プレハブ工法とは?BIMとの関係や将来性について解説。

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Tag:建設DX

プレハブ工法とは、工場であらかじめ製造・加工した建材を、建築現場で組み立てる手法です。建築現場では部品を組み立てるだけであるため、他の工法と比べて作業時間や作業員の負担が軽減します。そして、BIMを活用できれば、より業務効率化につながると期待されている工法でもあります。

本記事ではプレハブ工法とBIMとの関係や将来性についてみていきましょう。

トレンドワード:プレハブ工法

プレハブ工法は、柱や壁、屋根などの建材を工場であらかじめ製造・加工する手法です。建築現場では、工場で加工した部品や製品を手順通りに組み立てれば、施工が完了します。プレハブ工法には次のようなメリットがあります。

  • 短い工期で完成できるため、コストを抑えられる
  • 工場で同様の建材を大量生産するため、品質を均一化できる

現場で資材を組み立てていく一般的な建築手法では、現場の職人の技術次第で仕上がり具合が左右されます。一方、プレハブ工法は建築現場での作業を最小限に抑えるため、職人の技術が仕上がり具合に大きな影響を与える心配は極めて低くなる点が特徴だといえるでしょう。

プレハブ工法は大きく分けて3種類ある

プレハブ工法には、大きく3つの手法があります。各工法は品質の安定や工期短縮などの共通するメリットがある一方、異なる特性も持っています。詳しく見ていきましょう。

木質系

工場で木材の枠組みに合板を張ったパネルを生産し、現場で組み立てる手法です。パネルの中に断熱材を入れているため、断熱性や気密性に優れた住宅を建築できます。不燃建材の石膏ボードが使われることも多く、火災に強いのも特徴です。

木質系プレハブ工法では、壁や床が荷重を受けます。梁や柱の数を減らせるため吹き抜けが作りやすくなっています。また、歪みが起きにくいため、地震や台風に強い建物になるのも強みです。

ユニット系

工場で部屋ごとの壁や天井、柱などを組み立て箱型ユニットを作る手法です。工場内でキッチンセットなどの設備の設置や配線を行います。全体の8~9割の作業を工場で行います。現場では、ユニットを組み立てる作業のみになるため、短い工期で完成できる点がメリットです。ユニットごとに組み立てているため、増築や移築、ユニットごとの間取りを変更しやすいのも特徴といえるでしょう。

鉄骨系

梁や柱など、主要構造部材に鉄骨を用いた手法です。工場で溶接した鋼材を骨組みとして使用します。錆対策として、防錆塗装が行われるケースがほとんどです。鉄骨系には次のように複数の工法があります。

  • 軸組方式:鉄骨で組んだ柱や梁などに壁・床パネルなどを貼り付ける
  • パネル方式:外壁パネルで構造体力を持たせる

鉄骨は木造建築と比較して害虫被害にあいにくい点がメリットです。

プレハブ工法におけるBIMの可能性

ここでは、プレハブ工法におけるBIMの活用についてみていきましょう。海外ではプレハブ工法におけるBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の活用が進んでいます。そのうえで、今後日本の建築業界にはどのような影響があるのかについて予想していきます。

BIMの現状

日本においてはBIMはまだまだ浸透していません。「あれば便利なツール」だと捉えている人も多いのではないでしょうか。

海外に目を向けると状況は異なり、「欠かせないツール」だと捉えている国も少なくありません。たとえば、米国や北欧をはじめ香港やシンガポールなど、様々な国ではBIMで建築モデルの情報を共有することで、建築工事の効率化や品質向上が進んでいる状況です。

製造業界の再活性化に取り組んでいる香港では、「先進製造業中心」(AMC:Advanced Manufacturing Centre) の建築プロジェクトが進められています。AMCの施工、建物開発および建築プロセスでは、初期からBIMを使用しました。

BIMを使用し建築プロセス全体をデジタル化しシミュレーションを行うことで、設計段階で干渉検出や施工可能性解析が可能になります。そのため、建築前に設計上の問題点を把握、修正できる点が強みです。また、建築コンポーネントの約75%をプレハブ工法で組み立てている点も特徴といえるでしょう。

BIMとプレハブ工法を組み合わせることで、現場での設置時間が大幅に短縮できたという結果が示されています。労働力が不足している中、建築現場の労働者の確保よりも工場の労働者を確保する方が容易になっています。

BIMとプレハブ工法の組み合わせによって、時間とコストの節約だけでなく、施工の安全性や労働力不足の解消など幅広い問題解決に役立っているといえるでしょう。

更なる品質・規格の統一につながる

プレハブ工法は、品質の安定やコスト削減につながる手法です。そのうえで、BIMを組み合わせることで、製造から施工に至るプロセスのより正確なシミュレーションが可能になります。

BIMで詳細な3Dモデリングを行った場合、従来であれば実際に組み立てた後で明らかになるような問題点を事前に把握でき、建築物の品質向上につながります。品質・規格をより統一できるような仕組みをつくることもできるでしょう。

また、BIMを導入した場合、建物情報の一元管理が可能になります。人的ミス防止につながるでしょう。設計・材料・施工方法について、誤発注やデータミス、差し戻し防止につながるため、コスト削減につながります。

なお、従来、プレハブ工法は規格品の建材を組み合わせるため、設計の自由度が低いという問題を抱えていました。しかし、BIMを活用できれば、施工図の整合性が高まるため、部材をプレハブ化しやすくなります。

BIMの導入によって、これまでは困難だった部材のプレハブ化が進むため、さらなるコスト削減や効率化が見込めます。

まとめ

プレハブ工法とは、工場で製造した建材や部材を現場で組み立てる手法です。工場での作業時間が長いものの、現場での作業が軽減されるため、コスト削減や工期短縮、品質の均一化などのメリットがあります。

また、プレハブ工法をBIMと組み合わせれば、従来以上のコスト削減や品質向上につながります。施工図段階での精度が高く、これまでプレハブ工法のデメリットとされていた設計の自由度についても大幅な改善が見込めるでしょう

プレハブ工法とBIMとの組み合わせは、業務効率化・コスト削減・品質の均一化に加え、安全性の向上や労働力不足対策などにもつながります。今後の建築業界の動きとして、注目していきましょう。

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