ゼネコン売上高ランキング2024年最新版|企業概要や建設ⅮXへの取り組みをご紹介

建設業界におけるゼネコンは、売上高の高さから企業規模・従業員も多いといえます。そこで、本記事では2024年におけるゼネコンの売上高ランキングを作成しました。ランキングに基づきそれぞれの企業をみていきましょう。

ゼネコンについて

ゼネコン(ゼネラルコンストラクター)は、設計から施工、研究までを請け負っている企業を意味する言葉です。ゼネコンには、以下のような種類があります。売上高が高いほど、従業員数も多い傾向である点も知っておきましょう。

スーパーゼネコン売上高が1兆円を超えている
準大手ゼネコン売上高が3,000億円程度(明確な定義はない)
中堅ゼネコン売上高が1,000億円程度(明確な定義はない)

スーパーゼネコン

スーパーゼネコン(大手ゼネコン)は、企業としての売上が1兆円以上であり、従業員数も5,000人以上の企業を指します。また、工事内容を建築土木で分けた場合、圧倒的に建築の方が比率が高い(7割から8割程度が多い)点も特徴です。

スーパーゼネコン(大手ゼネコン)に該当するのは次の企業です。

清水建設
鹿島建設
大林組
大成建設
竹中工務店

準大手ゼネコン

企業としての売上が3,000億円程度で、従業員数は2,500以上から6,000人未満となっているケースが多くなっています。準大手ゼネコンに該当する企業は次のとおりです。

長谷工コーポレーション
フジタ
五洋建設
戸田建設
前田建設工業
安藤ハザマ
三井住友建設
西松建設
熊谷組
東急建設

中堅ゼネコン

中堅ゼネコンは売上高が1,000億円ほどで、従業員数は900から2,500人程度となっています。独自の技術や工法を保有しており、小中規模のプロジェクトを実施するケースが多い点が特徴です。

次の企業が中堅ゼネコンに該当します。

奥村組
東亜建設工業
鉄建建設
東洋建設
淺沼組
大豊建設
飛島建設
銭高組
鴻池組
東鉄工業
福田組

ゼネコン売上高ランキング(上位26社)

ゼネコン26社の売上ランキングは次の通りです。

順位会社名売上高
1鹿島建設2兆6,651億円
2大林組2兆3,251億円
3清水建設2兆518億円
4大成建設1兆7,650億円
5竹中工務店1兆6,124億円
6長谷工コーポレーション1兆944億円
7前田建設工業7,932億円
8五洋建設6,177億円
9フジタ5,808億円
10戸田建設5,224億円
11三井住友建設4,794億円
12熊谷組4,431億円
13西松建設4,016億円
14安藤ハザマ3,941億円
15奥村組2,881億円
16東急建設2,856億円
17東亜建設工業2,838億円
18鴻池組2,746億円
19東洋建設1,867億円
20鉄建建設1,835億円
21大豊建設1,632億円
22福田組1,622億円
23淺沼組1,526億円
24東鉄工業1,418億円
25飛島建設1,320億円
26銭高組1,209億円
※有価証券報告書、公式ホームページ参照

国土交通省の「令和3年 建設業活動実態調査の結果」から読み取ると、 建設業全体の売上高は15兆282億円でした。また、「令和4年度(2022年度) 建設投資見通し 概要」を見てみると、建設投資額は66兆円9,900億円となっています。そのため、建設業界におけるスーパーゼネコンの存在感は大きいといえるでしょう。

中堅ゼネコンと比較した場合、スーパーゼネコンは売上が10倍~20倍以上となっていることから規模の大きさが伺えます。また、2023年の売上のみを比較すると、2兆以上の売上に到達しているスーパーゼネコンが3社ほどある点から建設ニーズの高まりが反映されているといえるでしょう。

実際に、大規模な建築物では、スーパーゼネコンでなければ、技術的に施工ができないケースも多くあるため、今後も大きく順位が変化するとは想定しにくい状況です。

スーパーゼネコン

スーパーゼネコンは全ての企業が1兆円以上の売上高となっており、次のような特徴があります。

  • それぞれが大規模な建築物に関わる機会が多い
  • AIやDXなどIT技術も取り入れている

では、それぞれの企業をみていきましょう。

企業名売上高
鹿島建設2兆6,651億円
大林組2兆3,251億円
清水建設2兆518億円
大成建設1兆7,650億円
竹中工務店1兆6,124億円
※有価証券報告書、公式ホームページ参照

