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「初期費用ゼロ」も可能|東京都、2025年住宅太陽光パネル設置義務化で住宅価格への影響は?

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トレンドワード:東京都の太陽光発電義務化

「東京都の太陽光発電義務化」についてピックアップします。CO2削減効果が期待できる等の魅力も多いですが、「義務化で費用はどうなる?」「利用できる補助金は?」と気になる点も多いです。そこで本記事では、東京都の太陽光発電パネル設置義務化の概要やメリット等をまとめてご紹介します。

東京都が太陽光発電パネルの設置を義務化

東京都では、「2030年カーボンハーフ、2050年ゼロエミッション」の実現に向けた取り組みを実施しています。その一環として実施される予定の「太陽光パネルの設置義務化」が話題となっています。

太陽光パネルとは?メリットとデメリット

太陽光パネルのメリット

  • CO2削減に貢献
  • 毎月の電気代節約
  • 停電時にも電気が使える

太陽光パネルは、ソーラーパネルに太陽光が当たることで内部の電子が移動して電気を作り出す装置です。再生可能エネルギーのため地球環境に優しく、CO2削減に効果があります。

また毎月の電気代が約7,800円も節約できるため、長い目で見るとお得と言えるでしょう(毎月電気代1万円程度の戸建住宅に4kWを設置した場合)。さらに災害時でも家の電気が使えるので、防災力UPにも役立ちます。

太陽光パネルのデメリット

  • 設置費用が掛かる
  • メンテナンスが必要
  • 天候に左右される
  • 生産地・新疆ウイグル自治区の人権問題

太陽光パネルの設置費用は、基本的に施主負担になります。また3〜4年ごとのメンテナンスがあり、20年程経つと器具自体の交換も必要になるでしょう。また雨天時には発電できず、台風等でパネルが破損してしまう心配もあります。

さらに現在太陽光パネルの生産は中国に集中しており、新彊ウイグル自治区における労働者の人権問題が懸念されています。

東京都・太陽光パネル設置義務化制度の概要

太陽光パネル設置義務化は、東京都の「建築物環境報告書制度(仮称)」で新設される制度です。制度の概要は、下記となります。

  • 年間都内供給延床面積が合計2万㎡以上の住宅供給事業者を対象とし、一定の中小規模新築建物(住宅等)への断熱・省エネ性能、再エネ設置等の義務付け・誘導を実施
  • 設置義務者である供給事業者が、注文住宅の施主等や建売分譲住宅の購入者等とともに、建物の環境性能の向上を推進

太陽光義務化はいつから?

太陽光パネルの新制度は、「2025年4月」の施行を目指しています。現在議論が進められており、施行までに2年間の準備・周知期間が設けられる予定です。

すべての戸建てが対象?

「義務化」と聞くと全員が対象と思われがちですが、「都内大手住宅メーカー約50社」のみが対象となります(※年間の都内供給延床面積が合計20,000㎡以上のメーカー)。

ただし東京都環境局は「年間供給面積が5,000㎡以上の事業者も、任意の参加を認める」という方針を示しています。参加で自社アピールに繋げられるようにし、環境性能の高い住宅の普及を加速させる狙いがあります。

また設置義務者は「一般の施主ではなく事業者」です。住宅の購入者は事業者からの説明を聞き、環境性能等について検討した上で購入の判断をするという流れになります。

一方で、住宅の中には「日当たりがよくない」「屋根の面積が小さい」等の理由で、太陽光パネルが設置できないケースもあるでしょう。そのため本制度では、「全体の85%」を達成すればよいことになっています。

ハウスメーカーは個々の住宅の形状等を踏まえ、供給する建物全体で設置基準の達成を計画する必要があります。上図のように「中央区・千代田区」は目標値が30%ですが、逆に住宅地の広がる「八王子市・三鷹市等」は85%と定められています。

なぜ太陽光パネルを義務化?

