【建設DX展 独自取材➁】AIZAWAが提唱するSYNCWORLD™構想

 2021年12月6日〜8日に行われた建設DX展にて独自取材を行いました。建設DXの生の声を全8回の連載にてお届けします。

第2回目は、建設DX展で入り口近くに大きな展示ブースを構え、注目を集めていた會澤高圧コンクリートのグループ会社、ADAAC株式会社です。
都市空間でデジタルとリアルな男女が交差するイラストが印象的なブースです。
ADAACはオルツ、ハニカムラボと共同開発したSYNCWORLD™ ENGINE(シンクワールドエンジン)とエンジン接続自社開発アプリである建設現場管理アプリとドローン自律運行システムをMR体験できるインタラクティブなどを展示していました。

SYNCWORLD™(シンクワールド)とは?

SYNCWORLD™計画とは、ブロックチェーンを活用した位置情報管理システムにより、リアルとデジタルがリアルタイムに同期する世界を作り上げることです。

フィジカル世界の情報がデジタルツイン化され、デジタル世界に反映される。一方、デジタル世界のAIやネット接続された人間などは、フィジカルツイン化され、ロボットやホログラムを手段としてフィジカルの世界に再現される。違う2つの世界がリアルタイムに重なり、同期し続けるという世界観になります。

画像はアイザワグループリリースより
 https://www.aizawa-group.co.jp/news2021120201/

SYNCWORLD™の特長

「特長はリアルタイムな同期性と位置情報という次元の低いデータをベースにした点」と

ADAAC株式会社CEO 會澤 大志氏は説明しました。

「建設土木分野において『SYNCWORLD™』がどのようなDXを起こせるのか発表したかった。入念な準備をし、DX展に照準を合わせた。弊社が新しい道に挑戦する大きな発表」と位置付けています。

SYNCWORLD™開発の現在地

システムのベースは、株式会社オルツのオリジナルのブロックチェーンです。オルツは全世界の人間のデジタルクローン開発用にブロックチェーンを活用しています。
その思想を元にブロックチェーンを仮想通貨に限らず、都市管理やスマートシティ分野の構築に応用したものがSYNCWORLD™です。現在、ブロックチェーンの基礎開発は完了し、都市管理、スマートシティのシステムへの応用を進めています。

2023年浪江町での実証実験スタート

2023年にADAACは福島県浪江町に福島RDMセンターを建設します。浪江町とも協定を結び、新工場や町を含めたSYNCWORLD™の実証実験をスタートします。福島RDMセンターではそれ以外にも會澤高圧コンクリートの先端テクノロジーの社会実装を進め、より高度なコンクリートマテリアル事業と持続可能社会の実現を目指します。

展示ブースで体感できるSYNCWORLD™

デジタル上のドローンが現実世界を飛ぶ感覚

展示ブースではSYNCWORLD™システムの延長上に計画する建築デジタルクローンの世界やエンジン直駆動産業用ドローンの実機が展示されていました。ビルの間を縫うようにMRのドローンが飛行します。デジタル上でビルを避けると現実のドローンも展示ブース内のビル模型も避けて飛ぶことができます。ドローンはセンサー感知による衝突回避ではなく、SYNCWORLD™デジタル上で自動作成された衝突回避ルートを自律的に飛行しているのです。デジタル上のドローンが現実世界を飛んでいるような不思議な感覚になります。

建築分野に限らない将来像

SYNCWORLD™を活用し、建設現場をクローン化し管理するアプリの開発など新しい展開を目指します。同時に「SYNCWORLD™は建築分野に限らず、自動運転、小売り、ファッション業界などあらゆる分野での展開が可能。」と會澤氏は将来像を語りました。

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