鹿島建設

鹿島建設は全国各地に拠点を持ち、いくつもの国内外のプロジェクトに参画しています。
また、グループ数も100を越え、研究開発による技術革新には定評がある点が特徴です。
これまでには、商船三井ビルのリニューアルやホテルグランバッハ東京銀座などを手がけています。

売上高経常利益従業員数本社所在地
2兆6,651億円1,501億8,129東京都港区元赤坂1-3-1
※有価証券報告書、公式ホームページ参照

鹿島建設では、令和3年度 BIM を活用した建築生産・維持管理プロセス円滑化モデル事業(パートナー事業者型)として、「BIM を活用した建物ライフサイクル情報管理とデジタルツイン及びソフトウェア・エコシステムによる支援の検証」を実施しています。

詳しくはこちら↓

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大林組

大林組 は創業130年を誇る企業です。再生可能エネルギー分野も事業として展開しています。東京スカイツリーや梅田スカイビルなどを手がけています。

売上高経常利益従業員数本社所在地
2兆3,251億円915億円9,134東京都港区港南2丁目15番2号
※有価証券報告書、公式ホームページ参照

大林組は1970年代後期から、建設分野におけるコンピュータ関連技術の有用性を認識し、先んじて「デジタル化」を推進してきました。2010年にはBIMを建設業務に導入、2022年2月にデジタル変革に関する戦略立案やその推進を行う「DX本部」が設置されました。

また、2023年には「DX銘柄」にも選出。DX本部内には「デジタル教育課」が設けられ、DX人材の育成にも力を入れています。現在はBIMデータを基盤情報として扱う業務枠組の構築を進めており、2024年度末までの「BIM生産基盤への完全移行」を目指しています。

大林組の「DX戦略」に関するBuildApp News独自連載はこちら↓

【連載】大林組のDX戦略|第一回「デジタル化の歴史」

大林組は1970年代後期から、建設分野におけるコンピュータ関連技術の有用性を認識し、先んじて「デジタル化」を推進してきました。2010年には… more

ビルドアップニュース

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清水建設

清水建設は1804年に創立された企業であり、医療福祉施設の受注が非常に多い点が特徴の1つです。横浜銀行本店や横浜ランドマークタワー、第一東京ホテルなどを手がけています。

売上高経常利益従業員数本社所在地
2兆518億円-198億円10,949東京都中央区京橋二丁目16番1号
※有価証券報告書、公式ホームページ参照

清水建設は、2021年より「DX銘柄」に3年連続で選定されています。建設業界で3年連続DX銘柄に選定されたのは清水建設が初めてとなります。

「BIMの日」独自取材記事はこちら↓

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大成建設

大成建設は市街地開発に特に強みを持つ企業であり、住宅関連事業を行っています。これまでに、埼玉スーパーアリーナ、横浜ベイブリッジなどを手がけています。

売上高経常利益従業員数本社所在地
1兆7,650億円389億円8,720東京都新宿区西新宿一丁目25番1号
※有価証券報告書、公式ホームページ参照

2023年6月には建設RXコンソーシアムにも参加。これによりスーパーゼネコン5社が揃いました。
建設RXコンソーシアムに関する記事はこちら↓

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竹中工務店

竹中工務店は、高層ビル建築に強みを持つ企業です。建築物の比率が9割は建物となっており、建築に特化している点も特徴だといえるでしょう。これまでには、東京タワーや大阪センタービルなどを手がけています。

売上高経常利益従業員数本社所在地
1兆6,124億円593億円7,786大阪市中央区本町四丁目1番13号
※有価証券報告書、公式ホームページ参照

建設DX展での独自取材記事はこちら↓

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準大手ゼネコン

3,000億円程度から1兆円程度までの企業が準大手ゼネコンとなります。大規模な工事を行うケースもあるものの、スーパーゼネコンと比較した場合、比較的中規模な工事が多い点が特徴です。

では、それぞれの企業を詳しくみていきましょう。

企業名売上高
長谷工コーポレーション1兆944億円
前田建設工業7,932億円
五洋建設6,177億円
フジタ5,808億円
戸田建設5,224億円
三井住友建設4,794億円
熊谷組4,431億円
西松建設4,016億円
安藤ハザマ3,941億円
東急建設2,856億円
※有価証券報告書、公式ホームページ参照

