物流と情流を包含する経験と知見に基づき「BuildApp内装建材数量・手配サービス」を提供

野原グループでは、施工プロセスにおける内装工事向けサービスである「BuildApp内装」の新サービス第一弾として「BuildApp内装建材数量・手配サービス」の商用提供を開始した。

建材の総合商社としてリアルな「物」流と、それに付帯するデジタルな「情」流を包含するサービスを提供する経験と知見に基づき、施工BIMを積極的に展開しているが、より現況に即した実利を追求するべく内装BIMともいえる領域である「BuildApp内装建材数量・手配サービス」を提供する。ここでは施工BIM検証の第四回として報告する。

内装施工計画における時間短縮と資材管理で内装工事会社の資材発注などの業務を効率化 

「BuildApp内装建材数量・手配サービス」は、BIMを用いた内装施工計画における時間短縮価値を提供し、無駄を省いた資材管理で内装工事会社の資材発注などの業務を効率化する。対象とする建材は、壁工事に関わる石膏ボードと軽量鉄骨下地材(LGS: Light Gauge Steel)から開始する。

具体的には、施工計画に必要な情報を集約、資料作成業務の手間を削減し、2次元図面を始めとしたPDF +Excelデータでの出力が可能となっている。合わせてスマートフォンで実測値を入力できるので、その後は「BuildApp内装建材数量・手配サービス」のBIM モデル上で、建材数量や加工寸法などの集計によって壁高さなどの現場実測値と図面情報の照合・集計が容易となる。今後とも、より多くの企業がより高い生産性を実現できるよう「BuildApp内装建材数量・手配サービス」を通じて継続的に支援していく。

◇サービス提供サイト
https://build-app.jp/

◇問い合わせ先
https://build-app.jp/contact/

内装仕上工事プロセスを情報マネジメントの観点から変革する「BuildApp内装」を積極展開


野原グループでは、「建設DXで、社会を変えていく」ことを目的として建設プロジェクトのデータマネジメントサービスである「BuildApp」の各種サービス群を開発し、大手・中堅ゼネコンとの実証実験を通じて改良を重ねてきた。

「BuildApp内装」は、内装仕上工事プロセスを情報マネジメントの観点から変革し、生産性向上をサポートするサービスの総称であり、内装仕上工事の基本設計~施工において内装BIMデータを活用し、各種建材の拾い業務の自動化や工事に必要な情報の一括管理を実現する複数のサービスから構成されている。

「BuildApp内装」の中でも重要な役割を果たす「BuildApp内装建材数量・手配サービス」は、建材発注数量の算出や施工情報の自動アウトプットができる内装仕上工事向けのサービスとしてBIMで内装施工計画の時間価値を提供し、無駄を省いた効率的な資材管理を実現する。

内装仕上工事におけるプロセス変革のイメージ

働き方改革への対応・技能労働者の高齢化が顕著な建設産業における諸課題の解決を志向

「BuildApp内装建材数量・手配サービス」を取り巻く諸事情について概説する。第一に背景には、政府が2023年5月に発表した「建設生産・管理システムの DX のためのデータマネジメントの取組方針(案)」がある。そこでは、データマネジメントの目途として建設生産・管理システムの各プロセスで生産されるデータを他のプロセスで活用し、生産性向上や品質確保を実現すると言及している。

2024年4月から開始された時間外労働の上限規制、いわゆる2024年問題、働き方改革も建設産業内の主たる課題となっている。それによって、労働時間は制限され、職人の確保 は一層難しくなっているし、人件費も高騰、資材高もあいまって建設費用が高止まり傾向にある。

加えて、団塊の世代が75歳以上を迎え、大量退職が現実となる。このように、建設技能労働者の高齢化が顕著な建設産業においては、それに伴う労働力不足、「2025年問題」も待ち構えている。更に、新規入職者の採用難も続いており、従来手法・プロセスを踏襲するだけでは、建設需要に見合った供給力の維持さえもが困難となりつつある。

内装仕上工事を巡る課題も顕在化している。

従来から、内装仕上工事は、工期終盤の専門工事であり、全体工期厳守のためのリカバリーとしての工期短縮や突貫工事など前工程遅延のしわ寄せを受けやすい。内装仕上工事会社は中小企業が多いため、従来業務への対 応で余裕がなく、資金や人材の不足も加わり、デジタル化やBIM 対応ができる企業は少ないといわれている。

それらの複合的な課題からも、従来手法・プロセスの見直しや省人化の取組みが急務となっている。

ブラックボックス化していた「数量」をBIMから短時間で取得+正確な建材発注数量を算出

「BuildApp内装建材数量・手配サービス」の優位性を概説する。
内装工事においてブラックボックス化していた「数量」をBIMモデルから短時間で取得できる。これによって、当初、対象とする壁工事における石膏ボードと軽量鉄骨下地材に関わる正確な建材発注数量を算出することが可能となる。

施工計画に必要な情報を集約しアウトプットできる。具体的には、施工計画に必要な情報を集約し、2次元図面を始めとしてPDF、EXCELデータとしてアウトプットできる。これによって建材数量の拾いや資料作成の手間を大幅に削減することが可能だ。実際に、壁仕様図、建材の発注数量、割付方針図、揚重・間配り計画表の4種類の資料が入手できる。

壁仕様図による実測ポイントの図示+実測からの建材発注数量拾いを反映する実測支援ツールと建材の間配りや運搬の効率を考慮したプレカット建材納材で、更なる業務効率化を実現する。

内装仕上工事におけるプロセス変革のイメージ

内装仕上工事分野の検討・開発の加速+建設プロジェクトにおける資材管理の最適化を支援

「BuildApp内装建材数量・手配サービス」導入により、最も期待できる効果は、内装工事自体とサプライチェーン全体のプロセス改革である。
内装工事会社では、2次元図面から部屋の面積や材料の種類、数量などを手拾いして積算・発注しているが、それらが段取り業務として、工事管理担当者の業務全体の3分の1を占めていた。「BuildApp 内装建材数量・手配サービス」が段取り業務を代行することで、工事会社における建材準備などの「業務負荷削減」と正確な資材管理による「現場計画の最適化」を実現できる。

サプライチェーン全体への影響については、元請けゼネコンにおける施工BIM 活用の最終ステップである内装仕上工事分野の検討・開発の加速と、建設プロジェクトにおける資材管理の最適化をサポートすることが可能だ。

野原グループでは、建材総合商社としての強みであるハブ機能、内装仕上工事とサプライチェーンに関する知見を生かして、情報マネジメントの観点から「建築プロジェクトでBIM化が遅れている内装仕上工事」を変革する第一歩を踏み出した。今夏には、「BuildApp内装建材数量・手配サービス」の第2弾として追加のサービスを商用提供する予定で、合わせて「BuildApp」としては、今後、建具工事や躯体工事など他工種向けのサービス群の拡充を予定している。

「BuildApp内装建材数量・手配サービス」の仕組み