三菱地所設計、2万㎡超の高層テナントオフィスビルで 全国初のNearly ZEB認証を取得

株式会社北國フィナンシャルホールディングス、株式会社三菱地所設計は、2025年7月の竣工を目指し、石川県金沢市にて建設が進むオフィスビル「Hirooka Terrace」(以下、本施設)が、建築物省エネ法に基づく第三者認証制度である「BELS」認定の最高評価(5つ星)ならびに「Nearly ZEB」を取得しましたのでお知らせします。

年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの建築物に与えられる『ZEB』の、次点評価である「Nearly ZEB」は、一次エネルギー消費量を75%以下まで削減した建物に与えられるもので、本施設の高い環境性能を実証するものとなります。

地域経済の発展に取り組んできた北國銀行本店に隣接する本施設では、人と人が交流し、新たな会話からビジネスが生まれ、入居企業が成長を遂げていく、まちに開かれた止まり木のような場所を目指し、最適な環境づくりを行います。

全国初となるNearly ZEB化を達成した20,000㎡超の高層テナントオフィスビルとして、持続可能な社会の推進に寄与してまいります。

竣工イメージ。「Hirooka Terrace」(右)と「北國銀行本店」(左:2014年竣工、設計監理:三菱地所設計)。

「Hirooka Terrace」における環境性能向上のポイント 

けやき大通りに面して半屋外空間「ケヤキテラス・モクテラス」を配置し、緑豊かな周辺環境への眺望を確保するとともに、オフィス専有部への日射遮蔽の役割を果たすことで、高性能外装との組み合わせにより空調への依存度を低減します。

また、地下水を利用した熱源システムをはじめとする高効率設備を計画することで徹底した省エネルギー対策を講じ、屋上などに集中配置した太陽光発電設備での創エネルギーにより、建物全体で「Nearly ZEB」を取得しました。

「けやき大通り」沿いからのイメージ。手前に「北國銀行本店」。けやき大通りに面するテラスが「庇」として機能し環境性能の向上に寄与。

環境配慮×交流空間が「地域の未来を明るく照らす」Hirooka Terraceをつくります

環境性能の向上に大きく寄与する「ケヤキテラス・モクテラス」は、入居テナントや地域の方々のための交流スペースとして機能します。また各階に設けられたラウンジや低層部に広がる交流空間、13階のスカイテラスなど、建物各部に交流を促す多様な居場所を計画しています。

北國銀行の企業理念「豊かな明日へ、信頼の架け橋を ~ふれあいの輪を拡げ、地域とともに豊かな未来を築きます~ 」を追求した産業創出拠点として『地域の未来を明るく照らす』、「Hirooka Terrace」を目指してまいります。

高層階モクテラスイメージ

低層階ケヤキテラスイメージ

過去最大規模の「MIデッキ」導入で石川県産材の木材を積極的に利用

三菱地所グループを含む7社※が設立したMEC Industry株式会社(本社:鹿児島県姶良郡湧水町)が開発した配筋付型枠製材「MIデッキ」を過去最大規模で用います。鉄筋と木(もく)が一体化された型枠により、天井の内装仕上げに石川県産材を採用するなど、サステナビリティ推進として地域の木材産業の活性化に繋がる取り組みを行います。

基準階オフィスフロア

シェアオフィス(4階)共有ラウンジ…上階のコンクリート床の裏面に「MIデッキ」を使用。型枠がそのまま仕上げとなり、天井材なしで美観を確保できることから、天井高さも高くなり、快適性の向上に寄与します。

※MEC Industry株式会社は、三菱地所株式会社・株式会社竹中工務店・大豊建設株式会社・松尾建設株式会社・南国殖産株式会社・ケンテック株式会社・山佐木材株式会社が2020年に設立した総合木材会社です。

木を用いた建材の原料仕入れ・製造から加工・販売までを一気通貫で行います。三菱地所設計は、三菱地所グループの一員として、積極的に同社への技術支援を実施しています。

建築概要   

建物名称:Hirooka Terrace

所在地:石川県金沢市広岡2丁目12番6号

用途:事務所、自動車車庫、駐輪場

建築主:株式会社北國銀行

設計監理:株式会社三菱地所設計

施工:清水建設株式会社(建築)、米沢電気工事株式会社(電気)、第一電機工業株式会社(電気)、株式会社柿本商会(空調・衛生)、北菱電興株式会社(昇降機)

敷地面積:7,937.42 ㎡

階  数:地上13階(塔屋1階)

建築面積:2,940.88 ㎡

構造形式:地下:RC造 地上:S造(一部CFT造)

延床面積:21,446.68 ㎡

竣工:2025年7月(予定)

取得認証:BELS認証 ★5(Nearly ZEB)

※リリース中の情報は2023年10月段階のものです。今後の計画に応じて変更となる場合がありますのでご了承ください。

※「Nearly ZEB」取得については、一般社団法人 住宅性能評価・表示協会の公開データに基づく当社調査によるものです。

企業プロフィール

建築主:北國フィナンシャルホールディングス
北國銀行は1943年に設立以来、地域の皆さまに愛される銀行を目指して活動しています。2021年10月には北國銀行を含めた11社を子会社とする北國フィナンシャルホールディングスを設立。従来型の銀行経営から脱却し「次世代版地域総合会社」としてコンサルティング会社等を設立するなど、新たなイノベーション創出に向けて取り組んでいます。

設計監理:三菱地所設計

1890年の創業以来、東京都千代田区丸の内に拠点を構え、都市計画から建築設計、企画・コンサルティング、リノベーション、コンストラクションマネジメントなど、拡張する活動領域に130年を超える技術の蓄積やネットワークで向き合う、日本で最も歴史ある組織設計事務所です。東アジア・東南アジア全般にて、多様な業務を展開しています。

関連施設のご案内

北國銀行本店(竣工:2014年) 設計:三菱地所設計

 石川県金沢市に本店を置く地方銀行の本店ビル。金沢の歴史や風土を継承し、地域に親しまれる「まちの広間」を目指し、北陸の自然環境を踏まえた採光・換気や井戸水の積極的な利用により熱負荷の低減を図りました。

地元産のスギを用いたインテリアや輪島塗のベンチ、二俣和紙を用いたサインなど「地産地消」にこだわり、地域の素材を身近に感じられる建物となっています。2016年に、第27回北陸建築文化賞作品賞を受賞しました。