BEPとは|BIM用語集

BEPとは、BIMに関するプロジェクトをスムーズに進めるためにBIMが実行されるための契約を示した書類のことです。BEPを作成することで、BIM技術プロジェクトの効率化やBIM性能の向上が期待できます。今回は、BEPについてひな型のイメージなどについて1つずつ詳しく解説していきます。

BEPとは

BEPとは、BIM Execution Planを略称している言語です。BEPは、プロジェクトをスムーズに進めるためにBIMがどのように実行されるのかを説明する書類です。プロジェクト毎に作成されるもので、BEPの作成には力を入れる必要があります。

BEPはクライアントから提案されたBIM要求水準を基に作成されます。新しい使い方が生まれる可能性のある書類ですので、BEPは重要です。

BEPを活用した入札者と発注者の取引の流れは以下のとおりです。

  1. 入札者が知識や経験をもとに、BEPのテンプレートに沿った業務の条件を確認書類として案件を提示させる
  2. 人材が確定した後、発注者と入札者が契約の打ち合わせを行う
  3. BEPを更新していき、両方の合意をもって契約後BEPとして共有

次に、準備BEPと詳細BEPについてご紹介します。

準備BEP

準備BEPとは、暫定的なBEPのことです。設計者や請負業者は、技術の提案として準備BEPの提出が必要になるケースがあります。

業務の受注後に完成させるBEPです。BIM技術者が作成するだけでなく、設計者や請負業者によって作成される書類ですので、何を記載するべきなのかなどの理解は深めておいた方が良いでしょう。

詳細BEP

詳細BEPとは、準備BEPを基に作成された詳細な文書のことです。完全BEPとも呼ばれていたりプロジェクトチームによって呼ばれ方が変わったりする書類でもあります。

詳細BEPは、プロジェクトが開始する一定期間内であれば、BIM水準書に沿って更新することができます。

また、プロジェクト終了後には、BIMモデルと成果物がどうやって作成されたか記載する書類でもあります。プロジェクト開始から終了まで、活用され続ける書類ですので、重要性は高いです。

BEPのひな型のイメージ

次に、BEPのひな型のイメージについて下記の順序でご紹介します。

  • プロジェクト情報
  • プロジェクトのBIMの目標及び活動
  • BIMプロセス運用計画・実施体制
  • 運用規約及びシステム要件

1つずつ順番に見ていきましょう。

プロジェクト情報

BEPに記載される内容として、プロジェクト情報があります。プロジェクト情報では、プロジェクト概要やプロジェクトに関わる関係者・役割分担が記載されます。プロジェクトに関する基本情報が記載される欄ですので、必ず目を通す箇所です。

また、プロジェクトマイルストーンや基準文書についても記載されます。プロジェクト基本情報では、プロジェクトに関わる基本的な情報をまとめている箇所ですので、誤字脱字や情報に間違いがないように記載しましょう。

プロジェクトのBIMの目標及び活動

BEPには、プロジェクトのBIMの目標及び活動について記載される欄があります。プロジェクトの目標及び活動について記載される欄では、BIM目標及び活用事項やBIMモデルの作成役割分担、モデルの詳細度が記載されます。

プロジェクト情報とは異なり、BIMに関する内容がメインになる箇所です。BEPでは、重要箇所になりますので、質の高い内容を記載しましょう。

BIMプロセス運用計画・実施体制

BIMプロセス運用計画・実施体制についてBEPに記載する必要があります。BIMプロセス運用計画・実施体制では、推進体制や会議実施計画、BIMツール、BIM活用計画、BIM統合調整等が記載されます。

BIMに関する内容がメインになり、ツールやプロセスについても記載される内容です。プロジェクトを進めていくうえでは、必要になる欄ですので必ず記載しましょう。

運用規約及びシステム要件

BEPには、運用規約及びシステム要件を記載する箇所があります。運用規約及びシステム要件では、ライブラリー・ファイル名指針、情報管理・データセキュリティ指針、BIMモデルの権利・利用範囲、共通データ環境、ハードウェア要件が記載されます。

BIMシステムに関する基本情報や運用規約に関する情報が主に記載される内容です。BEPのまとめとしての項目ですので、最後に上手くまとめましょう。

まとめ

今回は、BEPの概要や詳細BEPやひな型のイメージについて解説しました。BEPはプロジェクトをスムーズに進めるためには、非常に重要になる書類です。また、プロジェクト終了後に情報をまとめたりなど、プロジェクト開始から終了まで重宝される書類です。

今回の内容を把握していたうえで、BEPの重要性を理解し、プロジェクトを円滑に進めましょう。