建設業界人気衰退の原因は生産性の向上!? DXで人気を呼び戻せるか【PR】

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施工管理アプリ、墨出しロボット、ドローンを使った測量…、他業界と同様、建設業界でもこうしたテック関連の話題には事欠かない。それでも、業界関係者の間には「建設DXはなかなか進まない」という危機感が根強いという。

「建設DXを実現しなければという意識はあるのに、現実にはなかなか進まないことには理由がある」と語るのは、『建設DXで未来を変える』を上梓した野原グループ株式会社 代表取締役社長 野原弘輔氏だ。同書では、各界の有識者との対談を通じて、建設産業・DXの課題を掘り下げるとともに、DXを進めることによって広がる可能性と魅力、将来性を説く。

本稿ではその第一章「日本の建設産業、これまでとこれから」から、芝浦工業大学建築学部・蟹澤宏剛教授、志手一哉教授との対談の一部をお伝えする。



かつて建設産業の魅力に引き寄せられ多くの人々が集ってきた

「確かに建設現場の職人は、昔は稼げる仕事の代表でした。稼げる仕事とは何かと言えば、一般論として『付加価値が高い仕事』になります。言い方を変えると、ごく一般の人ではできず『この人でなければできない』仕事です。
自ずと、知識や頭脳、あるいは人並み外れた体力を持つ人が担う仕事になります。建設現場の仕事はまさにそれでした。『頭』と『体』と『人』を存分に使って、大きな成果を出す仕事ですから、当然極めて稼げる仕事だったわけです」(蟹澤)

業界の人気衰退の理由は、機械化や分業化で生産性が上がったこと?

「高度経済成長期(1955~1973年)になって、建設現場に重機が入ってきたことは大きな変化でした。肉体を酷使する必要性はなくなり、生産性は大幅に上がりました。しかし、現場の大きな付加価値のひとつだった『体』を使う仕事が機械に置き換えられたわけですから、職業としての付加価値が下がったとも言えます。機械化や分業化で現場の生産性は上がりますが、現場で働く人のものをつくる面白さというか、やりがいは減っていってしまったのかもしれません。この『やりがいの喪失』も業界の人気を衰退させた大きな要因のひとつでしょう」(蟹澤)

DXは、建設産業を照らすのか

「これまで元請け、下請けなど重層的に重なり、小さな会社や一人ひとりの存在は、その下に隠れていました。壁の下地の人と、ボードの人とクロスの人が違うとか、コンセントの配線をする人とコンセントカバーをつける人が違うとか」
「BIMをはじめ、デジタル化によって、そうした一人ひとりに光があたるようになると思います。役割や能力もはっきりと評価できるようになり、川上から川下まで、建設産業で働く人はやりがいを感じられるようになるはずです」(蟹澤)

「これまでの新技術ありきの導入ではなく、現場のため、といった視点での普及が期待されます」
「ただ、どれだけDXが進んでも、AIが高度化しても、恐らく建設産業は、いい意味でも悪い意味でも労働集約的な産業なので、人間の仕事はなくならない。ベーシックな知識はみんなで共有しなければいけない。これまでの建設産業は、それが弱かったと思います。要はOJTに頼りすぎて、会社の常識は知っているが、建設産業の常識は知りませんでしたということになっている。DXは、会社の垣根を限りなく低くしていくので、本質的に必要な知識を身に付けることが重要になってきます。それができた人が輝く、そんな世界になるでしょう」(志手)

(本記事は『建設DXで未来を変える』(マイナビ出版)の一部を元に編集・調整・加筆した原稿です)

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