bSJとは|BIM用語集

bSJとは、建設業界でデータの共有化や相互運用など、データをより使いやすくして、効率的な建築ライフサイクルを目指す団体です。bSJの活動は建築業界の生産性の向上にも関わってきます。今回はそんなbSJについて、基本的な情報から活動の目的、具体的活動についても解説していきます。

bSJとは

bSJとは「builgingSMART JAPAN」の略称で、建設業界のデータの共有化や相互運用を目的として、IFC(indstry Foundation Classes)の策定や標準化活動を行う国際団体のbuilgingSMARTの日本支部のことをいいます。

国際支部である「builgingSMART」は世界各国に18の支部があります。その中でも日本支部であるbSJは、建物のライフサイクルを通じてデータを共有化し、有効な機能にするための活動を行っています。

またIFC(indstry Foundation Classes)とは、BIMで用いられる建物を構成する壁やドア、窓などのオブジェクトデータを共有、相互運用するためのオープンなファイル型式のことです。

建設業界のこれまでの課題

建築業界では、これまでデータの共有化による相互運用をソフトウェア上で解決できていないことが問題視されてきました。データの共有化、相互運用が上手くいかないことで、設計、施工、保守管理など、建築ライフサイクルにおいて非効率的な作業過程をもたらし、生産性の効率も下げています。高度情報化時代にありながら、現場では、同じような作業状況で、何度も情報の追加や検索を行ったり、多くの作業でデータ利用に際しての無駄な工程が発生しているのです。

bSJの活動目標と方針

先の課題からbSJは下記の活動の目標をかかげています。

  • データの利用の標準化
  • 異なるソフトウェア・アプリケーションでのデータの有効化
  • 共有されたデータの活用の実現化

順番に解説していきます。

データ利用の標準化

まずはデータ利用の標準化があげられます。建設業界は多くの業種によって構成されており、それぞれ独自の技術や情報の表現、伝達方法によって発達してきました。建築現場ではその多くの業種が一緒になりプロジェクトを進めます。その際にデータの利用方法などが異なるとその分手間やコストがかかります。そのため扱うデータのファイル形式やその利用方法を標準化する必要があります。

異なるソフトウェア・アプリケーションでのデータの共有化

次に異なるソフトウェア・アプリケーションでのデータの共有化です。BIMには様々なソフトウェアやアプリケーションがあります。ソフトウェアによって扱えるデータの種類も様々で通常だと異なるソフトウェアのデータの共有は困難になります。そのため前述したIFCを活用し、ソフトウェアアプリケーション間のデータのやり取りを可能にします。

共有されたデータ活用の実現化

そして共有されたデータ活用の実現化です。標準化したデータを最終的には現場で活用できるようにする必要があります。そのためにbSJは、各種委員会にて協議を重ね、セミナーを開いたり、ホームページで情報発信したりなど、データの仕様を定義する活動やデータ活用の推進活動、また広報活動などを行っています。

bSJ独自の活動

前述したbSJの活動についてより詳しく解説していきます。

共有データの仕様を定義する活動

共有データの仕様を定義する活動は下記の通りです。

・国際評議会への参加

・国際技術統合委員会への参加

・経営委員会の開催

・運営委員会の開催

・技術統合委員会の開催

・各委員会・小委員会の開催

主に国際評議会への参加や委員会の開催など国外、国内でのデータ仕様を定義する協議などがあります。

データ利用の推進活動

データ利用の推進活動は下記の通りです。

・セミナーの開催

・Build Liveの開催

推進活動には、セミナーやBuild Liveの開催があります。Build Liveとは、限られた時間内で建築プロジェクトの課題に取り組む参加・体験型のイベントです。元は米国から始まっており、今や各国で頻繁に開催されているイベントです。

広報活動

広報活動は下記の通りです。

・ニュースレター発行

・メールニュース配信

・ホームページでの情報発信

・IFC検定の実施

広報活動にはホームページ、メールニュースでの情報発信やIFC検定の実施などがあります。IFC検定とは、実務におけるIFCデータの連携の精度向上とシステムの利用者及びソフトウェアの開発者の双方がIFCデータ連携の目的、仕組みの共通理解を深め、促進していく活動です。

まとめ

今回はbSJの活動目的や具体的な活動内容について解説してきました。bSJの目的は建築業界におけるデータの共有化と相互運用の実現です。大規模プロジェクトになるにつれ関わる業種が増えますし、データの相互運用の重要度は増します。建築業界ではBIMをはじめ、今後もさらにデータの利用場面が増えてくと予想されるため、bSJの働きに益々期待がされます。