【限定配信】建設DX:ベンチャー・スタートアップが提供するサービスを中心にPick
2022年10月にBuildApp Newsで掲載した建設DXニュースの注目記事とその理由を株式会社AMDlab(本社:兵庫県神戸市)のCEO 藤井 章弘氏に聞いてみました。
藤井氏は、BIMをはじめとする建設テックに精通した一級建築士の資格を持つ建築構造デザイナー/構造家です。BIMエキスパートの藤井氏が選んだ注目記事を見て、建設DXの最前線のキャッチアップに役立ててみてください。
選定者のプロフィール
藤井 章弘(ふじい あきひろ)氏
株式会社AMDlab CEO 建築情報デザイナー/建築構造デザイナー(一級建築士)
株式会社松田平田設計で構造設計者として経験を積んだ後、一級建築士の松原昌幹氏と2019年にAMDlabを設立。建築を基盤とするアプリケーションやプロダクトの開発、建築設計、教育活動などを行い、機械学習やIoT、VRなど最新テクノロジーを用いて建築業界のDXを推進。
建設用3Dプリンタを用いた公共土木工事でのオンサイトプリンティング、国内初成功|現場の工期短縮
■藤井氏のコメント
歩車道境界の縁石を現地で3Dプリンティングした国内初の公共土木工事での事例です。海外ではさらに進んでおり、3Dプリンタで橋を作るなど、徐々に規模の大きなものの事例が増えてきています。3Dプリンティング技術は、より一層現場で使われる技術になってくると思います。今回の取り組みも、まだ課題はありそうですが、チャレンジングで、土木工事でも確かなメリットがあることを証明しています。
KOLC+「点群タイムライナー」に対応|BIM/CIMモデルによる4Dシミュレーションに点群データを重ねて進捗共有可能に
■藤井氏のコメント
近年、点群データを活用している建設現場は増えてきていますが、KOLC+も現場で点群を活用し、業務効率化を推進するサービスの一つです。今回のプレスでは点群を時系列で表示できる機能が追加されたようです。UI(ユーザー インターフェイス)が直感的で面白いです。KOLC+には他にも帳票の作成やビューアでの指摘事項の共有など、BIM/CIMモデルや点群データを活用できる機能が揃っています。
施工会社向け特注建設部材の調達サービス展開|建設部材調達システム「BALLAS」正式リリース
■藤井氏のコメント
サービスを提供している株式会社BALLASは、今年2022年に設立した注目のスタートアップです。設立3か月で既に1億円の調達を行っています。建設現場の業務効率化には多様な切り口がありますが、特注の建設部材の調達に注目したのが、このサービスです。会社設立から勢いがあるので、システムで対応できる部材の範囲拡大や便利な機能の追加など、今後さらに成長していくと思われます。
アンドパッド、海外投資家等より総額約122億円の資金調達|「ANDPAD Second Act」も公表
■藤井氏のコメント
建設業界で最も勢いのあるスタートアップであるANDPADが、さらに資金調達を行うことで、累計資金調達額が約209億円になりました。近年国内のエンジニア獲得が徐々に難しくなってきており、海外に視野を向ける企業もたくさんありますが、ANDPADもベトナムに現地法人を設けて開発体制を強化していくようです。人材育成の強化や買収・出資等も予定されています。「ANDPAD Second Act」と称した、戦略的な投資領域に関する基本方針も示されており、他の追随を許さない建設スタートアップの地位を確立していっています。
まとめ
建設業界ではDX推進が喫緊の課題となっています。こうした背景から近年、大手ゼネコンやシステムインテグレータ、コンサルティングファームなど様々な企業が、ワークフローの改善や煩雑なアナログ業務を効率化・省人化する画期的なソリューションやサービスを提供しています。ベンチャー・スタートアップも例外ではありません。
今回藤井氏が選んだ建設DXニュースは、すべてベンチャー・スタートアップが提供する建設DXを推進するソリューションやサービスです。それらの多くは、クラウドで提供しているため高額な初期費用を必要としません。加えて専門知識のないユーザーでも簡単に操作できます。
高額な初期費用や従業員の教育コストをかけずに建設DXを推進するソリューション・サービスを探している企業は、藤井氏が紹介した企業に相談してみてはいかがでしょうか。