【メルマガ限定配信】スーゼネを追え!鹿島建設編

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スーゼネ

スーゼネを追え!では、スーパーゼネコンのDX関連ニュースを各社毎にピックアップしてお届けします。

今回追いかけるスーパーゼネコンは… 鹿島建設 さんです!

BIM / DX関連pickupニュース】

  • 2023.12.6 複数の生コン工場で発生した戻りコンから再生セメント「Cem R3®」を製造する体制を構築
  • 2023.12.4 超高層ビルを支える国内最大の拡底バケットを用いた拡底杭工法を開発
  • 2023.11.29 施工人員25%減と作業負荷軽減を実現 山岳トンネル工事の補助工法を完全機械化
  • 2023.11.27 超高強度鉄筋コンクリート造柱の補修・補強技術を開発
  • 2023.11.21 世界初!2ブームロックボルト施工機の自動化を実現

複数の生コン工場で発生した戻りコンから再生セメント「Cem R3®」を製造する体制を構築

編集部コメント


鹿島建設は、神奈川県内の生コン工場で発生する戻りコンを利用して、環境配慮型コンクリート「エコクリートR3」を製造しています。この革新的なコンクリートは、CO2排出量を抑え、資源循環を促進することで環境に優しい建材となっています。

新たに設立された製造拠点では、生コン工場から集められる最大7工場分の戻りコンを処理できるため、「Cem R3」として再生する製造能力が従来の約7倍程度に向上します。横浜市の共同住宅建設に初めて採用され、その性能と施工性の良さが実証されました。鹿島は今後、この環境配慮型コンクリートの用途を広げ、脱炭素社会実現への貢献を目指しています。

超高層ビルを支える国内最大の拡底バケットを用いた拡底杭工法を開発

編集部コメント


鹿島建設と東洋テクノが共同で開発した「Earth-LEX工法」は、超高層ビル建設に革命をもたらす可能性を秘めています。この工法は、国内最大の拡底バケットを使用し、従来の拡底杭工法よりも大口径(最大直径6,100mm)の杭を築造することが可能です。これにより、高層化・大スパン化が進む建物に必要な高い支持力を実現できます。

工法の特徴はアースドリル式拡底杭工法で、一般的に使用される掘削機や資機材を使用でき、従来の施工方法と同じであるため施工性に優れています。拡底部の掘削はKTバケットで行われ、必要に応じてTSTバケットを使用します。解析と施工実験により拡底部の健全性と土砂の崩壊リスクがないことが確認されています。

この新工法は2022年8月に日本建築センターの評定を取得し、今後の超高層ビル建設における採用の拡大が期待されます。鹿島と東洋テクノは、施工性の向上やコスト低減に向けた取り組みを進め、建設業界に新たな可能性を提供していくでしょう。

施工人員25%減と作業負荷軽減を実現 山岳トンネル工事の補助工法を完全機械化

編集部コメント

鹿島建設とそのパートナー企業3社は、山岳トンネル工事のAGF工法における鋼管打設作業の機械化システムを開発しました。この新システムは、作業員の負荷を大幅に減少させると同時に、作業の安全性を向上させる効果を持っています。特に、「新型楽ダナ」と「連結機構付きガイドシェル」という2つの装置を使用し、従来人手で行われていた鋼管の供給と連結作業を完全に機械化することで、人員削減と効率化を実現しました。

横浜のみなとみらい21線車両留置場建設工事での試験導入では、これらの装置が予期された効果を発揮し、今後の山岳トンネル工事の自動化施工技術の発展に大きく貢献することが期待されます。

超高強度鉄筋コンクリート造柱の補修・補強技術を開発

編集部コメント


鹿島建設が開発した超高強度RC造柱の補修・補強技術は、大地震などの災害に対する建物の耐久性を高める重要な発展です。この技術は、超高強度コンクリートに対応した繊維補強モルタルを用い、損傷した柱の耐力と性能を維持または回復させます。流し込み工法とコテ塗り工法を含む2種類の補修・補強工法を採用し、構造実験により、補修後の柱が元の性能を保持し、剛性が回復することが確認されました。

この技術は、建物の長寿命化と持続可能な社会への貢献に加え、災害発生時の建物の安全性を高めることで、BCP(事業継続計画)や LCP(生活継続計画)の確立にも貢献します。

世界初!2ブームロックボルト施工機の自動化を実現

編集部コメント

鹿島建設と古河ロックドリルの共同開発による「2ブームロックボルト施工機」は、山岳トンネル工事における大きな革新をもたらしました。この機械は、穿孔からモルタル注入、ボルト挿入までのロックボルト工の一連の作業を自動化し、労働災害のリスクを大幅に低減しながら施工速度と精度を維持します。

これにより、建設業界の長年の課題である熟練技能者不足や低い生産性の問題への対策が前進します。また、この技術の導入は、作業員の負担軽減と安全性の向上に大きく貢献し、今後のトンネル工事の効率化と安全性向上に期待が高まります。

まとめ


鹿島建設の技術革新は、建設業界の持続可能性と安全性を大きく前進させています。特に、戻りコンから作られる環境配慮型コンクリート「エコクリートR3」の開発は、資源の再利用とCO2排出量削減の面で重要な役割を果たし、脱炭素社会への一歩を象徴しています。

また、「Earth-LEX工法」の開発は超高層ビル建設における支持力の向上と施工性の改善を実現し、建築技術の新たな地平を開きました。山岳トンネル工事における「2ブームロックボルト施工機」の自動化は、作業の危険性を減少させ、効率を大幅に向上させることで業界のモデルケースとなっています。

さらに、超高強度RC造柱の補修・補強技術は、災害時の建物の耐久性と安全性を大幅に向上させており、これらの技術は、業界の進化とともに社会の持続可能性に大きく貢献しています。