NETIS(ネティス)とは?建築業での活用事例を紹介
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『国交省のNETISにSafie Pocket2が登録|公共工事の新技術活用システム』でご紹介した「NETIS」についてピックアップします。
NETISとは
NETISとは、国土交通省が運用する「新技術情報提供システム」です。2006年から本格的にスタートしており、民間事業者が開発した新技術を整備するデータベースとして活用されています。
由来は「NewTechnology Information System」の頭文字で、読み方は「ネティス」です。インターネット上に公開されており、誰でも自由に閲覧・検索可能となっています。
【参考】NETISホームページ
NETISの事例
NETISには、新技術に関わる情報がデータベースとして登録されています。工事ですぐに活用できる技術が多く掲載されており、現場での業務が効率化できます。ここでは、NETISの新技術の中からいくつかをピックアップしてご紹介します。
①水中ドローン|ジュンテクノサービス
ロボットカメラを用いて、水中構造物の点検を行う技術です。従来は潜水士による目視確認をしていましたが、危険性や狭小箇所の点で問題がありました。しかしこの技術を使うことにより、より効率的で安全な点検が可能になります。
②スキャン・エックスクラウド|スキャン・エックス
3D点群データを簡単に処理・解析・共有できるオンラインプラットフォームです。インターネット環境があればどこでもデータ解析が可能なので、作業効率が大幅にUPします。人による確認作業が不要で自動処理も可能になり、工期の短縮が図れます。
③バーチャルワークプレイス|リコー
バーチャルワークプレイス(VWP)は、3DデータをVR上で再現し、VR空間での情報共有や合意形成が可能なシステムです。3Dデータから任意の空間をVR(バーチャルリアリティ)上で再現し、VRヘッドセットやブラウザを使ってコミュニケーションをとれるシステムソリューションとなっています。
従来までは現場での立会が必要だった場面でも、遠隔地から合意形成が可能になります。BIM/CIMファイルや点群データ、360°画像、360°ライブ映像をVRで表現できるため、幅広い用途に活用できます。
NETISのメリット
NETISを活用する施工者側のメリットとしては、下記が挙げられます。
- 工事成績評定に加点される
- コスト削減効果
- 工期短縮効果
NETISの新技術の活用を提案して工事で活用すると、工事成績評定に加点されます。これにより、入札時に評価されやすくなるのがメリットです。また新技術の導入で業務効率化が実現すれば、コストや工期の短縮に貢献できます。
また開発者側にも、下記のメリットがあります。
- 技術活用の機会が増える
- 技術のスパイラルアップに繋がる
NETISの登録により広く周知されるため、現場での活用頻度が増えるでしょう。これにより事後評価も得られるので、その後の技術改良のきっかけになります。
NETISの目的・登録方法
NETISは、民間事業者が開発した技術をサポートすることを目的としています。蓄積された情報は全国の地方整備局などに共有され、公共事業での工事にも積極的に活用。さらなる技術の発展に貢献しています。評価結果が優れている新技術については、総合評価落札方式や工事成績評定で加点対象となるなどの特典があります。
NETISに登録されるには、それぞれの事業者が申請する必要があります。原則として、登録しようとしている方、あるいは登録しようとしている企業等の所在地又は事業所の地域にある技術事務所で行います。
ただし申請が受理されたから国交省のお墨付きを得たというわけではなく、「新技術活用に当たっての参考情報といった性格のもの」とされています。
NETISの種類
NETISには、末尾の記号が異なる下記3種類があります。評価の高い順からVE→VR→Aになります。
- NETIS-A
- NETIS-VR
- NETIS-VE
NETIS-A
評価情報が掲載されていない技術です。登録は5年単位での更新で、10年まで適用されます。
NETIS-VR
活用効果評価会議にかけられ、継続調査の対象とする技術です。今後も使用の調査を行っていき、評価されれば「VE」になる可能性があります。登録は5年単位での更新で、10年まで適用されます。
NETIS-VE
効果評価会議にかけられ、評価が確定したことにより継続調査の対象から外れた技術です。登録は10年適用されます。
NETISを現場DXに役立てよう
NETISには、建築業で取り入れたい最新技術が登録されています。閲覧や検索は誰でも無料で行えるので、ぜひ現場で役立ててみてはいかがでしょうか?