【建設DX展 独自取材④】安藤ハザマ、DXでゼネコンの建設マネジメントを「かえる」|異業種とのコラボ
2021年12月6日〜8日に行われた建設DX展にて独自取材を行いました。建設DXの生の声を全8回の連載にてお届けします。
第4回目は、安藤ハザマのブースをご紹介します。建築の安藤建設と、土木に定評のあるハザマが2013年に合併して誕生した企業です。インフラや大規模建設を多く手掛け、時代のニーズを形にしています。
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ゼネコンの建設マネジメントを異業種とのDXコラボで「かえる」
AIナレッジベース、気象危険予知、建材選定
株式会社安藤・間(安藤ハザマ)
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目次
ゼネコンのマネジメントをかえる
IT企業とのコラボレーション
ゼネコンの安藤ハザマのブースはIT企業との連名での出展でした。
「ありきたりの展示ではなく、ゼネコンだがソフトウエア技術をPRする場にしました」と出展の経緯を安藤ハザマの黒台昌弘 先端・環境研究部長は語りました。
従来からの取り組みであるIT企業とのコラボレーションから3つをセレクトしたといいます。ブースでは建設マネジメントを「かえる」をテーマに、コラボレーション3社(ユニアデックス株式会社、株式会社ライフビジネスウェザー、株式会社トラス)との取り組みが紹介されていました。いずれも社内の業務改善から生まれたものだといいます。
人工知能が施工管理をかえる
建設AIナレッジベース
ゼネコンや建設業において膨大な量となる報告書や過去事例などの文書情報。これらはワード、エクセル、PDFファイルとして、社内のサーバやデータベースに保存されるだけのケースが多くあります。蓄積された情報が活用されない課題の解決として、安藤ハザマはユニアデックス社のAI技術を活用しました。AIで文書を自然言語処理・自動分類・スコアリングすることで、誰もが容易に利用できるシステム(建設AIナレッジベース)を構築したのです。
根本思想は技術伝承とリスクマネジメント
「AIナレッジベースによって先輩の成功や失敗が後輩に受け継がれる。同じような不具合を未然に防ぐことができます。根本の思想は技術伝承とリスクマネジメント」開発から5年が経ち、社内では定着してきたこのタイミングで、社外への展開を見据えているということでした。「技術の伝承は建設業のみならず国内の全産業における課題であり、本システムのノウハウは他産業の課題解決に貢献できる技術」と黒台部長は言います。
天気予報で施工管理をかえる
気象×建設データサイエンス
気象情報会社ライフビジネスウェザー社とのコラボレーション。各建設現場にマッチした気象情報を配信するシステムです。1km×1km圏内、最短5分間隔での現場ピンポイント天気予報(KIYOMASA)をはじめとしたコンテンツがあります。今回特に打ち出されていたものが「KKY(気象危険予知)」です。
KKYとは気象ビッグデータと安藤ハザマの過去の労働災害の相関性を分析し、『その日起こりやすい労働災害の予測』を現場に配信するシステムです。予測情報はきわめて具体的で、たとえば、「今日の天候では、『踏み抜き』が起こりやすい。過去、濡れた足場で足を滑らせ、コンクリートに脚をぶつけ受傷した事例がある」まで伝えられます。配信情報は現場のタブレットやスマホ、デジタルサイネージに届き、それをもとに危険予知(KY)活動を進めます。
気象危険予知でKY活動のマンネリを改善
「KKYによりマンネリ化しやすいKY活動に対して具体的で詳細な情報支援が可能になりました」と黒台部長はそのメリットを語りました。すでにこのシステムは安藤ハザマの約200の現場で活用されているとのことです。
建材の「選定」「管理」をかえる
メーカー横断検索と建材の進捗管理
設計者を中心とした建材選定をWEB上で一括管理し改善するシステム。トラス社の「truss」を活用した取り組みです。現状、多くの建材選定は例えば、メーカーカタログ(調査)→仕上表(決定・入力)→メール(伝達)と関係者に共有されるまでに別々の手段を取っています。
建設プロジェクトでは決定事項も多く、変更も度々起こるため、入力ミスや関係者間での認識違いも頻発します。
建材選定のミスを減らす
trussでは、メーカー横断検索(調査)→仕上表と材料表の作成(決定・入力)→クラウド(伝達)を関係者全員で行います。データベースから入力し、リアルタイムに反映されるため、入力や共有に関する課題も解決できるといいます。BIMとの連携も可能。設計者だけなく、施主、積算、現場監督、メーカーなど関係者が正確な情報をリアルタイムに共有できることが特長です。「このシステムも根底は建材選定でのミスを減らす、リスク管理である。」と黒台部長は語りました。
歴史あるゼネコンのDX推進に注目
3つのコラボレーションの共通事項、それはゼネコンとして過去のデータをただ持っているだけでなく、デジタルの力を使ってうまく活用しリスク管理することです。安藤ハザマという歴史あるゼネコンのDX推進に今後が注目されます。
協同出展社 ご紹介
・安藤ハザマ ホームページ https://www.ad-hzm.co.jp/
・ユニアデックス株式会社 ホームページ https://www.uniadex.co.jp/
・株式会社ライフビジネスウェザー ホームページ https://www.lbw.co.jp/
・株式会社トラス ホームページ https://truss.co.jp/