【連載】「Modely」開発背景から考える建設DX(第3回)Modelyのメリットや導入の決め手紹介

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著者:川北 美穂

連載企画「『Modely』開発背景から考える建設DX」では、DataLabs社のメンバーが今の建築業界の課題を通して、「Modely」の開発に至った経緯やデジタル化の必要性を語っています。

第3回目は、DataLabs株式会社 SaaS営業統括本部マネージャー川北氏による「Modelyのメリットや評価ポイントの紹介」です。建設現場施工管理に携わる建設プレイヤーの方々は、先端技術を活用した業務効率化に役立つICTツールのキャッチアップにお役立てください。

第1回:【連載】「Modely」開発背景から考える建設DX(第1回)今の建設業界の状況と理想的な未来

第2回:【連載】「Modely」開発背景から考える建設DX(第2回)開発秘話と競合製品にない魅力

Modelyとは|現場監督の負担軽減ツール

DataLabs株式会社は、点群データの自動モデリングツール「Modely(モデリー)」の製品版の提供を4月10日から開始いたしました

Modelyは、iPad Pro1台でスキャンするだけで「配筋検査を現場で1人で完結できる」サービスです。主に工事元請けの立場で施工管理業務を行っている「現場監督」の方に使っていただきたいと考えています。

「現場の負担」は建設業の課題

現場監督の方々は日々膨大な業務をこなされているわけですが、中でも「配筋検査」には多大な手間がかかっています。2回目の連載記事にもあるように、配筋検査には「マーカー設置等の事前準備、対象箇所の計測、発注者の立会い確認、および小黒板と共に写真撮影」といった多くの工程が含まれる点が負担と考えられます。さらには「検査後に事務所へ戻ってから帳票や写真を整理する」という事務作業も発生します。

このような検査が必要な配筋は現場に多く存在し、現場監督にとって負担の大きな業務となっています。たとえば橋梁上部工の床版部分の配筋検査では、橋軸方向の配力筋は全幅員検査が義務付けられているため、その本数は「100本近く」になることもあります。

何本も同じような鉄筋が並んでいる中で、本数を確認し、それぞれの鉄筋間距離を計測するのは、気が遠くなるくらい大変な作業であることは、ご想像いただけるかと思います。また大変な作業は、それだけ「ミス」も発生し易くなります。

Modelyをご利用いただくことで配筋検査の負担を軽減し、「他のコア業務への注力」が可能となります。

Modelyの具体的なメリット

Modelyを利用した配筋検査は、下記の点で業務省力化に繋がります。

①事前準備として必要だった、マーカーやスケールの設置が不要になります。

②複数人で行っていた配筋検査を、1人で実施できるようになります。

③鉄筋の本数や鉄筋間距離を、Modelyで生成した3Dモデルから自動で算出することで、計測・確認する手間が減ります。

④発注者にもModely上で対象データ(鉄筋の点群データ、3Dモデル、検査帳票を指します)を確認していただくことで、立会い頻度を減らすことができます。

上記のうち「①事前準備が不要になる点」や「④発注者の立会い頻度を減らせるという点」は、特にご評価いただいているポイントです。

Modelyの3つの評価ポイント紹介

ここでは、実際にModelyの導入を検討されているユーザー様の「評価ポイント」についてご紹介します。

評価ポイント①複雑な配筋に対応できる

今までのデジタル配筋検査ツールの多くは「格子状に組まれたシングル配筋」しか対応できないため、適用できる現場が限られていました。しかし実際の施工現場では多くが「ダブル配筋」であり、色々な鉄筋が複雑に組み合わさった形状をしています。

そういった中で「Modely」なら、シングル配筋だけではなく、ダブル配筋、円柱形状に配列された鉄筋、フープ筋といったあらゆる形状に対応できます。そのため、より多くの現場で活用いただくことが可能です。「複雑な配筋に対応できる」という点はユーザー(候補)様からの問合せが大変多く、導入の決め手となるポイントだと感じます。

評価ポイント②夜間工事の効率アップ

例えば高速道路の橋梁下部工等では「夜間」に工事が行われるケースも多いです。明暗のコントラストが強すぎたり、全体的に薄暗かったりする環境下では、一般的な「写真」を活用したデジタル配筋検査ツールの場合、「精度がバラつく」といった課題がありました。

しかしModelyでは「点群データ」を利用するため、周辺環境の照度に検査の精度が影響されにくいというメリットがあります。夜間工事などが想定される現場などでは、特に導入の決め手となるポイントです。

評価ポイント③点群データ

Modelyでは点群データを利用しているため「奥行方向の計測」も得意です。単純な鉄筋本数とピッチだけではなく、型枠と鉄筋間の最小距離(かぶり厚)も計測できます(※ただし、型枠が設置されているという条件の下)。

この機能は型枠と鉄筋間の距離以外にも応用できる余地があり、今後Modelyのユースケースを増やしていく中で、導入の決め手になっていくと考えています。これらの点は、画像をインプットデータとして使う競合製品ではできない「点群データをインプットデータとして利用」するModelyならではのメリットとして、ご評価いただいています。

今後の展望

Modelyは配筋検査を省力化するだけではなく、「生成した3Dモデルを保存してCADとして出力」することが可能です。この機能を応用すれば、既設構造物の状態を調査するシーンにおいて「コンクリートを斫った後の鉄筋の状態をモデル化し、現況説明等に活用できる」と考えています。すでに、そのような用途でModelyを使ってみたい、というお声もいただいています。

さらに今後は、調査のために斫ったコンクリートの現状復帰に必要なモルタル等の数量把握ができるような機能開発も予定しています。これによって新設工事の配筋検査だけではなく、既設構造物の維持・補修工事においてもModelyをご利用いただけるシーンを増やしていきたいと考えています。

Modelyについてのお問合せ窓口

詳細な説明や現場デモのご要望がございましたら、下記のいずれかへご連絡ください。

●  コーポレートサイト お問合せフォーム:https://www.datalabs.jp/contact

●  Modely サービスページ お問合せフォーム:https://modely.app/landing/index.html

●  お電話受付け:03-6810-8520(受付時間 9:00~18:00 月曜~金曜)

プレスリリース情報はこちら

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