CDEとは|BIM用語集

CDEとは、「BIM 情報管理の国際標準(ISO19650)」で定義づけされている共通データ環境のことです。BIMとの連携も可能になっているため、プロジェクトの管理と効率性の向上に期待できます。今回は、CDEの基本情報や基本機能、利用するメリットについて詳しくご紹介していきます。

CDEとは

CDEとは、「BIM 情報管理の国際標準(ISO19650)」で定義づけされている共通データ環境のことです。CDEは、BIMモデルや図面などの情報を引き渡したり、ワークフローを効率化させたりする場として使用されるデータプラットフォームです。

CDEにアクセスすることで、下記の目的を達成できます。

  • プロジェクトに必要な情報の入手
  • プロジェクトの情報共有
  • モデリング
  • 諸々の調整業務

CDEは、BIMとの連携も可能になっており、プロジェクトの管理と効率性向上に大きく役立ちます。BIMを取り入れている企業であれば、知っておきたいプラットフォームの1つです。

CDEの基本機能

CDEの基本機能は、以下の5つです。

  • 作業用機能
  • 共有機能
  • 公開機能
  • アーカイブ機能
  • データ連携機能

1つずつ順番に見ていきましょう。

作業用機能

作業用機能には、下記2種類の機能に分かれます。

  • チームワーク機能
  • 問題管理機能

チームワーク機能とは、CDE内部に保存されたBIMモデルを複数人同時に閲覧・編集できる機能のことです。

GRAPHISOFT社のBIMcloudのみ、Revit 用はAutodesk社のBIM360のみにチームワーク機能が搭載されています。

問題管理機能とは、BIMモデル上で問題が発生した際に、問題の概要や担当者などを問題リストで集約管理することができる機能のことです。

問題管理機能を活用することで、プロジェクト内の問題をダッシュボード画面で共有したり、メール通知できたりします。

共有機能

共有機能とは、BIMモデル内の情報共有ができる機能のことです。CDEの共有機能は、DropboxやSharePointなどのストレージサービスに似たサービスです。

共有機能では、作業中のタスクを閲覧・承認・レビューできます。また、公開時にレビュー・認可など様々な機能を使用できるのも特徴の1つです。

公開機能

公開機能とは、BIMデータをタスクチーム以外に公開できる機能のことです。公開機能では、公開データ専用のファイルを作成し、作成したファイルを都度移動させる運用がメインです。

ただし、BIM360のように選択したファイルを公開データ用の領域に転送できる機能を持っているCDEもあります。

アーカイブ機能

アーカイブ機能とは、データの変更履歴のログやファイルのタイムスタンプとして保存できる機能のことです。BIMモデルの編集履歴や問題発生時の記録、公開機能で公開されたBIMモデルやドキュメントバージョンをそれぞれ保存できます。さらに、アクセスログやユーザーアカウントの登録履歴なども残せるため、便利に使える機能です。

データ連携機能

データ連携機能とは、他CDEやBIMシステムとの連携を構築するための機能のことです。CDEのデータ連携機能を活用することで、BIMモデルの情報を簡単に取り出せます。また、CDE APIを使用することにより、ユーザーが利用するアプリケーションなどのデータを受け渡す機能の構築が簡単にできます。他システムのデータ連携に特化しているため、データ容量に負荷がかかるBIMモデルを使用している方には、欠かせません。

CDEを利用するメリット

ここからは、CDEを利用するメリットについてご紹介します。

  • プロジェクトの様々な工程で業務を効率化できる
  • コラボレーションを強化できる
  • 情報を一元管理することで情報のアップデートや確認が容易にできる
  • セキュリティの強化

プロジェクトの様々な工程で業務を効率化できる

CDEを利用することで、BIMを使用したプロジェクトの様々な工程で業務を効率化できます。例えば、CDEの基本機能として紹介した「作業用機能」では、プロジェクトの情報を同時閲覧・編集可能です。

そのため、プロジェクトの内容を送付・受け取る手間や時間が削減されます。また、編集箇所がすぐに反映されるため、修正の時間効率にも効果的です。作業用機能以外にも、プロジェクトの工程で作業効率化を手助けしてくれる機能は多岐に渡るので、ぜひ利用を検討してみてください。

コラボレーションを強化できる

CDEを利用することで、コラボレーションを強化できます。コラボレーションが強化されたことにより、プロジェクトチーム全体での採用とデータ共有が増加します。その結果、プロジェクトの採用問題やデータ共有問題の問題解決が可能です。

情報を一元管理することで情報のアップデートや確認が容易にできる

CDEを利用することで、情報一元化することができます。さらに、情報を一元化することにより、情報のアップデートや確認が容易に済ませられます。また、CDEではBIMデータの共有や編集もプラットフォーム上で可能です。そのため、データ送付・受け取りの時間削減や修正確認の容易さなどがCDEによって感じられます。

セキュリティの強化

CDEを利用することで、セキュリティの強化ができます。そのため、重要なプロジェクト情報やBIMデータ、図面などが流出することを防げます。また、CDEでは改ざん不可能な監査証跡の提供を受けられるため、問題が起こったとしても迅速に解決可能です。

BIMとCDEの連携によりプロジェクトの管理と効率性が向上する

CDEは、BIMとの連携によりプロジェクトの管理と効率性が向上します。CDEには、下記5種類の機能が備わっています。

  • 作業用機能
  • 共有機能
  • 公開機能
  • アーカイブ機能
  • データ連携機能

5種類の機能は、プロジェクトの情報管理や作業の補助など様々な場面で活躍してくれます。特にBIM作業では、複雑な作業が多く、プロジェクトのスピード感を高めることが大きな課題となっています。スピード感を高めるためには、作業効率を高めることはもちろん情報の精査が必要です。余分な情報を取得しすぎると、判断までの時間が遅くなってしまいます。その結果、プロジェクトに迷いが発生するため、CDEの5つの機能を上手く駆使し、プロジェクトの管理と効率性を高めるようにしましょう。

まとめ

今回は、CDEに関する内容を幅広く解説しました。CDEには5種類の基本機能が備わっています。基本機能を活用することで、BIMで行うプロジェクトの管理と効率性向上に期待できます。