長谷工コーポレーション

長谷工コーポレーションは、業界の中でもマンション建築に強みを持つ企業です。また、事業として有料老人ホームも展開している点が特徴の1つといえます。

売上高経常利益従業員数本社所在地
1兆944億円833億円2,447東京都港区芝二丁目32番1号
※有価証券報告書、公式ホームページ参照

前田建設工業

前田建設工業は、ダムやトンネル建設など、土木工事に強みを持つ企業です。 また、海外での実績が多い点も特徴といえます。

売上高経常利益従業員数本社所在地
7,932億円323億円3,277東京都千代田区富士見二丁目10番2号
※有価証券報告書、公式ホームページ参照

五洋建設

五洋建設は、3つの部門(建築・土木・海外)が事業比率としてバランスよく成り立っている企業です。とくに、海外のプロジェクトに強みがあり、世界各国の国々での実績があります。

売上高経常利益従業員数本社所在地
6,177億円272億円3,824東京都文京区後楽二丁目2番8号
※有価証券報告書、公式ホームページ参照

フジタ

藤田は1912年に創業し、とくに海外事業やまちづくりに対して強みを持つ企業です。大和ハウスグループの一員である点も特徴といえるでしょう。

売上高経常利益従業員数本社所在地
5,808億円158億円3,398東京都渋谷区千駄ヶ谷4-25-2 修養団SYDビル
※有価証券報告書、公式ホームページ参照

戸田建設

戸田建設は、学校や医療、福祉分野に強みを持つ企業です。不動産の売買や仲介、管理も事業として行っています。

売上高経常利益従業員数本社所在地
5,224億円254億円4,215東京都中央区八丁堀二丁目8番5号
※有価証券報告書、公式ホームページ参照

三井住友建設

三井住友建設は、PCを使用した橋梁工事に強みを持つ企業です。グループとして、不動産会社とつながりがあるからマンション建設や再生にも注力しています。

売上高経常利益従業員数本社所在地
4,794億円62億円5,227東京都中央区佃二丁目1番6号
※有価証券報告書、公式ホームページ参照

熊谷組

熊谷組はトンネル建設工事に強みを持つ企業です。これまでには、中国銀行上海ビルや青函トンネルなどを手がけています。 

売上高経常利益従業員数本社所在地
4,431億円130億円2,635東京都新宿区津久戸町2番1号
※有価証券報告書、公式ホームページ参照

西松建設

西松建設は1874年に創業した企業です。公共工事や都市開発分野での施工実績が多く、恵比寿ファーストスクエア、羽田エアポートガーデンなどを手がけています。 

売上高経常利益従業員数本社所在地
4,016億円195億円2,892東京都港区虎ノ門一丁目17番1号
※有価証券報告書、公式ホームページ参照

安藤ハザマ

安藤ハザマは、土木工事の測量から監理、不動産取引まで事業として行っている企業です。津軽ダムや東京大学(本郷)工学部3号館を手がけています。

売上高経常利益従業員数本社所在地
3,941億円185億円3,375東京都港区東新橋一丁目9番1号
※有価証券報告書、公式ホームページ参照

東急建設

東急建設は、東急グループの一員であり、建築・土木工事に加え、インフラ整備に強みがあります。渋谷ヒカリエ、セルリアンタワーなどを手がけています。

売上高経常利益従業員数本社所在地
2,856億円97億円3,041東京都渋谷区渋谷一丁目16番14号
※有価証券報告書、公式ホームページ参照

中堅ゼネコン

1,000万円程度から2,500億円程度までの企業が中堅ゼネコンとなります。工事内容の特徴としては、地域単位が多く、規模も小さい点が挙げられます。では、それぞれの企業を詳しくみていきましょう。

企業名売上高
奥村組2,881億円
東亜建設工業2,838億円
鴻池組2,746億円
東洋建設1,867億円
鉄建建設1,835億円
大豊建設1,632億円
福田組1,622億円
淺沼組1,526億円
東鉄工業1,418億円
飛島建設1,320億円
銭高組1,209億円
※有価証券報告書、公式ホームページ参照

