「赤坂二・六丁目地区開発計画」とは|事業概要と赤坂エリア周辺再開発一覧を解説

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「赤坂二・六丁目地区開発計画」についてピックアップします。2028年に竣工予定で、複合ビルの一部にはホテル「キャノピーbyヒルトン東京赤坂」がオープン予定です。この記事では、赤坂二・六丁目地区開発計画の事業概要と、周辺地域で計画されている再開発について解説します。

「赤坂二・六丁目地区開発計画」とは|事業概要


出典:三菱地所,赤坂エリアの新たなランドマークとなる2棟の建物が2028年に誕生 赤坂二・六丁目地区開発計画 新築工事着手/民間都市再生事業計画に認定,
https://www.mec.co.jp/news/detail/2024/03/13_mec240313_akasaka2-6,参照日2025.7.9

ここからは、「赤坂二・六丁目地区開発計画」の事業概要について見ていきましょう。本事業の事業主である三菱地所・TBSの資料をもとにくわしく解説します。

所在地

出典:地方創生サイト,都市再生特別地区 (赤坂二・六丁目地区)都市計画(素案)の概要,
https://www.chisou.go.jp/tiiki/kokusentoc/tokyoken/tokyotoshisaisei/dai19/siryou12.pdf,参照日2025.7.9

「赤坂二・六丁目地区開発計画」の所在地は、東京都港区赤坂2丁目・6丁目地内です。位置は、東京メトロ千代田線赤坂駅の南側となります。

このエリアは、赤坂駅を中心としてさまざまなエンタメ関連企業が集積する、日本のエンタテイメントの中心地です。現在、街へのアクセスが地下鉄駅に限定されていることから、駅とまちを一体化してまちの回遊性を高めるための再開発が計画されています。

構造・規模

出典:三菱地所,赤坂エリアの新たなランドマークとなる2棟の建物が2028年に誕生 赤坂二・六丁目地区開発計画 新築工事着手/民間都市再生事業計画に認定,
https://www.mec.co.jp/news/detail/2024/03/13_mec240313_akasaka2-6,参照日2025.7.9

本事業で建設予定の建物の構造は、以下をご参照ください。

建物構造
東街区(A工区・赤坂二丁目)鉄骨造、地上40階建て、地下4階、鉄骨鉄筋コンクリート造、塔屋1階建て(高さ約220m)
西街区(B工区・赤坂六丁目)鉄骨造、地上19階建て、地下3階、鉄骨鉄筋コンクリート造、塔屋1階建て(高さ約110m)

赤坂二・六丁目地区開発計画は、東街区、西街区と二つの大型複合ビルを建設するプロジェクトです。西街区にはホテルと劇場、東街区にはオフィスと店舗等が整備されます。

出典:都市整備局,案件名:赤坂二・六丁目地区開発計画,
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/toshiseibi/pdf_kenchiku_keikan_machinami_14_25_01,参照日2025.7.9

赤坂駅周辺は建物のボリュームが大きい地域であることから、東街区・西街区ともに、低層部の曲線ラインによりやわらかさを演出し、周囲への圧迫感を軽減する外観デザインとなっています。

面積

赤坂二・六丁目地区開発計画の主な面積は、下記の通りです。

  • 敷地面積:14,200㎡(4,295.5坪)
  • 建築面積:約9,305㎡(2,814.7625坪)
  • 延床面積:210,000㎡(63,525坪)

竣工日・オープン予定日

竣工日やオープン予定日は、下記を予定しています。

  • 着工日:2024年1月12日
  • 竣工日:2028年10月末(予定)
  • オープン予定:2028年(予定)

ゼネコン|鹿島建設・大林組

赤坂二・六丁目地区開発計画の施工は、東街区を鹿島建設、西街区を大林組が担当します。起工式は2024年3月13日に行われ、ほぼ予定通りに進められています。

設計は三菱地所、観光企画設計社、久米設計となっています。

赤坂二・六丁目地区開発計画のポイント

ここからは、「赤坂二・六丁目地区開発計画」の3つの大きなポイントを見ていきましょう。

①地下鉄駅とまちをつなぐ空間の再整備

出典:地方創生サイト,都市再生特別地区 (赤坂二・六丁目地区)都市計画(素案)の概要,
https://www.chisou.go.jp/tiiki/kokusentoc/tokyoken/tokyotoshisaisei/dai19/siryou12.pdf,参照日2025.7.9

東京メトロ千代田線赤坂駅と地上を接続する動線を整備し、駅とまちを一体的につなぐことが計画されています。具体的には、駅の改良とあわせた地下の動線の再整備を行います。さらに、地上と地下それぞれに重層的に広がる広場を整備し、駅とまちが一体化した空間として整備します。

これにより、赤坂駅南側のバリアフリー化未整備も解消される計画です。地上と地下をわかりやすく行き来できるようにすることで、これまで閉塞的であった赤坂駅が解放感とにぎわいを持つ空間として生まれ変わる予定です。

②エンタテイメント産業拠点の形成

出典:地方創生サイト,都市再生特別地区 (赤坂二・六丁目地区)都市計画(素案)の概要,
https://www.chisou.go.jp/tiiki/kokusentoc/tokyoken/tokyotoshisaisei/dai19/siryou12.pdf,参照日2025.7.9

