大阪IR開業決定|いつ完成?カジノのメリットは?参画ゼネコンも紹介
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「大阪IR」についてピックアップします。カジノを含む統合型リゾートは日本初の試みで、大きな経済効果や観光客の誘致が期待されています。本記事では大阪IRの概要や、工事に着手しているゼネコンの動きについてご紹介していきます。
大阪IRとは|いつ開業?
大阪IRとは、大阪IR株式会社が設置・運営を行う統合型リゾート計画のことを指します。このプロジェクトは大阪湾の人工島である「夢洲(ゆめしま)」で展開され、国際会議場、ホテル、カジノなどが含まれた大規模な観光施設として期待されています。
大阪市はこの計画を通じて、経済効果や雇用創出につなげることを目指しています。大阪IRの開業予定時期は、2030年秋頃の予定です。
大阪IRの完成予定図
大阪IRの完成予定図は、上図のようになっています。民間ならではの自由な発想で、ビジネス客やファミリー層など幅広い層が昼夜を問わず楽しめる魅力ある施設と質の高いサービスが提供される予定です。
大阪府や大阪市が運営すると誤解されがちですが、民間事業者であるIR事業者が整備や運営を行います。大阪IRの実現を契機にして、夢洲をベイエリアの新たなにぎわいの拠点という有効な資産に作り変えていきます。
カジノとは
大阪IRには、日本初の「カジノ」が含まれるのが目玉となっています。カジノとは主に賭け事を楽しむための施設で、スロットマシンやカードゲーム、ルーレットなどが行われています。
特にラスベガスやマカオなどでは、観光地として経済の面でも中心的な役割を果たしています。日本では、大阪に初めて統合型リゾート(IR)の一環として設置される予定で、観光振興と地域経済の活性化を目指しています。
大阪IRのメリット
ここでは、大阪IRのメリットについてご紹介します。
観光による経済効果
大阪IRでは、多くの観光客の誘致による地域の消費拡大が期待されます。IRにはカジノ、ホテル、国際会議場などが含まれ、年間約2,000万人(国内約1,400万人、国外約600万人)の来場者が見込まれています。
そして事業全体の売上は、約5,200億円(カジノ事業:約4,200億円、非カジノ事業:約1,000億円)となる見込みです。
雇用の創出
大阪IRプロジェクトでは施設の建設や運営に関わる多くの職種が必要となり、約15,000人の直接的な雇用が生まれるとされています。また観光客の増加によって、周辺地域でも飲食業や小売業などの間接的な雇用機会が増加し、経済全体にポジティブな影響を与えることが期待されています。
税収益の増加
大阪IRのもう一つのメリットは、税収の増加です。大阪府の試算では、700億円/年の収入が見込めるとされています(うち納付金収入:570億円/年、入場料収入:130億円/年)。
このように観光業の拡大に伴って消費税や法人税などの各種税収が増加し、地域の財政に大きな貢献をもたらすことが期待されているのです。
大阪IRのデメリット・課題
ここでは、大阪IRで指摘されているデメリットや課題についてご紹介します。カジノを含む施設は日本初となることから、まだ法整備が追い付いていない部分も多いです。
大阪・関西万博に間に合わない
当初、2025年開催の大阪・関西万博と同時に大阪IRが開業されるプランも検討されていました。しかし各事業者との協議が難航したことから断念されたという経緯があります。
IRの開業は2030年秋を予定しており、万博に合わせて観光客を呼び込むタイミングには間に合いません。これにより、経済効果を最大限に活用できなくなってしまう点が課題となっています。
土壌の液状化対策が必要
大阪IRの建設地である夢洲は、土壌の液状化対策が必要な地域です。大阪市は、この問題を解決するために約255億円をかけて土地の改良工事を行う計画を決定しています。
液状化対策を適切に実施しなければ将来的な安全性に影響を与え、施設の安定した運営に支障をきたす可能性があるため、重要な課題となっています。
ギャンブル依存症対策が課題
カジノを含むIRの導入は、依存症リスクの増加が懸念されています。依存症防止のため、入場制限やカウンセリングなどの対策が計画されています。
具体的には「7日間で3回、28日間で10回」といった入場制限を行うほか、マイナンバーカードを利用した入場規制も実施されます。しかし依存症の発生を完全に防ぐのは難しく、社会的な問題への対応が求められています。
大阪IRの工事状況|ゼネコンが活躍
ここでは、大阪IRの工事に携わっているゼネコンについてご紹介します。埋立地での工事であることから、技術力の高さが求められています。
竹中工務店・大林組・大成建設|液状化対策工事
竹中工務店・大林組・大成建設は、2023年12月より液状化対策工事に着手しています。対策工法はセメント系固化工法で、約21ha(建物直下)の面積が対象です。概算額は約255億円となっています。
今後2027年度末頃まで、地中障害物撤去や土壌汚染対策工事が行われる予定です。ただし工事状況によっては、1~2年程度後ろ倒しとなる可能性もあります。
まとめ
大阪IRは、日本で初めてのカジノを含む施設として注目が高まっています。工事の遅れの問題等が懸念されていますが、ゼネコンの技術力によって2030年の開業実現が期待されています。