【メルマガ限定配信】スーゼネを追え!鹿島建設編

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スーゼネ

スーゼネを追え!では、スーパーゼネコンのDX関連ニュースを各社毎にピックアップしてお届けします。

今回追いかけるスーパーゼネコンは… 鹿島建設 さんです!

BIM / DX関連pickupニュース】

  • 2024.5.9 CO2吸収コンクリートに新たなグレードを設定し、大型PCa製品を開発
  • 2024.4.25 国内初!現場製造式爆薬によるトンネル全断面発破を実現
  • 2024.4.19 CO2吸収・固定型コンクリート専用の製造実証プラントを建設、運用開始
  • 2024.4.4. 風量測定業務を約6割削減する「Air-vo(TM)」(エアボ)を開発
  • 2024.3.28 成瀬ダムで試験要員を9割削減しつつ、CSG材全量の品質管理を実現!

CO2吸収コンクリートに新たなグレードを設定し、大型PCa製品を開発

編集部コメント

鹿島は、CO2排出量をゼロ以下にするカーボンネガティブコンクリート「CO2-SUICOM」の普及を目指し、そのグレード設定や新製品開発を行っています。これにより、従来の小型製品にとどまらず、大型製品も利用可能になり、インフラ建設市場での採用が見込まれます。CO2-SUICOMは、特殊な混和材と産業副産物でセメントの代わりに使い、CO2を吸収・固定します。

今回の開発では、カーボン低減型のCO2-SUICOM(E)を採用し、大型製品の製造性やコストを考慮した設計が行われました。また、鉄筋を有機系繊維で代替するなど、環境への配慮も行われました。大型PCa製品の製造性も確認され、今後は実際の工事に導入し、CO2削減効果を最大化していく予定です。

国内初!現場製造式爆薬によるトンネル全断面発破を実現

編集部コメント

鹿島は、次世代の山岳トンネル自動化施工システム「A⁴CSEL for Tunnel」の開発に着手しました。このシステムでは、山岳トンネル工事を6つのステップに分け、各ステップで使用される機械を自動化し、一元管理することで生産性と安全性を向上させることを目指しています。その一環として、装薬作業の自動化を進めるため、「バルクエマルション爆薬」の導入を実現しました。

これは、火薬化を施す前に岩盤面の孔内に装填する新しい爆薬であり、装薬作業の自動化における重要な一歩です。この爆薬は、安全性が高く、装填データの管理や様々な岩盤条件に対応することが可能であり、今後の装薬・発破作業の効率化に貢献すると期待されています。

鹿島は、「バルクエマルション爆薬」を用いた装薬作業の安全性と効率化を目指し、技術開発を進めています。また、山岳トンネル工事全体の省人化と安全性向上に寄与するため、6つの施工ステップの自動化に向けた取り組みも積極的に行っています。これにより、より安全で効率的な山岳トンネル工事が実現し、建設業界全体の課題に対する解決策として貢献することが期待されます。

CO2吸収・固定型コンクリート専用の製造実証プラントを建設、運用開始

編集部コメント

NEDOのグリーンイノベーション基金事業における「CO2を用いたコンクリート等製造技術開発プロジェクト」では、鹿島建設を中心とするCUCOのコンソーシアムが、カーボンネガティブコンクリートの開発を進めています。

このプロジェクトの一環として、カーボンネガティブコンクリートの実証を目指し、専用の製造プラントを兵庫県加西市に建設しました。このプラントは、CO2排出量を正確に把握し、CO2の削減に貢献する技術開発を可能にする設備を備えています。

実証プラントの設置には、カーボンネガティブコンクリートの研究開発における課題解決と実装のための背景があります。このプラントは、様々な材料を用いたコンクリートの試験製造を容易にし、製造プロセスでのCO2排出量を測定・管理することが可能です。

また、2024年からは製造時の電力消費量の把握と低減策の検討が始まり、これにより一般的なコンクリート工場における技術応用が期待されます。CUCOは今後も、革新的なカーボンネガティブコンクリートの社会実装に向けて積極的な研究開発を進め、2050年までのカーボンニュートラル社会の実現に向けて貢献していきます。

風量測定業務を約6割削減する「Air-vo(TM)」(エアボ)を開発

編集部コメント

鹿島が開発した風量測定ロボット「Air-vo」は、建設現場での風量測定業務を効率化する革新的な技術です。従来の手動測定作業に比べて、Air-voは全自動かつ高精度に風量測定を行い、測定箇所の登録や測定ルートの設定から帳票の出力までを自動化します。これにより、風量測定業務を約60%削減できることが実証されました。この革新的な技術は、建設業界全体の生産性向上に寄与するだけでなく、技能者不足による業務負担の軽減にも役立つでしょう。

Air-voの特長は多岐にわたります。現場での測定箇所登録が不要であり、高精度な位置合わせ機能や自動/半自動測定に対応しています。また、測定結果を自動で帳票化するため、データの記録と管理が容易です。さらに、運搬が容易なサイズや重量も特徴の一つであり、現場での使用に適した設計となっています。今後は、Air-voの普及と機能の改善を進めることで、建設業界の効率化と働き方改革の推進に寄与していきます。

成瀬ダムで試験要員を9割削減しつつ、CSG材全量の品質管理を実現!

編集部コメント

鹿島が開発した表面水量全量管理システムは、材料品質管理業務の効率化と品質管理の向上に貢献しています。このシステムはAI画像粒度モニタリングシステムと近赤外線水分計を組み合わせ、CSG製造における粒度分布と含水率の監視を実現しました。その結果、従来法に比べて試験業務にかかる人員を大幅に削減しつつ、CSG材の品質を確保できることが示されました。

このシステムの背景には、CSGダム建設における材料品質管理の負担があげられます。従来の手法では時間と人員が多く必要であったが、本システムの導入によりその負担が軽減されました。また、導入された技術はダム工事以外の建設現場にも展開され、品質管理の省力化が進むことが期待されています。

まとめ

鹿島が開発したCO2吸収コンクリートの新グレードと大型PCa製品の開発は、カーボンネガティブコンクリートの普及とインフラ建設市場への貢献を目指しています。この取り組みにより、従来よりも大型製品の利用が可能となり、CO2-SUICOM技術の進化が示されました。同時に、カーボン低減型CO2-SUICOM(E)の開発では製造性やコストを考慮し、環境に配慮した設計が行われました。

成瀬ダム工事におけるCSG材の品質管理システムは、試験要員を9割削減しつつ品質を確保する効果を示しました。このシステムは、CSGダム建設における材料品質管理の負担を軽減し、同時に建設現場全体での品質管理の省力化に貢献することが期待されます。これにより、建設業界全体の効率化が図られるとともに、環境負荷の低減に向けた取り組みが進むことが示唆されます。今後の動向に注目したいですね。