【メルマガ限定配信】スーゼネを追え!鹿島建設編

スーゼネを追え!では、スーパーゼネコンのDX関連ニュースを
各社毎にピックアップしてお届けします。
今回追いかけるスーパーゼネコンは… 鹿島建設 さんです!
【BIM / DX関連pickupニュース】
- 3Dプリンティング×CO2吸収コンクリート環境負荷低減に貢献する建設物の製造実験を開始 2023.7.12
- 環境配慮型コンクリートの採用により、施工時のCO2排出量を31トン削減 2023.7.4
- 令和5年度大阪府カーボンニュートラル技術開発・実証事業採択と参画企業の拡大 2023.6.28
- 自動化施工システムA4CSELによるCO2抑制効果を確認 2023.6.8
- カーボンネガティブコンクリート「CO2-SUICOM」を高速道路の橋脚工事に初導入 2023.5.9
3Dプリンティング×CO2吸収コンクリート環境負荷低減に貢献する建設物の製造実験を開始
編集部コメント
鹿島建設は、金沢工業大学とともに「カーボンネガティブ3Dプリンティング」に関する共同研究を進めています。今回、環境負荷低減に貢献する建設物の製造実験を開始しました。
具体的には「炭酸化養生装置」を設置し、部材内にCO2を効率的に吸収させます。養生を終えた部材は、製造過程でのCO2排出量を上回る量を吸収します。これにより、カーボンネガティブが実現するのです。
鹿島建設独自のコンクリート「CO2-SUICOM(シーオーツースイコム)」と3Dプリンターの組み合わせで、画期的な施工技術の実装を目指します。
環境配慮型コンクリートの採用により、施工時のCO2排出量を31トン削減
編集部コメント
「鹿島テクニカルセンター」の建設にあたり、建設時におけるCO2排出量を約31トン削減しました。これは、自社開発した下記2種類の環境配慮型コンクリートを採用したことによります。
- 「エコクリートR3」(アールスリー):戻りコンを原材料として再利用したコンクリート。
- 「CO2-SUICOM」(シーオーツースイコム):製造時にCO2を吸収・固定するコンクリート。
今後、環境配慮型コンクリートのさらなる高度化および用途拡大を図ることで、脱炭素社会の実現に貢献していきます。
令和5年度大阪府カーボンニュートラル技術開発・実証事業採択と参画企業の拡大
編集部コメント
鹿島建設らは「令和5年度カーボンニュートラル技術開発・実証事業」に共同で採択されました。大阪・関西万博に向けて、建設・輸送分野での脱炭素化の実証を進めていきます。
具体的には「リニューアブルディーゼル(RD)」を建設工事で利用する予定です。これは廃食油や廃動植物油等を原料として製造されたもので、石油と比べて90%の温室効果ガス削減が期待できます。主に欧米を中心に流通しており、次世代燃料としての利用拡大が期待されています。
自動化施工システムA4CSELによるCO2抑制効果を確認
編集部コメント
鹿島建設は「A4CSEL」(クワッドアクセル)を開発し、2015年から工事に導入してきました。これは建設機械の自動運転を核とした自動化施工システムで、「人手不足・熟練労働者不足への対応」、「生産性向上」、「労働災害撲滅」が期待されています。
A4CSELは、これまで労働集約的、定性的に行われていた建設工事を、1.作業の標準化、2.運転の最適化、3.計画の最適化により、最小人員数かつ高い生産効率で実施できることが大きな特長です。
具体的には、作業データを送ると、A4CSELが建設機械が定型的な作業を自動で行ってくれます。機械を計画通りに動かす「建設現場の工場化」を目指し、これまでに6件の現場にA4CSELを導入しています。
現在秋田県の成瀬ダム堤体打設工事で、A4CSELによるCSG打設が本格的に行われています。有人運転の場合と比較した結果、省力化・生産性の向上・CO2排出量の抑制に大きな効果があることが実証できました。
カーボンネガティブコンクリート「CO2-SUICOM」を高速道路の橋脚工事に初導入
編集部コメント
鹿島建設では、「CO2-SUICOM」(シーオーツースイコム)を用いた埋設型枠を、高速道路の橋脚工事に初めて導入しました。これにより排出量相当のCO2を100%削減し、さらに10%のCO2を吸収しました。橋脚1基あたりのCO2固定化量は、59kgです。
また埋設型枠とすることで、CO2削減と同時に、脱枠作業の省略による橋脚工事の工程合理化を実現しました。埋設型枠はそのまま構造物の一部となるため、脱枠作業なしに次の工程に移れます。これにより、施工の生産性向上にも貢献しました。
まとめ
鹿島建設では、CO2削減への取組を積極的に行っています。特に独自開発したCO2-SUICOMでは、大幅な炭素固定効果が実証されています。他にもリニューアブルディーゼルや自動化施工システムなど、幅広いアプローチでの取り組みに注目です。