大成建設とはどんな会社?特徴やDXの取り組みを徹底解説
大成建設は、建設業におけるスーパーゼネコンの1社です。創業から150年を超えており、再開発などでは大成建設の名前を聞く機会も多いでしょう。また、多角的な事業を展開しており、エネルギーや環境事業にも取り組んでいます。
本記事では、大成建設の特徴や代表的な建築物、DX(BIM)の取り組みについて解説します。
大成建設の会社概要
大成建設の会社概要は以下のとおりです。スーパーゼネコンの1つであり、売上高は1兆7,000億円を超えています。
本社所在地 | 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 |
代表取締役社長 | 相川善郎 |
従業員数 | 8,720名 |
売上高 | 1兆7,650億円 |
経常利益 | 389億円 |
大成建設の特徴
ここでは、大成建設の特徴についてみていきましょう。シンガポールやインドなどの海外支店を持ち、国内に関しては40ヵ所以上の拠点があります。また、建設物の品質に関しては次の4つの方針を掲げています。
- 高品質で性能に優れた建設生産物を提供するため、 先進的で社会のニーズを先取りした技術の研究・開発を推進する。
- 建設生産物・ 関連サービスの提供にあたっては、 契約内容や法令・ 基準等に従って、顧客の要求時間を確実に実現する。
- 長期にわたって 検察 生物の品質や性能の維持・ 構造を図るため、建設生産物のライフサイクルを通して必要な各種サービスを提供する。
- 建設生産物・ 完全サービスの品質の維持・ 構造を確実なものとするため 品質マネジメントシステムを継続的に維持・改善する
引用: 大成建設会社の方針|品質方針|https://www.taisei.co.jp/corp/rinen/policys.html
大成建設の歴史
大成建設は、1873年に大倉喜八郎が大倉組商会を設立したところからスタートしています。当地は、機械などの直輸入 貿易を行いつつ、建造物の造営を行っていました。
全国各地に支店を作ったり、東京地下鉄道の建設を行ったりしつつ、1946年に株式会社大成建設と改称しています。1957年には東京証券取引所に上場し、その後も青函トンネルの建設や東京都第一本庁舎などを手掛けながら、2023年には創立150周年を迎えています。
大成建設の人材育成の体制
大成建設では、それぞれの職種ごとに専門性のある研修の実施を行っています。たとえば、建築創造エンジニアにおいては、新入社員研修から各種選抜型研修などを受けることが可能です。
また、土木系の社員の場合は、新種入社員研修は同じであるものの 、3年目研修やオンデマンド研修なども実施します。海外も含めた社員研修も実施することもある点から、大成建設の社員研修は充実した内容になっているといえるでしょう。
大成建設の環境配慮とサスティナビリティの方針
大成建設では、以下の方針に分けて環境に配慮した企業活動を行っています。
- 基本的な考え方-建設業をとおした環境関連法令の遵守や環境に関連した技術・サービスの開発を進める
- 長期環境目標(TAISEI Green Target 2050)-持続可能な環境配慮型社会の実現に向けた目標策定。サプライチェーン全体で環境目標の達成を目指す
- 環境デュー・デリジェンスの継続的な実施-国際的基準に則った環境デュー・デリジェンスの構築。ステークホルダーとの対話・協議も含める
- グループ環境行動方針-環境マネジメントシステムの効果的な実施や環境関連情報の開示の充実など
サスティナビリティの人権部分に関しては、AIの発展も加味したうえで、人権侵害を失くし、働きがいのある人間らしい雇用を掲げています。企業活動を通じて、社会課題を解決する取り組みにも注力しているといえるでしょう。
大成建設の年収
大成建設の平均年収は、有価証券報告書・四半期報告書から1,025万円となっています。施工管理者だけでなく、構造設計や環境設備、ビルエンジニアといった専門的な職種もあります。スキルや知識を身につければ、年収1,000万円を狙える環境は整っている労働環境だといえるでしょう。
他のゼネコンの年収を知りたい方はこちらから。
大成建設の代表的な建築物
大成建設の代表的な建築物は、以下のとおりです。
- 恵比寿ガーデンプレイス センタープラザ(リニューアル工事)
- 気仙沼市魚市場
- 北海道庁本庁舎
- 京都市本庁舎改修及び新西庁舎新築
- 大宮区役所新庁舎整備事業
- さいたまスーパーアリーナ
インフラ関係から商業施設まで幅広く手掛けています。
大成建設のDX(BIM)への取り組み
大成建設は、デジタル人材の育成やBIMのシステム構築も含めて、次のような先進的な取り組みを多数行っています。
- 2024年-デジタルツインバース「T-TwinVerse」を開発。高精度のデジタルツインの実現や街区のあらゆる情報の統合管理、ARによる遠隔地からの確認ができる。
- 2023年-「Reinforcement of Relationship-BIM」を開発。BIMのデータに基づいて建物の維持管理情報をインターネット上で検索できる。
- 2021年-BIMとIoTを融合したLifeCycleOSを開発。信頼性の高いデジタルツインを実現するプラットフォームであり、既存ビルのBIM化にも対応。
また、大林組・清水建設・大成建設は共同で、2016年に「BIM Summit」を発足し、構造設計用Revitファミリの整備に向けた活動を行ってきました。そして、2024年9月には、「Autodesk Revit」向けの構造用ファミリとして、免震装置のファミリを公開しています。