人事評価制度において社員が目標設定をする際に生成AI「目標Chat」活用: 矢作建設工業|深堀り取材【毎月15日・月末更新】

建設業界においても、さまざまな領域において生成AIの援用が急速に進んでいる。矢作建設工業では、Luvir Consulting(大阪市: 代表取締役CEO 中川裕貴)からの支援を受けて、新たな人事評価制度において社員が目標設定をする際に、生成AI「目標Chat」を活用する仕組みを確立した。これによって社員一人ひとりの自律的な思考と言語化を支援する手段として生成AIを活用し、人財育成を加速させる。具体的には、目標の質を担保し、社員に成長機会を提供すると共に、目標設定の負荷軽減(年間で約1,800時間相当の工数削減見込み)を推進していく。

矢作建設工業では、自律的成長という育成の本質を追求する一環として、目標設定に生成AIを活用することで、全社員の継続的な成長と、2030年の目指す姿「課題解決&価値創造型企業」への変革を推進していく。

「課題解決&価値創造型企業」への基盤構築のため2025年10月から人事評価制度を導入

矢作建設工業では、事業環境の変化に対応すると共に、2030年の目指す姿である「課題解決&価値創造型企業」への変革を目指している。この変革を実現するためには、社員一人ひとりが高い専門性を持って、自律的に自己の役割達成に向けて行動することが不可欠であり、その基盤構築のため、人・組織の課題解決を専門とするLuvir Consultingと協働し、2025年10月から新たな人事評価制度を導入した。この評価制度においては、社員が目標設定を行う際に、生成AI「目標Chat」を活用していく。

「目標Chat」の活用方法の目標のブラッシュアップ+導入効果: 組織の目標設定のサポート

「目標Chat」の活用方法においては、社員が「目標Chat」に「現在の等級」「目標の素案」「自分の期待役割」を入力すると、現在の等級として妥当なレベルなのかに加えて、改善の余地がある場合は、ブラッシュアップした場合の具体例が示され、合わせて、自分の期待役割に沿っているかが示される。社員は、「目標Chat」が示した内容を基に、自分で内容をブラッシュアップする。

導入効果をみてみよう。

目標の質の担保において、「目標Chat」は、評価制度やその基盤となる等級制度の形骸化を防ぐと共に、組織の目標達成に資する目標設定をサポートする。具体的には、全社的な視点が求められる管理職の目標が「自部署に閉じたもの」であった場合には、等級基準に基づき「全社的な目標」への修正のヒントを提示する。

成長機会の提供において、「目標Chat」は、社員が作成した目標案を洗練させる「壁打ち役」として機能する。社員は、「目標Chat」と対話しながら自分の目標をブラッシュアップすることにより、論理的思考力や抽象化・応用力といった目標設定に必要なスキルを自律的に養うことができる。

目標設定の負荷軽減においては、「目標Chat」が目標の妥当性・網羅性を確認可能であるため、社員が目標を検討する時間、評価者が目標を確認・調整する時間が大幅に短縮され、年間で約1,800時間相当の工数削減効果が見込まれる。

生成AI「目標Chat」の活用イメージ