奥村組

奥村組は建築事業に加え、建設資材の販売やガス工事・舗装復旧工事も行っているゼネコンです。東九州自動車道日向第一トンネルや神戸空港を手がけています。

売上高経常利益従業員数本社所在地
2,881億円148億円2,204大阪市阿倍野区松崎町二丁目2番2号
※有価証券報告書、公式ホームページ参照

東亜建設工業

東亜建設工業は、海洋の土木工事に強みを持つ企業です。新潟みなとトンネルや海上保安庁海洋情報部庁舎などを手がけています。

売上高経常利益従業員数本社所在地
2,838億円166億円1,705東京都新宿区西新宿三丁目7番1号
※有価証券報告書、公式ホームページ参照

鴻池組

鴻池組は1871年に創業し、専用の研究施設を保有している点が特徴です。また、ビル建築において、エネルギー消費量ゼロを目指すZEBにも取り組んでいます。名古屋市美術館や国際子ども図書館などを手がけています。

売上高経常利益従業員数本社所在地
2,746億円133億円1,932大阪市中央区北久宝寺町三丁目6番1号
※有価証券報告書、公式ホームページ参照

東洋建設

東洋建設は、東証プライムに上場しており、海洋土木に強みを持つ企業です。工事用船舶の設計や製造なども行っており、関西国際空港立体駐車場・空港駅やタイムズスクエアビル・本館を手がけています。

売上高経常利益従業員数本社所在地
1,867億円100億円1,528東京都千代田区神田神保町一丁目105番地
※有価証券報告書、公式ホームページ参照

鉄建建設

鉄建建設は、交通インフラに関する工事に強みのある企業です。仙台駅東口オフィス棟新築他(JR仙台イーストゲートビル)や日光駅を手がけています。

売上高経常利益従業員数本社所在地
1,835億円22億円1,811東京都千代田区神田三崎町二丁目5番3号
※有価証券報告書、公式ホームページ参照

大豊建設

大富建設は、泥土加圧シールドやニューマチックケーソン工法などの特殊な工法を多数保有している企業です。中央区日本橋特別出張所等複合施設や日本政策金融公庫を手がけています。

売上高経常利益従業員数本社所在地
1,632億円12億円1,056東京都中央区新川一丁目24番4号
※有価証券報告書、公式ホームページ参照

福田組

福田組は創業120年を超える企業であり、「プレキャスト鉄筋コンクリート構法」などの独自技術を保有している点が特徴です。土地区画整理事業にも強みがあります。赤谷川災害改良復旧附帯県道八女香春線改良外工事や新潟職業能力開発促進センターなどを手がけています。

売上高経常利益従業員数本社所在地
1,622億円54億円861新潟市中央区一番堀通町3番地10
※有価証券報告書、公式ホームページ参照

淺沼組

淺沼組は創業から120年以上の歴史を誇る企業です。学校や官公庁の実績が多く、芦屋中央病院や大船渡市防災センターを手がけています。

売上高経常利益従業員数本社所在地
1,526億円43億円1,293大阪市浪速区湊町一丁目2番3号マルイト難波ビル
※有価証券報告書、公式ホームページ参照

東鉄工業

東鉄工業は鉄道事業に強みを持つ企業です。線路メンテナンス、JR関係の工事などには多数の実績があります。Jヴィレッジ駅新設工事や誉田駅橋上駅舎新設他工事などを手がけています。

売上高経常利益従業員数本社所在地
1,418億円121億円1,883東京都新宿区信濃町34 JR信濃町ビル4階
※有価証券報告書、公式ホームページ参照

飛島建設

飛島建設は、防災・減災面で強みのある企業です。AGF-P工法やSmall-P工法など、独自の工法を用いて、複数の施工難易度の高いトンネル工事を行ってきました。たとえば、飛騨トンネル避難坑や四万十トンネルなどを手がけています。

売上高経常利益従業員数本社所在地
1,320億円48億円1,115東京都港区港南一丁目8番15号
※有価証券報告書、公式ホームページ参照

銭高組

銭高組は、錢高組免震構法や高引抜き対応型免震装置などの独自技術を持つ企業です。アサヒグループホールディングス研究開発センター東研究棟や東北大学 東北メディカル・メガバンクなどを手がけています。

売上高経常利益従業員数本社所在地
1,209億円49億円906大阪市西区西本町二丁目2番4号
※有価証券報告書、公式ホームページ参照

まとめ

ここまで、全26社のゼネコンを売上高や経常利益をみてきました。多くの建築物に、ゼネコンが関わっており、影響力の強さを把握できたのではないでしょうか。

それぞれの得意分野や特殊な工法、企業体としての規模もふまえたうえで、今後の動向にも注目しましょう。