清水建設、高い施工精度のOA床施工ロボットを導入|省人化率は70%

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清水建設は、新大阪駅前で施工中の新大阪第5ドイビル建設工事で、自社開発の双腕多機能ロボット「Robo-Buddy」をこのほど始動させ、職人とのコラボによりOAフロア(2重床)の施工を進めている。始動早々、施工精度・効率とも職人の技の域に達しているという。ゼネコン各社では、ロボット開発に注力しているが、清水建設によると、OAフロア施工ロボットの開発は今回が初めてのケースだ。

新大阪第5ドイビルでは、約700㎡の基準階のOAフロアについて、「Robo-Buddy」が中央部350㎡、職人が手間のかかる外周部350㎡をそれぞれ施工し、効率よくコラボしている。後工程の関係で「Robo-Buddy」の稼働は9月単月、2フロアの施工に限定されるが、職人と同程度の施工スピードと床パネルのレベル差±1㎜という高い施工精度を確保し、省人化率は約70%に達する見込みだ。

「Robo-Buddy」は4輪駆動の作業台車と台車から伸び出た2本のロボットアームから構成される双腕多機能ロボット。OAフロアの施工では、片方のアームがOAフロアの床パネルを支える支持脚の据え付け、もう一方が床パネルの敷設を担い、材料供給ロボットとセットで稼働し自律的に作業と移動を繰り返す。職人の手作業によるOAフロアの施工は、中腰で行う繰り返し作業であり、1枚10数㎏のパネルの敷設は苦渋を伴うことから、「Robo-Buddy」の新たな機能としてOAフロアの施工機能を開発した。なお、これにあわせて建材メーカーのニチアスと共同で、施工法を簡素化したOAフロアを開発、今後、広く建築工事に適用していく考えだ。

「Robo-Buddy」の適用に必要な準備は、支持脚の高さ調整に必要なレーザ発振器のセット、コンクリート床上の支持脚の位置を示す墨出し、ロボットへの作動指示。この作動指示は、タブレットからクラウドを介してBIMデータの床平面図を参照し、施工するエリアを選択してスタートボタンを押すだけで済む。2台のロボットはクラウドを介して作動指示を受信すると、SLAM(自己位置推定技術)により施工場所へ自動的に移動する。支持脚据え付けアーム先端のカメラで支持脚の位置を示す墨を認識すると、アームが材料供給ロボットから支持脚を取り出し、接着剤を付けてコンクリート床上に据え付けてレーザのレベルに合わせて高さを調整する。床パネル敷設アームは同様にカメラで敷設位置を認識し、材料供給ロボットから床パネルを受け取り、支持脚上に敷設していく。