国土交通省、建設総合統計3月分を公表、出来高5兆6,147億円、民間・公共とも前年同月比増

国土交通省は、令和8年5月20日に建設総合統計(令和8年3月分)を公表しました。3月の建設工事出来高は全体的に伸びており、民間・公共の両部門でそれぞれ増加を示しています。

出来高総計は5兆6,147億円
2026年3月における建設工事の出来高総計は、5兆6,147億円となりました。前年同月と比べると6.1%の増加です。
この数字は名目値(物価変動を含んだ金額)であり、建設業界全体の工事量の規模を示す指標です。毎年6月(4月分公表時)には、確定した建設投資額の実績値をもとに算出された補正率を用いて、直前の3月分から過去3カ年分が遡及改定されます。
民間部門の動向
民間部門全体の出来高は3兆1,812億円で、前年同月比6.5%増となりました。
内訳を見ると、以下のようになっています。
・建築(民間) 2兆3,169億円(前年同月比 1.0%増)
・うち居住用 1兆3,619億円(同 0.5%減)
・うち非居住用 9,550億円(同 3.3%増)
・土木(民間) 8,643億円(同 24.6%増)
居住用建築がわずかに前年を下回った一方、土木部門が24.6%という大きな伸びを記録したことが目を引きます。民間の土木工事には、道路や橋梁などのインフラ整備のほか、工場・物流施設の敷地造成や地盤工事なども含まれます。この土木の増加が、民間部門全体の底上げにつながっています。
公共部門の動向
公共部門全体の出来高は2兆4,335億円で、前年同月比5.5%増でした。
内訳は次のとおりです。
・建築(公共) 5,698億円(前年同月比 16.8%増)
・うち居住用 651億円(同 20.7%増)
・うち非居住用 5,047億円(同 16.3%増)
・土木(公共) 1兆8,637億円(同 2.5%増)
公共建築の居住用・非居住用がともに15~20%台の増加を示しており、公共工事の発注が特に建築分野で活発だったことがわかります。土木部門は2.5%増と比較的小幅な伸びにとどまりました。
全体をまとめると
今回発表された建設総合統計のポイントを整理すると、以下のようになります。
・出来高総計 5兆6,147億円(前年同月比 6.1%増)
・民間総計 3兆1,812億円(同 6.5%増)——土木が24.6%増と大幅伸長
・公共総計 2兆4,335億円(同 5.5%増)——公共建築が16.8%増と好調
国内の建設工事は、民間・公共の両部門を通じて増加基調が続いています。なかでも民間土木の大幅な伸びと、公共建築の活発な発注が今月の特徴といえます。建設業界では近年、資材費や人件費の上昇が続いており、名目値の伸びが必ずしも工事量の実質的な増加を意味するわけではない点にも注意が必要です。ただし、今回の数値は名目値であり、四捨五入の処理により合計が内訳と一致しない場合があること、また今後の遡及改定の可能性があることに留意してください。
最新の確定値や過去データについては、国土交通省が公表する「使用上の注意及び過去資料」を参照してください。
出典情報
国土交通省リリース,建設総合統計 【令和8年(2026年)3月分】,https://www.mlit.go.jp/report/press/content/002000539.pdf