大林組とはどんな会社?概要やBIMの取り組みを徹底解説
大林組は、日本を代表する総合建設会社の1つです。自社だけでなく、業界全体に対してDXを推進しており、AIやIoTを活用した施工にも取り組んでいます。
本記事では、大林組の企業概要やBIMの取り組みについてみていきましょう。
大林組の会社概要
大林組の会社概要は以下のとおりです。スーパーゼネコンの1であり、建設業に加え、都市開発や地域開発のコンサルティング、不動産事業も行っています。
売上高 | 2兆3,251億円 |
代表者 | 蓮輪 賢治 |
資本金 | 577.52億円 |
従業員数 | 9,253人 |
本社所在地 | 東京都港区港南2丁目15番2号 |
大林組の特徴
ここでは、大林組の特徴についてみていきましょう。アジアに関しては1940年代には進出しており、シンガポールのアジア支店がアジア・オセアニアの事業推進・展開を図っている点も特徴といえます。
大林組の歴史
大林組は1892年に創業され、土木建築請負業からスタートしています。1904年には、大林組という名称に変更し、事務所を東京に開設しました。1937年には、株式会社大林組となり、帝国博物館本館や赤倉国際ホテルなどを手掛けました。
2010年代以降になると、技術研究所新本館や海外支店の統廃合、カーボンニュートラルの実現を推進するグリーンエネルギー事業にも取り組んでいます。
大林組の人材育成の方針
大林組の人材育成に関しては、人材を重要な経営資源として捉えています。そのため、
従業員数支店からすれば、どの年代になったとしても学習の機会があるといえるでしょう。キャリアごとに新入社員研修やグローバルマインド、マネジメント研究、職種別研修・業務領域別研修などの教育体制を実施している状況です。
また、放任ではなく、指導員を配置するため、それぞれのスキルや知識を伸ばしていくことが可能です。加えて、海外留学やデジタル人材育成研修なども実施しているため、会社としての人材育成の機会は多いといえるでしょう。
サステナビリティへの取り組み
大林組は独自組織として、サステナビリティ委員会や取締役座談会といった組織を組成しています。たとえば、環境に関しては、環境マネジメントシステムの構築や運用、建設現場ごとのCO2排出量のモニタリングも実施しています。
また、人材マネジメントについての方針は5つあり、以下のとおりです。
- 「安全に、健康に、活躍できる」-心身ともに健康でいる、お互いを尊重する、建設的な議論ができる
- 「魅力ある多様な人材が集まる」-多様な考え方や個性を受け入れ、個々の能力を引き出す。そして、持続的な成長につなげる
- 「学びを楽しみ、皆が成長する」-業務や取り巻く環境を成長機会と捉える
- 「個が躍動し、チームが活性する」-個と組織のパフォーマンスの最大化、適材適所の人材配置
- 「業績への貢献が報われる」-社員とその家族のための賃金水準の改訂を継続して行う。貢献に対して、報い、モチベーションの維持・向上につなげる。
大林組の代表的な建築物
大林組が手掛けた代表的な建築物は次のとおりです。
- 川上ダム
- 東京スカイツリー
- 虎ノ門ヒルズ
- 品川インターシティ
- 六本木ヒルズ森タワー
2023年に竣工した川上ダムにおいては、CIMやデジタルツインといったデジタル技術を多数使用しています。企業として、DXや現場の省力化といった今後の建設業に必要となる取り組みを率先して行っているといえるでしょう。
大林組の平均年収
大林組の平均年収は有価証券報告書・四半期報告書から1,066万円となっています。また、年代別にみると50代以降が高額となっている傾向です。20代でも600万円以上であることから、スキルと知識を身につけ、社内でのキャリアを積み上げることで着実なレベルアップを図れる企業だといえるでしょう。
以下の26社のゼネコンの中でも2位となっており、業界でも高い水準にあるといえるでしょう。各社の平均年収をより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
大林組のDXへの取り組み
大林組は1970年代後期から、建設分野におけるコンピュータ関連技術の有用性を認識し、先んじて「デジタル化」を推進してきました。2010年にはBIMを建設業務に導入、現在はBIMデータを基盤情報として扱う業務枠組の構築を進めており、2024年度末までの「BIM生産基盤への完全移行」を目指しています。
このような歴史を経て醸成された大林組のデジタルに対する考え方や「DX戦略」について詳しくはこちら↓
また、大林組はBIMモデリングツールである「Smart BIM Standard」を一般公開しています。現状では、BIMに関するモデリングに標準化されたルールはありません。しかし、大規模な工事になるほど、複数の事業者を横断した施工が必須となります。
そのため、BIMについても一定のルールに合わせた運用を行うことで、各社のスムーズな連携を図らなければなりません。そのため、「Smart BIM Standard」が作成され、業界全体に向けて公開されました。
また、自社内でもBIMを活用した工事に2018年から取り組んでおり、設計変更があった場合でも設計から運営にいたるまで、1つのBIMモデルで表現・共有できる環境を整えています。とくに、事業者間の連携に関して注力しているといえるでしょう。