国土交通省、4月新設住宅着工戸数62,569戸、前年同月比11.4%増で6か月ぶり増加

国土交通省は令和8年5月29日、建築着工統計調査報告(令和8年4月分)を公表しました。全国における建築物の着工動態をまとめたこの統計によると、4月の新設住宅着工戸数は持家・貸家・分譲住宅がいずれも増加し、全体で前年同月比11.4%増となりました。これは6か月ぶりの増加です。着工床面積は4,735千㎡で、前年同月比13.4%増と同じく6か月ぶりの増加です。季節調整済年率換算値は724千戸で、前月比1.7%の減少となり、4か月連続のマイナスが続いています。

利用関係別の内訳
住宅の種類ごとの内訳は次のとおりです。
■持家 16,296戸(前年同月比19.5%増・3か月ぶりの増加)
・民間資金:14,798戸(同19.7%増)
・公的資金:1,498戸(同17.7%増)
■貸家 29,265戸(前年同月比17.3%増・6か月ぶりの増加)
・民間資金:26,125戸(同17.7%増)
・公的資金:3,140戸(同14.9%増)
■分譲住宅 16,702戸(前年同月比3.4%増・4か月ぶりの増加)
・マンション:6,293戸(同18.4%減・4か月連続の減少)
・一戸建住宅:10,156戸(同24.3%増)
持家・貸家はいずれも民間・公的資金の双方で増加し、それぞれ全体を押し上げました。分譲住宅はマンションが引き続き減少したものの、一戸建住宅の大幅な伸びが全体を補う形となっています。
地域別の動向
三大都市圏と地方の状況は以下のとおりです。
首都圏は総戸数が前年同月比15.4%増と堅調で、持家(同13.1%増)・貸家(同15.1%増)・分譲住宅(同18.7%増)がいずれも増加しました。分譲のうちマンションは同27.7%増と大きく伸びています。
中部圏は総戸数が前年同月比40.4%増と全エリアで最も高い伸びを示しました。特に貸家が同81.4%増と急増しており、持家(同28.7%増)や分譲住宅(同16.4%増)も上昇しています。
近畿圏は総戸数が前年同月比4.8%増にとどまりました。持家(同19.6%増)・貸家(同14.7%増)は増加した一方、分譲住宅は同17.3%減と落ち込み、うちマンションは同40.8%の大幅な減少となっています。
その他地域は総戸数が前年同月比2.8%増でした。持家(同19.7%増)・貸家(同9.3%増)は増加したものの、分譲住宅は同9.6%減となっており、マンションは同55.9%の大幅減少となっています。
建築工法別の動向
工法別にみると、プレハブ住宅は6,932戸(前年同月比11.1%増・3か月ぶりの増加)、ツーバイフォー工法は7,977戸(同64.8%増・3か月ぶりの増加)となっています。どちらも大幅な伸びを示しており、近年の施工省力化ニーズとの関連が注目されます。
建築物全体の着工床面積
建築物全体の着工床面積は803万㎡で、前年同月比5.1%減と3か月連続の減少となりました。民間の建築主のうち、居住用は491万㎡(同13.9%増・13か月ぶりの増加)と回復が見られた一方、非居住用は266万㎡(同26.5%減・3か月連続の減少)と厳しい状況が続いています。民間非居住用の主な使途別では、倉庫が79万㎡(同49.8%増)と増加した半面、事務所(同16.4%減)、店舗(同22.5%減)、工場(同42.6%減)はいずれも落ち込みました。
新設住宅着工、6か月ぶり増加
持家・貸家・分譲住宅の3区分すべてが増加したことで、全体として6か月ぶりのプラスに転じました。特に中部圏の伸びが際立っており、貸家を中心に力強い回復を見せています。首都圏も堅調な増加が続いており、エリアによってばらつきはあるものの、全国的な着工意欲の持ち直しが数字に表れた月となりました。
一方で、マンションの減少傾向や非居住用建築物の落ち込みなど、課題も残っています。季節調整済年率換算値が4か月連続で前月を下回っている点も含め、回復の動きが今後も続くかどうか、次月以降の数値を注意深く見守る必要があります。
出典情報
国土交通省リリース,建築着工統計調査報告(令和8年4月分),https://www.mlit.go.jp/report/press/joho04_hh_001372.html