6%増)
うち国:1兆4,067億円(16.0%増)
うち独立行政法人:1,364億円(1.6%減)
うち政府関連企業等:4,142億円(7.0%増)
・地方の機関合計:2兆6,933億円(23.2%増)
うち都道府県:1兆1,631億円(3.3%増)
うち市区町村:8,841億円(13.4%増)
うち地方公営企業:2,513億円(33.9%増)
受注工事額の多かった工事分類は「道路工事」1兆4,634億円、「治山・治水」7,100億円、「その他」6,625億円の順となっています。
民間等からの受注工事——建築は大幅減、土木・機械は増加
3月の受注工事額は2兆6,748億円で、前年同月比25.5%の減少となりました。不動産業からの受注が3.7%減、サービス業が45.8%減と大きく落ち込んだことが影響しています。
工事種類別では、「住宅」6,911億円、「倉庫・流通施設」5,584億円、「工場・発電所」4,495億円が上位に並んでいます。
土木工事・機械装置等工事(1件500万円以上)
こちらは堅調で、3月の受注工事額は1兆7,356億円(前年同月比20.9%増、5か月連続の増加)となりました。製造業からの機械装置等工事(4,156億円)や、運輸業・郵便業からの鉄道工事(3,905億円)が受注額の上位を占めています。
令和7年度の通年まとめ
7年度(令和7年4月~令和8年3月)の受注高合計は126兆2,531億円で、前年比0.3%の減少となりました。
・元請受注高:87兆3,854億円(前年比6.6%増)
・下請受注高:38兆8,676億円(同13.0%減)
公共機関からの受注工事額は23兆5,706億円(前年比5.9%増)、民間等からの建築工事受注は20兆7,348億円(同10.2%増)、土木・機械装置等工事は12兆8,837億円(同22.3%増)と、公共・民間ともに分野ごとで増減が分かれる結果となりました。
出典情報
国土交通省リリース,建設工事受注動態統計調査報告(令和 8 年 3 月分及び令和 7 年度計分)について,https://www.mlit.go.jp/report/press/content/kakuho2603_nendokei.pdf