Tektome、大林組の設計初期における法令・条例調査にAIエージェントを試験導入し工数削減

建設特化のAIソリューションを手がけるTektome株式会社は、株式会社大林組に対し、建設分野に特化したエージェント知能基盤「Tektome」の提供を開始しました。
設計初期段階における法令・条例調査を対象に、試験導入を進めています。この取り組みは、大林組が全社的に取り組む生成AI活用の一環として、設計本部建築法制部が中心となって実施しているものです。
設計初期に立ちはだかる法令確認の壁
建築設計や施工の現場では、建築基準法や消防法、省エネ法に加え、地域ごとに定められた条例や告示まで、幅広い法令を確認しなければなりません。とりわけ設計初期は、クライアントの要望がまだ固まっていない段階で、プロジェクトに関わる法令を広く洗い出し、設計方針を左右する論点を早い時期に見極める必要があります。
大林組では、建築基準法に基づく許認可業務を担う建築法制部が、設計者からの相談対応や法的な観点でのレビューを行っています。ただし設計初期は確認すべき法令が多岐にわたるため、論点整理に時間がかかりやすいという課題を抱えていました。
検討工程をつなぐAIエージェント
今回の取り組みでは、設計者による初期調査と建築法制部による専門的なレビューの間に、AIエージェントを介在させます。設計者はAIエージェントとやり取りしながら確認事項を整理し、建築法制部は高度な判断が求められる論点に集中できる体制を整えました。法令確認を設計の節目ごとに行う単発の作業から、設計の進行に合わせて継続的に支える取り組みへと広げています。
試験導入で確認された工数の削減
試験導入は段階的に進行中です。まず建築法制部がAIエージェントの回答精度や活用方法を検証し、その結果を踏まえて複数の設計プロジェクトで設計者による試行利用が始まりました。
検証では、法令調査や要件整理にかかる時間が1人あたり週平均4.3時間から1.4時間まで減少し、週平均2.9時間、約67%の削減効果が確認されています。
建設特化の知能基盤という仕組み
Tektomeは、企業ごとの知見を蓄積し、建設分野に特化した複数のAIエージェントが業務内容に応じて連携する知能基盤です。専用システムの開発は不要で、自然言語による指示だけで利用でき、活用を重ねるほど各社の業務スタイルに最適化されていきます。
大林組では、建築基準法や関連条例といった法令情報に加え、同社独自のチェック基準や確認手法を踏まえたAIエージェントを法令・条例リサーチに活用しています。
壁打ちとセルフチェックによる運用
設計中に浮かんだ疑問をその場で投げかけて論点を整理する「壁打ち」と、法制部によるレビュー前に検討漏れを確認する「セルフチェック」という、二つの使い方が定着しつつあります。
AIエージェントは質問に対してまず結論を提示し、判断の根拠となる条文もあわせて示すため、設計者はその根拠をもとに原文を自ら確かめられます。AIだけで判断できない論点は「要確認」として明示し、最終判断は人が担う前提で設計されています。
現場の設計者が語る導入の手応え
設計本部建築設計部の鈴木氏は、自分ひとりでは把握しきれない範囲の情報まで拾い上げてもらえる点に安心感があると述べています。チームでは用途変更時の条件比較にも活用しており、同じ条件でまとめて整理できる点も業務の助けになっているといいます。
同じく建築設計部の菊地氏は、複数の法令を一度に調べられるため調査時間を大幅に短縮でき、その分を設計作業に振り向けられると説明しています。回答には根拠が示されるため自分で確認しやすく、社内資料としても活用できるほか、事前に論点を整理したうえで法制部に相談できることで、やり取り全体の効率化にもつながっているそうです。
人とAIの協働が広げる可能性
Tektomeが目指すのは、人とAIが協働し、企業が積み重ねてきた知見を組織全体の力へと発展させることです。疑問や迷いが生じた際にまずAIエージェントへ相談し、必要な情報や論点を整理したうえで最終的に人が判断する流れを、さまざまな設計・施工業務に根づかせることを目指しています。
実務に即した検証を今後も継続
今回の試験導入は、組織に蓄積された知見を日々の設計判断に活かす新しい業務のあり方を、実務に即して形にする試みです。Tektomeは大林組との検証を丁寧に重ねながら、今後の活用方法をともに検討していく方針です。建設業界における生成AIの活用を構想だけにとどめず、継続的な価値創出につながる形で実装を進めていくとしています。
【参考】:大林組による本取り組みの発表
【参考】:法令・条例調査を支援するAIエージェント
会社概要
- 会社名:Tektome株式会社
- 所在地:〒150-0012 東京都渋谷区広尾1-10-5 テック広尾ビル7階
- 代表者:北村 尚紀(代表取締役)
- 創業:2023年
- 事業:建築設計AIプラットフォーム「Tektome」の提供
- URL:https://tektome.jp
出典情報など
出典:PR TIMES,Tektome 大林組に建設特化のエージェント知能基盤「Tektome」を提供、法令・条例調査で試験導入,https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000136954.html,リリース日:2026-08-19