ここでは、太陽光パネルを義務化する主な理由をまとめていきます。

エネルギー危機の改善

地球環境の悪化が問題となっている中、気候危機の一層の深刻化とエネルギー危機の影響の長期化を改善する必要があります。

現状、東京都内のCO2排出量は「建物関連が約7割」を占めています。太陽光発電が導入されれば、大幅なCO2削減効果が期待できるのです。

屋根は東京ならではの「強み」

東京都は世界でも屈指の大都市であり、住宅の数もトップレベルです。しかし2019年度の調査では、「全体の4.24%」しか太陽光発電が設置されていないというデータが報告されています。

大都市ならではの「強み」である屋根を最大限活用すれば、エネルギー問題の解決に繋がるでしょう。

設置コストが安くなった

2021年の太陽光発電の平均設置費用は、約140万円でした(容量5kwで計算)。2012年が平均215.5万円だったのに比べると、約75.5万円も安くなっています。そのため一般家庭でも設置のハードルが低くなり、さらなる普及が期待されているのです。

太陽光パネルを安く設置する方法は?

太陽光パネルが安くなったとはいえ、100万円を超える出費はやはり痛いです。ここでは、安く設置するために利用したい制度をご紹介します。

補助金・助成金は申込み期間や予算が限定されていることも多いです。利用を検討される場合、必ず公式ホームページをご確認ください。

①補助金制度を使う

東京ゼロエミ住宅

https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/climate/home/tokyo_zeroemission_house/index.html

東京都が実施している、省エネ住宅への補助事業です。

補助金額は「20〜120万円」で、太陽光パネルを設置する場合には「さらに上乗せ」した金額が補助されます。令和4年度の予算額は約160億円で、予算に達した時点で終了となります。

認定されるために必ず適合すべき仕様は、下表の通りです。

住宅によって個々の条件を満たす必要があるため、必ず事業者に確認することをおすすめします。

【参考】東京ゼロエミ住宅

災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業

https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/climate/home/dannetsu-solar.html

省エネ性に優れた住宅の普及拡大を促進するため、高断熱窓・ドアへの改修や、蓄電池、V2H、太陽光発電設備の設置に対して補助金が給付されます。

新築住宅の太陽光発電の補助は、下記の金額となっています。

  • [3kW以下の場合] 12万円/kW(上限36万円)
  • [3kWを超える場合]10万円/kW(50kW未満)
  • [ただし3kWを超え3.6kW未満の場合]一律36万円(※4)

また新築に限らず既存住宅への補助も行っているので、リフォームでの利用もおすすめです。

【参考】(令和4年度)災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業

こどもエコすまい支援事業

こちらは国土交通省が行っている住宅支援事業で、「2050年カーボンニュートラルの実現」を目的としています。

子育て世帯・若者夫婦世帯による高い省エネ性能(ZEHレベル)の新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修等を支援します。補助金交付申請期間は2022年11月8日~2023年12月31日で、補助額は「一戸100万円」です。

ただしこちらの補助金の対象は「太陽熱利用システム」で、「太陽光発電システムではない」ため注意が必要です。補助金を利用して住宅費用を抑えつつ、太陽光パネルは別途設置する形になるでしょう。

【参考】こどもエコすまい支援事業について

②「初期費用ゼロ」サービスを使う

太陽光パネルを購入せず、「リース」「電力販売」「屋根貸し」といった方法を選ぶことで初期費用を抑えられます。東京都ではこうしたサービスへの助成を行うことで、施主に「補助金相当額が還元」される仕組みを検討しています。

まとめ|太陽光パネルで環境に優しい住まいへ

東京都で開始される予定の太陽光パネル義務化には、戸惑いの声も多く聞かれます。しかし持続可能な社会に向けた取り組みとして、今後全国に広がることも考えられるでしょう。大都市ならではの「強み」である屋根を生かして、CO2削減効果が期待されます。

この記事を書いた人

小日向

二級建築士/インテリアコーディネーター(IC)/福祉住環境コーディネーター。 建築学科卒業後、インテリアメーカーにてICの業務を経験。 現在は建築・住宅系ライターとしてコラムを担当。ハウスメーカー、リフォーム、住宅設備会社での執筆多数。

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