赤坂二・六丁目地区開発計画では、赤坂エリアを日本のエンタテイメント産業の拠点として形成する予定です。西街区では新たなエンタテイメント発表の場として劇場・ホールの整備を行うほか、海外のエンタテイメント産業関係者の中長期滞在の場としてホテルを開業します。

東街区では、大企業からスタートアップまでさまざまなエンタテイメント関連企業の交流を促進する広場とワークスペースの整備を行います。

③環境インフラの再構築と都市防災機能の強化

出典:地方創生サイト,都市再生特別地区 (赤坂二・六丁目地区)都市計画(素案)の概要,
https://www.chisou.go.jp/tiiki/kokusentoc/tokyoken/tokyotoshisaisei/dai19/siryou12.pdf,参照日2025.7.9

帰宅困難者を受け入れる一時礎滞在施設として、東街区・西街区で合計約650人が一時滞在できる約1,100㎡の空間と防災備蓄倉庫が整備されます。また、赤坂駅エリアで老朽化しているDHC(地域冷暖房)の再整備を行います。

整備内容としては、CGC(コージェネレーションシステム)や太陽光発電などの再生可能エネルギーを利用できるシステムを整備します。さらに、AIを活用したエネルギーシステムを検討しており、CASBEE(建築環境総合性能評価システム)の最高ランクである「Sランク」の取得を目指します。

赤坂二・六丁目地区開発計画周辺の再開発一覧

ここからは、赤坂二・六丁目地区周辺の再開発をご紹介します。

2029年|三田五丁目西地区地区計画

出典:港区議会,三田五丁目西地区地区計画の決定(案)について,
https://gikai2.city.minato.tokyo.jp/voices/GikaiDoc/attach/Nittei/Nt3212_06.pdf,参照日2025.7.9

三田五丁目西地区地区は、東京メトロ白金高輪駅から徒歩5分に位置する地区です。本計画では、住宅・オフィスの高層棟と、住宅・店舗・工場などの低層棟が建設されます。敷地の西側には大きな広場と児童遊園、低層棟にも屋上庭園を整備し、住民のための良好な住環境を形成する計画です。

出典:港区議会,三田五丁目西地区地区計画の決定(案)について,
https://gikai2.city.minato.tokyo.jp/voices/GikaiDoc/attach/Nittei/Nt3212_06.pdf,参照日2025.7.9

本計画は2026年着工、2030年の竣工を予定しています。設計はコンサルタントとしてINA新建築研究所が担当します。事業協力者は住友不動産となっています。

2030年|六本木五丁目西地区都市計画

出典:地方創生サイト,都市再生特別地区(六本木五丁目西地区)
都市計画(素案)の概要,
https://www.chisou.go.jp/tiiki/kokusentoc/tokyoken/tokyotoshisaisei/dai26/siryou8.pdf,参照日2025.7.9

六本木五丁目西地区都市計画は、六本木駅東側に位置する約10.1haの再開発です。大型複合ビル2棟と、低層棟3棟が建設されます。地下鉄の接続通路と計画地を接続することで、歩行者の安全性を確保する計画です。縦動線としては、地上2階、地下2階からなる「駅まち広場」を新たに整備し、開放性のある新たな拠点として活用します。

出典:地方創生サイト,都市再生特別地区(六本木五丁目西地区)
都市計画(素案)の概要,
https://www.chisou.go.jp/tiiki/kokusentoc/tokyoken/tokyotoshisaisei/dai26/siryou8.pdf,参照日2025.7.9

高層タワーのA街区には、国際競争力強化のためのホールや宿泊施設が整備される予定です。環境への取り組みとしては、計画地の広大な敷地を緑豊かなオープンスペースとして活用します。

本計画の着工は2025年、竣工は2030年の予定です。事業協力者は森ビルと住友不動産です。

2040年|有楽町・銀座・新橋周辺地区地区計画(東京高速道路(KK線)再生プロジェクト)

出典:港区議会,有楽町・銀座・新橋周辺地区地区計画の変更(案)について,
https://gikai2.city.minato.tokyo.jp/voices/GikaiDoc/attach/Nittei/Nt3304_07.pdf,参照日2025.7.9

有楽町・銀座・新橋周辺地区地区計画は、東京高速道路(KK線)を歩行者のための広場として整備する計画です。本計画では、全長約2kmの高架道路を既存のデッキと接続し、南は浜松町、北は日本橋までをつなぐ広域的な歩行者ネットワークを形成します。

出典:港区議会,有楽町・銀座・新橋周辺地区地区計画の変更(案)について,
https://gikai2.city.minato.tokyo.jp/voices/GikaiDoc/attach/Nittei/Nt3304_07.pdf,参照日2025.7.9

縦動線として階段やエレベーターを整備し、駅からのアクセスや地下の歩行者空間と接続します。有楽町駅や築地市場跡地など、周辺のまちづくり計画もあわせて検討されています。

本計画は2026年の着工を予定しており、竣工は2040年代となっています。開発事業主体は、現在の施設所有者である東京高速道路株式会社です。

まとめ

赤坂エリアは日本のエンタテイメント産業の拠点として、国際競争力の強化が求められている地域です。赤坂二・六丁目地区開発計画によって、国内外への発信力が向上することが期待されています。2027年の完成後に赤坂エリアと日本のエンタメ産業がどう変化していくのか、今後の展開に注目していきましょう。