熊谷組、統合ERP建設WAO導入で契約・請求の電子化99%超を達成、支払期間を約2週間短縮

熊谷組は、統合型ERP「建設WAO」をすべての工事案件で本格運用し、取引先との契約および請求における電子化率が年間平均で99%を超えたことを発表しました。
明細単位での電子取引で業界初となる99%超を達成し、紙のやり取りに頼ってきた建設業界の商習慣を見直す動きとして注目されています。同社はこの取り組みを、単なる社内効率化にとどまらず、協力会社を含めた業界全体のデジタル化を進める一歩と位置づけています。
目次
全工事案件で本格運用がスタート
建設WAOは2021年8月に開発が始まり、一部の現場での試験運用を経て、2025年4月からはすべての工事で導入されました。同年10月には対象範囲を広げ、本社や全国の支店における一般管理費に関わる業務にも展開しています。
現場だけでなく管理部門も含めた形でシステムを浸透させることで、会社全体のデジタル化を進めています。開発着手から本格運用までに約4年をかけており、段階を踏みながら着実に対象範囲を広げてきた経緯がうかがえます。
明細ごとの電子契約で業務を効率化
建設WAOは見積から契約、請求、原価管理までを一つのシステム上でまとめて扱える点が特徴です。取引先はWEB上で明細単位の発注や支払いの手続きを行えるため、郵送の到着を待つ必要がなくなりました。
専用ソフトのインストールも不要で、インターネット環境さえあれば場所を問わず入力や確認ができる仕組みになっています。
蓄積データを経営判断に活用
紙の書類のやり取りをやめてデータをリアルタイムで蓄積することで、これまで現場ごとに分かれていた工事情報を一元的に把握できるようになりました。
予算の進捗をすぐに確認できるほか、数字に基づいた経営判断を下しやすくなっています。協力会社を含めた取引全体の生産性を底上げし、余力が生まれた人員をより付加価値の高い業務へ振り向けることも見込まれています。
人手不足が課題とされる建設業界において、こうした省力化の効果は今後さらに重要性を増していくと考えられます。
「月末締め」で支払いを2週間短縮
電子化が進んだことを受け、従来は半月ごとに行っていた出来高の算定業務を廃止し、請求の締め日を毎月15日から月末へと変更しました。
支払日自体は変更していないため、実質的な支払いまでの期間が約2週間短くなり、取引先の資金繰りの改善に役立っています。細かな単位でデータを管理できるようになったからこそ実現できた仕組みだといえます。
取引先の事務負担も軽くなる
締め日を月末に統一したことで、これまで15日以降に発生していた煩雑な集計や調整の作業が不要になりました。
あわせて、見込みの数字ではなくその月の確定した実績値を使って決算処理を行えるようになったため、数値の正確性も高まっています。
協力会社からも評価する声
システムの全社展開にあたり、熊谷組の協力会社で構成される「熊栄協力会」からは、さまざまな評価の声が寄せられています。専用ソフトの導入費用や使用料が不要になった点、外出先からでも手軽に入力できるようになった利便性の向上を挙げる声が目立ちます。
あわせて、郵送費や印紙代といったコストの削減、締め日変更による事務作業の軽減、電子帳簿保存法への対応がしやすくなった点なども評価されています。操作画面が分かりやすく、社内のヘルプ動画を案内するだけで済むようになったという意見もあり、導入時の負担が小さかったことがうかがえます。
アナログな作業に慣れた社員が多い会社でも、実際に使い始めると操作に迷うことなく定着したという声があり、幅広い層に受け入れられている様子がわかります。
今後もシステムの改善を継続
熊谷組は導入をゴールとせず、取引先からの率直な意見を踏まえてシステムの改良やサポート体制の拡充を続けていく方針です。今後は「建設WAO」を基盤として、蓄積したデータや現場の知見にAIを組み合わせながら、協力会社との双方向のコミュニケーションを深めていく考えです。
こうした取り組みを通じて、建設業界全体のデジタル化と持続的な発展を後押ししていくとしています。取引先との関係を単なる発注と受注にとどめず、共にシステムや業務プロセスを育てていく協力関係として築いていく姿勢がうかがえます。
出典情報など
出典:株式会社熊谷組,業界初!熊谷組、新基幹システム「建設WAO」の導入により、取引先との契約・請求において明細単位の電子取引99%超を達成,https://www.kumagaigumi.co.jp/news/2026/pr-20260716-004291.html,リリース日:2026-07-16